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(Google)AIとデザイン

Google Design のWebサイトには People + AI Research と題してAI関連の記事がまとまっています。読もうと思って忘れていました。ので読みます。

手始めに AI and Design: Putting People First という記事を読みながら雑感を。翻訳記事ではないのでぜひ原文も読んでください。

黎明期のテクノロジーあるある

Right now, AI is the new flashy technology. We’re in the early days compared to the design eras of personal computing, the web, and mobile, but we’re still seeing the same trends we saw with previous waves of technology: You experiment, your product looks really cool, and then you stumble by building an experience that doesn’t address a real human need or aspiration. We’re reminding people of what we know works, which is to put people first and work from there.

AIはピカピカの(Flashy)テクノロジー。テクノロジーの波が来るときにありがちなこと(trend):実験する。クールに見えるプロダクトができる。そして実際には本当に人間が必要としていることや望んでいることに答えてないことに気づく。(テクノロジーより)人間を最初においてそこから始めるべき。

人間の理解できるレベルをスキップしてしまう

Right, because AI allows you to escape the scale of cause-and-effect relationships that humans are used to.

AIは人間が慣れ親しんできた因果(原因と結果の関係)の尺度をスキップしてしまう。

このトピックは面白いですね。AIの中で起きていることを人間が理解する必要があるのか。どのレベルまで説明すれば安心できるのか。期待通りに動かないことがある場合どうするのか。などなど。

人間は理解できないものを怖がったり、ひどい場合には現実とはかけ離れた説明(陰謀とか妖怪とか)をでっち上げてしまったりしますね。「AI なんとなく怖い」を避けるのは大きな課題です。

画像認識が「速すぎて」そのまま見せてしまうとひどいエクスペリエンスになってしまう話も示唆的です。Object Detection APIみたいなアルゴリズムは瞬間瞬間のデータをもとに結果を返すのでものすごく忙しなく判断結果がコロコロ変わったりします。一定時間の結果を見てもっと安定した答えを表示するようにする、みたいな工夫は結局人間のさじ加減だったりします。

I typically think of materials as having useful boundaries—you know when it breaks. (略)On the AI side, sometimes we kick around that idea: How can you show the limitations of the material to help people understand its capabilities better?

 素材はその境界/限界から理解される、という話は面白いと思いますた。どうしたら素材(material ー ここではAIのこと)の限界を見せることで人々にその能力をより理解してもらうか。もやっとした万能マシン、ではなくて輪郭を引いてあげる。

ガイドラインは実践的に

The guidebook is meant to be tactical in the sense that designers should be able to read through it in the morning and go change the way they work later that afternoon.

これはガイドラインを作る上での良い姿勢だと思いました。AIの話題はともすればハイレベルで哲学的にもなりかねませんが、読んだ後ですぐに「読者の行動が変わる」ことを目標として設定するのは素晴らしいと思います。行動に反映されないガイドラインは失敗。(哲学も必要です。思想のないルールの箇条書きみたいなガイドラインは辛いですよね)

変化するカテゴリー

There’s a huge difference between releasing guidance on the codification of a digital button and creating guidelines on AI, which is ever-changing.

新しくて変化の早いカテゴリーについてのガイドラインを作るのは、ボタンのルール(みたいな既にあたりまえになったもの)とは大きな違いがある。

Codification は成文化 。決まりなどを整理して明文化すること。

From the beginning, we’ve always said that our goal is not to make Google the one and only expert. Our goal is to give away this knowledge to the next thousand experts, who can then start to share it with the next 10,000 experts, who will keep sharing from there.

Googleが唯一のエキスパートになることは目標ではないと初めから言ってきた。我々の目標は次の大勢のエキスパートのために知識を譲り渡すこと。

成熟していない市場で殻を閉じるよりも、知識を分け与えて市場とAIの発展自体を活性化させてしまった方が良いという感じですね。

おわり。

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