2021/11/30 価格と価値について
こんにちは!
久しぶりの投稿となりましたが、おかげさまで元気にしています。
突然ですが「価格と価値について」です。
ご存じの通り、コロンビアで診療所をやっております。
当院は自由診療なので、値段が高いです。
おそらくアメリカ並みの良い値段します。
たまに、
「高いですね」
「ちょっとしか診療していないのにこの値段?」
「ぼったくりなんじゃないのか?」
というご意見を頂きます。
それはもっともだと思っています。
必要であれば説明も謝罪もします。
実際に患者さんの満足度も低く、経営努力を怠っているのかもしれません。
ただ、料金体系を変えることはしません。
●理由は3つ
① 医療技術の維持と発展
② 全ての患者さんに対する公平・公正さの担保
③ 患者さん満足度の追求
①医療技術の維持発展は、何よりも大事だと考えています。
医師の診察・診断・治療技術の他に、ホスピタリティや医院の環境整備には絶え間ない努力と、ある程度の資金が必要になるためです。
頂いた診察費は、医師の報酬のみに消えるわけではありません。
最新の研究キャッチアップ・学会報告・診断技術のブラッシュアップ・治療の幅を増やす医療機器購入・より安心して利用いただくための整備のために大半が使われます。
医療技術や環境整備に投資出来ればできるほど、全ての人に進んだ医療を提供できることにつながると信じています。
②患者さんの公平性・医院の公正性の担保は難しい問題です。
医療行為において、患者さんごとに異なる対応があってはなりません。
医の倫理として有名なヒポクラテスの誓いに下記の文章があります。
養生治療を施すに当たっては、能力と判断の及ぶ限り患者の利益になることを考え、危害を加えたり不正を行う目的で治療することはいたしません。
また、どの家にはいって行くにせよ、すべては患者の利益になることを考え、どんな意図的不正も害悪も加えません。とくに、男と女、自由人と奴隷のいかんをとわず、彼らの肉体に対して情欲をみたすことはいたしません。
治療の時、または治療しないときも、人々の生活に関して見聞きすることで、およそ口外すべきでないものは、それを秘密事項と考え、口を閉ざすことに致します。
(出典:日本医師会HP https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/a06.html)
これは治療時の公平・公正性について述べていますが、頂戴する診察費でも同様のことが言えるのではないかと思います。
患者さんによって異なる治療費は、公平・公正性を欠く端緒になりかねないので、基本的には料金のおまけはしません。
当院では、規定の診察費を頂く or 一定の無料相談 のみで対応しています。
③患者さん満足度の追求
「患者さん満足追求のために、診察費はなるべく少ない方がよいのでは?」と思われるかもしれません。
実際に低価格の料金で診察する病院は、当地にたくさんあります。
ただ、それでよいのでしょうか?
当院では「患者さん満足度 = 患者さんに関わる医療人の満足度」と考えています。
そして「医療人の満足度」は上記①、②と相関関係にあります。
医療関係者の技術的向上と、忖度せずに公平・公正に医療行為を行える安心感が医療人の満足度を上げることになり、結果患者さん満足度も上がる。酔いスパイラルも生まれます。
正当な報酬を頂いた上でなければ、患者さん満足度を上げることは難しいでしょう。
世の中には価格の違いと価値の相対性が分からない方
安い商品・サービスに過度に期待する方もいらっしゃいます。
そういった方にも説明を尽くして、なんとかご理解いただくための試みだけは続けていかなければいけないなとも身に染みて思いました。
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