見出し画像

メディアアートの歴史

近年、メディアアートというのが耳にすることが多くなってきた。
これはライゾマティクスやチームラボの作品がマスメディアに取り上げてられているからということや札幌においてはメディアアート都市として登録されているからということもあると思います。
しかし、それ以前にリオデジャネイロオリンピック閉会式やライブなどでテクノロジー×アート(体験)といったものが多いからではないでしょうか。
このページではレーザーを扱う前段階としてそもそもメディアアートとはどのようなものなのか。そしてメディアアートと古典美術の相違をまとめていきたいと思います。


そもそも、メディアアートの定義とは。

一般的にはあるメディアそのものが作品の制作原理、もしくは作品の素材として用いられている表現を指す。一方で、明確な定義が共有されにくいために数多くの問題を生み出している用語である。コンピュータ・アート、ソフトウェア・アート、インタラクティヴ・アート、ニュー・メディア等の用語と並列に用いられることもある。日本では、2001年に制定された「文化芸術振興基本法」において「映画、漫画、アニメーション及びコンピュータその他の電子機器等を利用した芸術」が「メディア芸術」として定義されている。そして、文化庁の主催するメディア芸術祭では「アート(=メディア・アート)」が「エンターテイメント」「アニメーション」「マンガ」という他の分野と並置されたメディア芸術の一分野として扱われている。このように、21世紀に入りその定義はさらなる混迷の状況を呈している。

『アートスケーブ』:https://artscape.jp/artword/index.php/メディア・アート

メディアアートの発展はテクノロジーの進化でもある。

コンピューターアート(1950年代〜)

「コンピュータ・グラフィックス(CG)」という言葉を初めて使ったのは、ボーイング社のW・フェッターとされるが、それは「コンピュータで可視化された情報全般」を意味していた。彼らの開発したパイロットのシミュレーション画像は現在のCGよりもむしろCAD(Computer Aided Design)の一例だが、当時、新しい絵画の登場と同質の衝撃を伴って受け入れられた事実は、その後のCGとアートの関係を端的に示している。最初のCGについては諸説あるが、1950年代にB・ラポスキーやH・フランケらがオシロスコープ上に曲線を表示する実験的作品を複数発表した。 CalComp社を代表とする「X-Yプロッタ」は高精細な図形描画を可能にし、G・ネース、F・ナーケ、C・スーリ、CTG(コンピュータ・テクニック・グループ)などが60年代CGの興隆を支えた。曲線・曲面の定義、座標変換、透視変換などCGの基本的アルゴリズムの開発も盛んに行なわれた。I・サザーランドの「スケッチパッド・システム(Sketch-Pad System)」(1963)は革新的なCADシステムであり、今日に至る対話型のユーザ・インターフェイスやディスプレイ装置の方向性を示すものであった。彼は「コンピュータ・グラフィックスにおける10の未解決問題」として、隠線処理やスムーズ・シェーディングなどCGにおけるリアリズムの追求を目指した。これを受けて70年代以降、CGは主にフォト・リアリズムおよび三次元アニメーションの方向に発展し、各種シミュレーションおよび映画やゲームなどヴィジュアル・エンターテインメント分野を支えることになった。

https://artscape.jp/artword/index.php/コンピュータ・グラフィックス

ヘルベルト・W・フランケ:新しい形の芸術的表現(1953〜2007).

ヘルベルト・W・フランケ(Herbert W. Franke, 1927年5月14日 - )は、オーストリア・ウィーン生まれの作家。ドイツ語でサイエンス・フィクションを発表しているほか、未来学、洞穴学、コンピュータグラフィックス、デジタルアートの分野でも活発に活動している。

https://www.weblio.jp/content/ヘルベルト・W・フランケ

ジョン・ホイットニー John Whitney (1917–1995)

カリフォルニア州パサディナ出身。コンピュータアニメーションの先駆者。キューブリック監督『2001年宇宙の旅』(1968)のスターゲートのシーン(このシーンのためにスリットスキャンシステムを開発した)で知られる。コンピュータの演算処理による幾何学グラフィックス作品を制作した。弟のジェームズ・ホイットニーJames Whitney (1921 –1982)との共同制作が多い。

https://classics.motiondesign81.com/john_whitney/

ジョン ヘイルズ ホイットニー シニア John Whitney Sr. (1960年代)

ジョン ヘイルズ ホイットニー シニアは、アメリカの アニメーター、作曲家、発明家であり、コンピュータ アニメーションの父の 1 人として広く知られています。

https://wikijp.org/wiki/John_Whitney_(animator)

A.マイケル・ノル

ノルは1971年にブルックリン工科大学で電気工学の博士号を取得し、1963年にニューヨーク大学で修士号を取得し、1961年にニューアーク工科大学で学部を卒業しました。1970年、電気工学名誉協会のエタ・カッパ・ヌは、コンピュータ生成ステレオグラフィックスへの貢献が認められ、優れた若手電気技師としてノル名誉賞を受賞しました。1990年、彼はコンピューティング機械協会のコンピュータグラフィックスパイオニアによってコンピュータグラフィックスの初期の作品が認められ、パイオニアに選ばれました。1994年、ニュージャージー工科大学は彼に優れた業績で著名な同窓会メダルを授与しました。

https://medium.com/the-link-art-blocks/ab-101-historical-figures-in-generative-art-a-michael-noll-5a23ea78ac41

ベラ・モルナール Vera Molnar

ヴェラ・モルナール(1924年生まれ)は、フランスに住み、働いているハンガリーのメディアアーティストです。モルナーは、コンピュータアートとジェネレーティブアートのパイオニアであると広く考えられており、彼女のアートプラクティスでコンピュータを使用した最初の女性の1人でもあります。[1] ハンガリーで生まれ、ブダペスト美術大学で美学と美術史を学んだ。1940年代と50年代に、彼女は非代表的な絵画を制作した。1959年までに、彼女は組み合わせ画像を作っていました。1968年、彼女はコンピュータを使って最初のアルゴリズム図面を作成しました。 1960年代、彼女は芸術における技術の使用に関する2つのグループをフランスに設立しました。Groupe de Recherche d’Art VisuelとArt et Informatiqueです。 彼女の作品は主要な美術館で広く収集されています。2007年、彼女はフランスの芸術と文学のシュヴァリエに選ばれました。 彼女は2022年に第59回ヴェネツィア・ビエンナーレの213人のアーティストの一人に選ばれました。

https://en.wikipedia.org/wiki/Vera_Molnár
https://generativelandscapes.wordpress.com/2019/04/09/pattern-based-on-vera-molnars-des-ordres-series-1974-algorithm-21-01/
https://www.pinterest.jp/pin/633318766319724897/

トニー ロングソン Tony Longson

コンピュータグラフィックスの分野における主要な革新者および力の1人です。彼の作品は世界中で認められており、レディング大学コレクション(イングランド)に掲載されています。Gemeente Museum(ハーグ、オランダ); Congressgebouw(Scheveningen、オランダ); 英国芸術協議会; WED Enterprises(カリフォルニア); カールマコーバーコレクション; とさまざまなプライベートコレクション。

彼は、マルチメディア制作に関心を持って、米国カリフォルニア州立大学LAのアニメーション学位プログラムに参加しています。

「ドローイングや写真などの分野は、美術教育では「視覚言語」と呼ばれることがよくあります。プログラミングは視覚言語以上のものであり、「創造的な言語」であると私は信じています。プログラムはアイデアをカプセル化できます。それは、アイデアを表現するための手段と、創造的な解決策を発見するための方法を提供します。次に、適切な出力メカニズムを使用することで、テクノロジーによってアイデアを可視化できます。」

https://eztvmuseum.com/we-remember-tony-longson-r-i-p/
https://eztvmuseum.com/we-remember-tony-longson-r-i-p/
https://bitforms.art/exhibition/scratch-code/tl_squaretonaldrawing_1_w/

関連サイト

インタラクティブ・アート(ジェネレーティブアート)

 観客を巻き込むことで表現を成立させるアート。「インタラクティブ」という概念には、「対話的」「双方向的」「相互作用的」などという意味があり、それぞれニュアンスがあるが、表現方法としてはどれにも該当する。またこれらは情報技術の概念としてとらえられている(しかし意味的には、古代の文物やオールドメディアにも広げることができる)。表現空間のなかに観客を招き入れて映像やサウンドに観客の反応を取り込む、インターネットやアプリケーションを操作させる、音楽、演劇、パフォーマンス、ゲームに参加させるなど、多くの分野でインタラクティブアートの傾向が見られる。

 表現の特徴としては、コンピュータやマイクロ・コンピュータなどの情報処理装置、それに接続されたセンサー、入力装置が用いられてきたが、現在ではネットワークやクラウド、さらには人工知能の利用により、新たなフェーズに進んでいる。またこれまでは機械を中心としたドライウェアが主だったが、バイオアートのアプローチが入り、生物的なウェットウェアも新たに加わる。相互性という観点からすれば、人対人、人対機械、機械対機械という技術的な関係があるが、さらに「知能」もこの関係性のなかに入ってきている。装置という観点からは、小型化によって身体の一部に取りつけ、感覚を拡張することなどが可能になっている。空間も、現実空間と仮想空間をまたぐものになっている。思考的にも、技術的にも、不断に変化している表現である。

https://bijutsutecho.com/artwiki/93

関連サイト

ビデオ・インスタレーション

ヴィデオを部分的に、あるいは全面的に用いたインスタレーションのこと。こうした動向が顕著になったのは1990年代以降のことであり、シングル・チャンネルでテープを映す形式に替わり、モニターや壁面にマルチ・チャンネルの映像を流す、規模の大きなインスタレーションが登場し始めた。また、安価で持ち運び可能なデータ・プロジェクターが開発されたことによって、旧来のモニターや照明を落とした空間を準備する必要がなくなったこともその動因となった。モニターやスクリーンに限らず、人形などのオブジェの表面に映像が投影されるT・アウスラーやP・リストらの作品も登場した。近年はDVDやデジタル・データによる映像投影を用いた作品もヴィデオ・インスタレーションと呼ばれることがあるが、高画質なDVDや液晶モニターの開発・普及と相まって、絵画のような美学的性質を追求したものや、物語性の強い作品の傾向が高まっている。したがって近年のヴィデオ・インスタレーションは、ヴィデオという媒体の技術的条件に対する関心から、知覚的・現象学的な探究が行なわれたV・アコンチやB・ナウマンらの初期のヴィデオ・アートとはその性格を異にするといえよう。

https://artscape.jp/artword/index.php/ヴィデオ・インスタレーション

レーザーアート

ダン・フレイヴィン Dan Flavin (1933‐)

クリッサー Chryssa (1933年-)

https://www.moma.org/collection/works/81434

オット・ピーネ Otto Piene(1928-)

ICC × Media Art Chronology

https://www.ntticc.or.jp/ja/archive/chronology/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?