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特集「五感と旅」を紹介します!
こんばんは。twende編集部です。
今回は、この雑誌の特集ページである「五感と旅」の内容を紹介していきます。
この特集は、編集部のあるメンバーが
「旅にでて、知らない世界へ行くと知らずのうちに五感が解放されている…それが人に旅をさせる理由なのではないか!?」
と、旅の経験を振り返ったときに感じたことから始まりました。
そんな私達の「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」は世界各地でどんなことを感じてきたのか、ゼミ生で文章を書いてみました。
写真も一緒にお楽しみください。
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曇天の空の下。
コンクリートで固められているはずの道路にはところどころ穴が開いて、雨水がたまっている。穴の中では、雨水と乾いた土を思わせる明度の高い茶色の砂が、時々通り過ぎていく車の振動に合わせて、ブルブルと水面を震わせる。
視線を道路から上げてみると、ふと一匹のヤギと目が合った。
オダ地区ではニワトリやヤギが放し飼いにされていて、何食わぬ顔で道路を歩いていたり、近くの雑草を食んでいたりする。
オダ地区はイスラム教圏だ。
そのため、生活の端々にイスラム教を感じるし、作法としてそれを意識する瞬間もあった。朝の5時ごろには、コーランを読み上げる放送が町のいたるところから始まる。その頃にはたいていの人が起きていて、女性が朝から洗濯をしていたりする。
食事は右手で食べる。左手は不浄の手であるためだ。ただし、パラパラとしたご飯類が出てくる際にはスプーンが据えられていたりする。
酒は飲まない。基本的には、だが。
ヤシ酒という酒がある。農家が朝の景気づけとして一杯飲むのだという。
ヤシ酒は透明で、一見したところ、水のようにも見える。ただ、鼻先に近づけただけでそのアルコール度数の高さを思い知る。匂いを嗅いだだけで酔いそうだった。
せっかくだからと、一口飲んだ。
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…つづく。
この先は是非2月に電子版出版予定の「twende」をお楽しみに。