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温泉シャーク 〜筋肉と平沢進と熱海、そして筋肉〜

皆さん、サメ映画観てますか?
多分そんな観てないと思うので敢えて問いかけました。

……で、期待の夏映画「温泉シャーク」です。
もちろん予告も魅力的なんですが、公式予告の長さだけでは伝わり切らない魅力もありましたので、記事にさせていただきました。

(以下、少しネタバレを含んでます。でも、あらすじを全部知ってて観てさえ結局面白い映画だと思いますよ)


・割と王道を押さえた展開


予告を見ると奇をてらった変化球映画のように見えますが、実際には既存のやつで言うなら「シン・ゴジラ」みたいな大筋のとてもケレン味の強い映画でした。

それでいてジュラシックシリーズみたいな「終わりの終わりくらいまで絶え間なく出来事がインフレし続ける」ストーリーでもあります。
1時間半もない上映時間の中で、話のスケールは空気詰めすぎの風船のように「本当に?」ってくらい膨らみ続けて、最後に色々な物が爆発して…あと、爆発します。

中盤最後くらいの街中がすごい事になる場面は「そうはならんやろ」過ぎてやばいですが、そこから延々と同じかそれ以上の「そうはならんやろ」が視聴者に襲い掛かるはずです。

この映画は自分で視聴者に説明してきたルールをノータイムで次の場面で破ったりしてくるので、1秒も気が抜ける瞬間がありません。

・B級サメ映画の基本も押さえている


それでいて、「シン・ゴジラとかを説明に出したけど超大作なの?」と聞かれると確実にZ級映画です。

特撮技術的には予告の場面がMAXで、本編はカラオケの画面の背景に出てくる専門学校生が作ったCG…いや、誤解を恐れず言うなら「音楽ファンタジー・ゆめ」くらいの映像が次から次に良くも悪くも視聴者を幻惑します。
これは夢なのか現実なのか…個人的にはおっさんが紫に発光する場面と、とんでもない空母の場面が最強と感じました。

あと、序盤のまるで回転寿司のような勢いで手当たり次第に迷惑馬鹿野郎が出てくる場面もめまいがしそうになります。
とっても素敵なめまいです。



・筋肉(微ネタバレあり)

予告ではあまり出てきませんが、この映画は筋肉の物語です。

劇中出て来るクリーチャーの半分より多くを、たった一人のマッチョが倒します。
筋肉だから仕方ないよね。

しかもこのマッチョマン、劇中一人だけ何のストーリーも存在せず、ただ単になんの説明もなく画面にずっといます。
それでいて、水中でも減衰しない意味不明に強い拳だけで最後まで弱体化せず戦い続けます。

ただでさえ、(良い意味で)子供が書いたような脚本なんですが、このマッチョの存在で僕はこの映画が大好きになりました。 
かなり手の込んだコロコロコミック漫画みたいな展開を作り出す存在です。


・平沢進

実はこの映画、ガチガチに平沢進御大が関与しています。

一応エンドロールでは「サメの声を作った人」程度に紹介されてますが、製作陣は結構平沢フロント勢のようですし、クラファンにも平沢進オタク界隈の大物が寄付しています。

そのせいか知らないけどBGMもそこそこ平沢めいているので、ファンはそこにも注目出来てサイコーです。

えっ、平沢進を知らない?

では、この機会に覚えて下さい。
日本テクノ界の巨匠です。

・熱海

なんか少しぼかされていますけど、この映画は熱海を舞台にした御当地映画としての側面もあります。

特に僕は先日熱海で遊びまくったりしたので、街の全景が写る場面で「あのやつやん!」となりました。

・結論

……というワケで、なんかこう見どころの多い映画です。

海底探検要素も娯楽映画要素も怪獣映画要素もありますし、夏の休日に「何か映画観るか!」ってなった時とかに一番良い選択肢の一つだと僕は断言します。

率直に言ってZ級サメ映画なので「観ない者は日本を去れ!!」とは言いませんが、多分そんな長く公開しないし、なるべく多くの人に観て貰いたくてこんなのを書きました。

案外、予告と印象違ったでしょ?
これで興味持った人は映画館へGO!
多分、各県1映画館くらいでしかやってないゾ!!

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