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【映画】「システムクラッシャー」は誰が見ても何かしら良い映画

映画の感想などを書くのは初めてなんですが、書かずにいられない感覚を覚えて記事を書いています。

残念な事にこの映画の公開を行っているサールナートホールの管理人さんの方が簡潔に作品の良さを書けているので、実際この記事は完全な無意味です。

効率の面だけで言うなら僕はそれをRTするだけで人に何かを主張出来る筈で、いま書いているのは本当にただの自己満足です。

でも、それをしたくなったんです。

だいたいオススメな視聴層

記事のタイトルには「誰が見ても」と書きました。

これはある面では本当の話で、この映画は一般の普通の人間に対し「『救うべき人間』の中にはこういう『常識では救えない存在がいるんだ』と突き付けてくる物語」であり、一方で変わり者達には「変人過ぎて社会に居場所がない人間を主人公とした人生ハードモードの物語」でもあると僕は感じました。

だから、是非見て欲しい!と思う視聴層はそれら「普通の人」と「変人」であり、それを総合すると「だいたい誰が見ても〜」となると僕は思っています。

・普通の人が見た場合

実をいうと普通の人が見ても、帰り道のファミレスで内容について議論出来るくらい考えさせられる内容だと思っています。
道徳の教科書に書いても良いような話なのに、道徳の教科書には多分書かれないタイプのお話です。

理由を一つ挙げるなら、「救われるべき存在」である主人公のベニーは哀れな狂人でありながら、哀れな狂人であるがために周りの忠告を聞かず過剰な悪行を繰り返します。

この映画はベニーが更生のために先生と山小屋で生活するストーリーですが、彼女は山での暮らしで心の豊かさをある面では手にしますが、根本的な所では狂人なのでその後も構わず傷害等のほとんど犯罪行為を繰り返します。
「豊かになってないじゃないか!(憤怒)」と思う人もいるかも知れないですけど、そこら辺は観ると納得するかも知れないです。それらは矛盾してないんです。

間違いなく、周りがどう思おうと本人は本人が思う形で成長しているんです。
ただ、社会がなって欲しいと感じている方向性には絶対に育たないってだけで。

さて、説明すると長くなるので上のような書き方になりましたが「根本的な所では狂人なので」と書いたのには少し語弊があります。


彼女は「狂人であるから異常にキレて人を殴って流血させる」事が繰り返し描写されますが、ほとんどの場面で「少しは理解出来る」内容でキレ散らかします。

彼女は親の愛への渇望や虐待、周囲からの侮蔑等などに本当はキレまくっています。
物語を終盤まで見ると「ベニーの異常な行動はほとんど論理的に説明可能なモノである」と視聴者は気付きます。

実のところ、この映画は「本人にはどうする事も出来ない事情で人間は狂人になり、そのせいで世間から『やべーやつ』として隔離される」という絶望も描いています。
でも、その絶望に屈しない人間の強さも描いていると思います。

だからこそ「好きだこの映画」と思いましたし、こんなのを書いてまで人にオススメしています。
映像も綺麗な場面が多いのでそこも良かったです。

・変わり者が見た場合

日本の映画で言うなら「さかなのこ」とかがそうですが、割とこれは「世間に馴染めない変わり者」に見て欲しいと僕は思っています。

一方で、「さかなのこ」は変人が社会的成功を収めるストーリーですが「システムクラッシャー」は普通に『社会に馴染めないやつが社会からボコボコにされてキレて、生きてる間中暴れまくる』というかなり「ジョーカー」寄りの話なので、相当心に辛いです。

主人公は凶暴な精神病患者過ぎるため、あらゆる施設からの受け入れを拒否されて生活しています。
この時点で更に辛いため、2倍精神に辛いです。

しかしベニーは完全に常識の埓外の存在のため、「そこは駄目だろ」というタイミングでもキレ続けます。
何なら自分が悪いタイミングでもキレて物を壊したり人を殴ったりします。

でも、実はこれが心地良かった側面はあります。
映画の「ジョーカー」は主人公が視聴者の時間で2時間近くいじめられた挙句に犯罪王になる訳ですが、僕はこれがストレスでした。

長過ぎだろ。いじめられ描写。
それを差し引いても良い映画だったけど。

当映画では主人公は物語開始段階から「哀れな存在」である事と平行して「犯罪者になる事を恐れない存在」でもあり、絶対にストーリーが暗いはずなんだけどエネルギッシュな印象を受けました。

見た人なら通じるかも知れない話ですけど、「ジョーカー」のラストの暴動シーンが2時間に拡大されてる感じです。
もう「生きる事とは即ち抵抗だ」と言わんばかりで圧倒されました。
「社会に馴染めない変わり者の生き方」としての回答はこの映画の中にはありません。
真似すると世界中の人類からボコボコにされて死にます。

ただ、「人と違う事をしてしまう人間」に必要なのは「反省」とかではないと僕は思っています。
人と違う方向を見て人と違う道を歩いているのに人と同じ歩き方をすれば、むしろ多めに転ぶ原因になります。

最後まで人から何を言われても反省も謝罪もせず、主人公ベニーはあらゆるものを意に介さず駆け抜け続けていきます。
そのメンタリティ自体は学ぶべきものなのかも知れません。

最後に

エンディング曲の「Ain’t Got No, I Got Life」がすげえ良いんです!
映画の終わり方から曲に入っていく所、そしてエンディングの途中で映像が変化する所、とにかく本当に良過ぎて良い!

どこでこんなマイナー映画上映してるか知らないけど全人類見ろ!(豹変)

調べた感じ、ろくに何処でも上映してないですね……
https://eiga.com/movie/90725/theater/


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