#15_昨日の日記をさらにまとめる_2020/11/20
こんにちは。
昨日は酔っぱらったまま書いたので、話が完結していないため、急遽さらにまとめた文章を書くことにする。
① コロンビア代表騒動について
「選手の下剋上的監督解任はいかがなものか?」
という意見がある。
私の感覚だと、これは意味不明である。選手たちは基本的に「上司」を変えられない。上司は、さらに上部の組織がコントロールすべき問題だ。
正直、選手が行動を起こす必要はなかった。コロンビアサッカー協会が率先して動くべき問題であった。そして協会は、何事もなかったかのようにぺケルマン前代表監督にコンタクトを取っている。この体質には猛省が必要である。従業員に余計なことをさせる組織はろくなものではない。さすがに誰かの首が飛ばないとおかしい気がする。
協会にはおそらく自浄作用はないだろうから、スポーツ省あたりが介入してなんとか改革をさせるようけしかけてほしい。
選手たちは良く行動を起こしたと思う。選手がただ良いパフォーマンスだけを考えていてくれるような代表に変化してくれることを願う。
*****************
② Revista Semanaについて
コロンビアには新聞や雑誌等の媒体が数多くあるのだが、だいたい政権寄りか右派傾向が強い。これはコロンビアの政治史とも関係している。
南米各国の中でも左派政権が樹立されたことはないと言っても良いくらいで、基本的にメリケン合衆国の顔色をうかがい同調する南米の国で、現代版「反共の防波堤」である。ちなみに駐留米軍部隊も国内に存在する。麻薬取締り関係でも、DEAなどが公然と活動し、コロンビア当局と緊密に連携している。
右派でも様々な種類がいるのだが、「ウリビスタ」と言われる人たちがいる。ウリベ元大統領とその取り巻き or 信奉者である。このウリベ元大統領、相当黒い噂でいっぱいの人物である。メデジン地方政府の航空部長だったころに、パブロ・エスコバルの飛行機に飛行許可を与えていたり、準軍組織と言われる武力集団と関わりがあったり、大統領時代の汚職問題だったり、90年代に彼が作った天下の愚策・法律100号など、枚挙に暇がない。
このウリビスタ達は中産階級・知識人が多く、記者も多い。
例えば、RCNテレビという放送局は、ガチガチのウリビスタ。
Caracolテレビもほとんど同じ感じで、国内で放送されているテレビで中立な立場と言ったら、Cablenoticiasくらいしかない。
新聞雑誌も、El tiempoを筆頭にウリビスタである。
基本的に論調が一緒なので、外国人の私からしたら、別の論調を知りたくなる。
そういう時に重宝していたのが、Revista Semanaという週刊誌である。
与党議員へのインタビューばかりでなく、中道~左派の議員インタビューや、他が報じないスキャンダル、論説も左派系記者が異なる目線で論陣を張っていて好きだった。
しかし今年の11月から、Vicky Davilaという女性記者が編集長になった。
このVickyは、元RCNテレビでアンカーをしていた。
その時から、ガチガチのウリビスタでSemanaでも論理構成は全く変わっていなかった。左派系雑誌の記者にも拘わらず、ウリベ元大統領への独占インタビューなど、きな臭い女性である。
それと同時に、Maria Duzanという大御所女性記者や、気鋭の記者であるAriel Avilaほか多数が去った。Vickyが編集長になるタイミングでの騒動であった。
「かつてのSemana誌は終わった」
「SemanaはSer malaになった」
「Vickyが編集長のSemanaは便所紙以下である」
という見方が強い。なぜだろう。
2021年は2022年の大統領選を見据えたキャンペーンが始まる。このタイミングで、ほとんどのメディアの論調が右傾化するのは、コロンビア国民にとって大変不幸なことである。Semanaとしても、従来の購読層を失うような結果になりかねない。
本当は今すぐ購読中止したいのだが、年間契約時一括払いで、2021年5月まで期限があるのでとりあえず受け取らざるを得ない。と同時に、今コロンビアで最もリベラルな媒体はEl Espectadorである。このEspectador紙は、パブロ・エスコバルを批判し続け、本社ビルを爆破されたり、当時の編集長が殺害されたりしながらも、何にも屈せず、現在まで新聞を発行し続けている。年間購読料が4,000円くらいなので、今度申し込もう。
*****************
パブロ・エスコバルを扱ったドラマ作品がNetflixを中心に数多くある。
中には、「パブロ・エスコバルが好き」と言い出す人までいる。
とんでもないことである。
「貧しい人にお金をばらまいた」
「スーパーや料理店で破格の安値でご飯が食べられた」
という逸話がある。
貧しい近隣住民にお金をばらまいたり、福利厚生施設を作ったのは、人心掌握のためであるし、スーパーや料理店事業も、ただのマネーロンダリングの一環である。
裏で何人もの殺害された人がいる。土地を追い出された人がいる。テロで巻き添えを食った人もいる。
一言でいえば、「パブロ・エスコバルなんて、ただのクズである」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?