人事の原理原則をまなぶ - 採用と選抜
こんにちは! メルカリのHR部門でマネージャーをしている@_tweeeety_です。
ぼくは、Software Engineer / Engineering Managerがキャリアの大半だったところから、人事へ興味をもちHRへジョブチェンジをしました。そのため人事経験が浅いです。(「なぜ人事へ興味を持ったの?」という話しはここでは割愛します。気になったら直接きいてください)
そこで、人事の原理原則を学ぶために「Every HR Academy」という講座を受講しました。このnoteでは、今年のふりかえりも兼ねて本講座を通しての人事領域に対する自分なりの学びや備忘録をまとめます。
このnoteのテーマは「採用と選抜」です。
また、本記事はジンジニア アドベントカレンダー 19日目の記事になります。
前回は「人事の原理原則をまなぶ - これからのHR」でした。
(参考: 2023年 ジンジニア アドベントカレンダー)
はじめに
Every HR Academyは全8回の講座で、内6回がテーマのあるInput & Discussionの形式になっています。
このnoteは連載予定です。1dayごとに「内容」「学び」「学びを活かすには?」を書いて自分への備忘録noteにしていきます。文末には各回のnoteへのリンクを追加していきます。講座が気になる方への参考にもなれば幸いです。
では本題へ。
内容サマリ
2回目の講座は「採用&選抜」でした。
セクションは以下の3つ。
「差別と評価」は、それぞれどんなことなのか?どこが異なるのか?についてや、そこから派生した多様性やアファーマティブアクションについてのセクションでした。「採用の原則」では、採用で得たい労働力・パフォーマンスとは何かを考えるセクションでした。また、それを特定するためのJob Analytics/JD/JSについても学びました。最後の「選考の原則」では良い選考のポイントを学びました。
学び
講義内で個人的に気になった学びと備忘録です。(講義の3セクションから気になった点だけ抜き出してるので順不同です)
学び1. 採用とはなにか?
採用とは「労働力を確保すること」であり、「労働力の確保の方法は3つある」ということがあらためての学びでした。3つとは「build(開発)」「buy(雇用)」「borrow(委託)」のこと。人がほしい = 「採用」だけではない、ということですね。
これは「採用で得たい “労働力” とはなんだろう?」という話しにもつながります。「労働力」を分解すると「能力」 x 「時間」になる。では、「 “能力”とはなんだろう?」でいうと「能力」 = 「KSA」に分解できる、とのこと。KSAは初耳でした。
一方で、「労働力」によって得たい「成果」についてはどうでしょう。「成果」につながる人的要素は 「能力」 x 「モチベーション」とのこと。つまり、いかなる方法かで「能力 = KSA」を獲得し、獲得した人材のモチベーションをあげて労働する(時間をかける)ことで成果につながるという関係性になります。
そしてこの話から、採用によって得たい「K: Knowledge(知識)」「S: Skill(スキル)」「A: Abilities(能力)」を定義するのがJD(Job Description)だったり....とつながるわけです。
ここまでをまとめるとこんな感じでしょうか。
なるほど奥が深い。(小並感)
MOTIVATION X ABILITY = PERFORMANCE については、以下のwebも参考になります。
学び2: JDとJSの関係
上記で「JD」に触れましたが、あらためてJDをご存知でしょうか?採用に関わったことがある方であればJD(Job Description)はご存知だと思います。日本語で言うと職務記述書といわれ、採用要件を定義するようなものになります。
しかし、採用要件を決めるにあたって「本来やるべきこと」はJob Analysis = 「その仕事がどんなことをやるのかを現場担当と同じレベルで理解すること」であり、その方法が2つ(JDとJS)あるということをまなびました。(JDは知っていたが、Job AnalysisとJSを知らなかった)
関係性で示すとこんな感じ。
これまでの自分のJob Descriptionという概念には「経験」「スキル」「責任」なども含んでいるイメージでした。なので、いままでJob Specificationの内容もJob Descriptionに書いていた身としては「オレの知っているJDは、JDじゃなかった...」的な感じでした・・・。無知ってこわい。ここで学ぶことができたので「仕事そのもの」と「仕事で成果をあげるための要素」を分けて考えるという思考は今後も役に立ちそうです。
ちなみに、「Job Analysis」にも定義があります。
なるほどポイントとしては「原理原則」です。自身をふりかえると、「複数の人間 / 異なる視点や意見を取り入れる」「複数の方法を取り入れる」というのは正直できていなかったケースも少なくありません。また、「繰り返されるものを重要視」も大事なポイントです。
これらのポイントもふまえ、JS/JDを書くコツについて「なるほど」と思ったので備忘録です。
学び3. 良い選考のポイント
最後に「良い選考のポイント」です。これはシンプルな原則なのですが、自分の備忘録として刻みたいのでとりあげました。
良い選考のポイントは「信頼性」「妥当性」「有効性」とのこと。
ここで特に意識したいのは「有効性: 期待するパフォーマンスから逆算しているか」でしょうか。これは、言い換えると「選考のためだけの選考ポイントになっていないか?」ということです。具体でいえば「入社後の評価基準と採用時の評価基準が同じか」とか「入社時はモチベーションをみてたのに、入社後はモチベーションは評価されない、ということはないか」ということなんですが、わりとありそうで耳が痛いです...。
学びを活かすには?
「労働力の確保」の「build(開発)」「buy(雇用)」「borrow(委託)」は、会社・組織・プロジェクトのリソースの考え方としても参考になると思います。同じく、JD/JSや選考ポイントも現場のHiring Managerとしても参考になるティップスだと思いました。
実際の採用活動に照らし合わせるのであれば、採用ポリシー / 選考基準 / 選考方法 などに迷ったときの指針としても原理原則に立ち返ることが重要だなと感じました。
たとえば、自分が採用を任されるのであれば、
どんな労働力を確保したいのか(JD/JS)
そのために選考で何を見極めたいか(KSA)
それを見極めるクライテリアはどんなものか(評価基準)
クライテリアを確認する方法はどんなものか(選考方法/選考ポイント
その確認方法はどう行うのか(選考スクリプト、技術試験)
その確認方法をどういう順で行うのか(選考プロセス)
そのプロセスを回すための体制はどうするか(TA、面接官トレーニング)
と繋がっていくのだな…と解像度があがりました。こういった学びを重ねることで、「自分なりの人事」「自分なりの採用」の引き出しを増やし「自分の言葉」で語れるようになっていきたいですね。
おわりに
アドベントカレンダーの自分担当分の2/6…まだまだ先が長い。6つも宣言しながらもヒィヒィいいながら追い込みドリブンで学んだことをoutputしていきたいと思います。(マゾ的発想)
■ 連載について
このnoteは連載です。12/18から数日にかけて一連をリンクしていきますので良かったら読んでみてくださいませ。
■ 謝辞
このnoteを書くにあたり、内容や画像の引用については事前にEvery HR Academyさまの許可を頂いております。快く許可をくださった主催の松澤さん、ありがとうございます。人事の原理原則が体系的に学べる数少ない講座です。気になる方は、受講を検討してみてはいかがでしょうか!