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【書籍】知らない人を採ってはいけない 新しい世界基準「リファラル採用」の教科書 - まとめも

はじめに

メルカリでEngineerの採用や育成をしている@_tweeeety_です。

このnoteは、「知らない人を採ってはいけない 新しい世界基準「リファラル採用」の教科書」という書籍の自分まとめです。

先日、以下のようなnoteも書いたのでよかったらご参考まで。


1. 書籍の概要

採用手法の1つである
「リファラル採用」についての解説本です。

リファラル採用についておおまかに

・リファラル採用とは
・リファラル採用に成功するためには
・リファラル採用の進め方
・リファラル採用の成功事例

という4点がが記載されています。

2. 書籍の目次

amazonからの引用です。

・第1章 リファラル採用とは――進化した縁故採用のかたち
    - リファラル採用のメリット・デメリット
    - 米国の採用事情
    - リファラル採用のリスク
    - 有名企業でなくても上手くいく
・第2章 リファラル採用に成功するためには
    - 6つの成功条件と3つの前提条件
    - トップの本気度と率先垂範がカギ
    - 持続的成功の3条件
・第3章 リファラル採用の進め方
    - 欲しい人材像の設定
    - 人脈の棚卸し時は必ず紙に書く^
    - 魅力と課題のあぶり出し
    - アピールブックのつくり方
・第4章 リファラル採用の成功事例
    - 4社の実例、実際やってみて感じた利点と課題

3. 3単語で表すこの書籍

あくまでも所感ですが、この本を読んだ感想を3つの単語で表します。

・ リファラル採用
・ キーポイント
・ 推進方法

4. 書籍まとめ

 4.1. リファラル採用とは

リファラルの説明です。

「リファラル(referral)」とは英語では紹介・推薦という意味で、リファラル採用とは、人材募集の際、社員を通して知人・友人の紹介・推薦を受け、選考を行う採用手法の事を言います。リファラルリクルーティング、社員紹介採用とも呼ばれています。

詳しくは、各採用チャネルについてnoteを書いたのでそちらをご参考ください


 4.2. リファラルの成功ポイント

リファラル採用に「6つの成功条件」をあげています。
大まかなサマリーとしては以下です。

1. 間違えないリファラル採用の推進方法の設定
    - 向き不向きを知り、ターゲット人数とチャネルを組み合わせる
2. 3つの前提条件のクリア
    - 成功に向けてキモとなる条件を確認する
3. 社長の本気度と率先垂範
    - 率先垂範することを確認する
4. 小さな成功からスタートし大成功へ
    - 最初にリファラル採用を実施する部門を確認する
5. リファラル採用プロジェクトメンバーの「気になる課題」の解決
    - 活動を阻害する課題胃だけは早期に解決する
6. 持続的成功の3条件のクリア
    - 一過性ではなく持続的な成功にするための条件を確認する

1. 間違えないリファラル採用の推進方法の設定について
リファラル採用も銀の斧ではないです。
最初の1年以内に6人以上の場合は、他の採用手法も併用すると良さそうです。

2. 3つの前提条件のクリアについて
リファラル採用は、通常の採用活動と違い、社員の友達・知人からダイレクトに自社へのフィードバックがもらえる点がメリットです。
一方で、入社後にギャップがあると求職者だけでなく、紹介した社員も責任を感じて辞めるリスクがあります。

より成功へ導き、リスクを取り除くために以下の3つが揃う事を条件としています。

1. 社長と会社を好きな社員がいる
    - 標準は6名、多くて10名
2. 嘘をつかない
    - 課題をクリアにする
    - 解決すべき"課題"と解決できない"受け入れてもらいたいこと"を洗い出す
    - 入社後のギャップを無くす
3. 社長が耳の痛い提案を聴ける
+α) 経験者採用時の追加条件
    - 経験値から2-4名採用で60名のリストが必要


3. 社長の本気度と率先垂範について
社長やリファラルを牽引する人が一番最初に行う事です。

一番最初に行うこと
・ リファラル採用PJメンバーへの動機づけ
・ リファラル採用PJへの関与とリーダーシップの発揮
・ プロジェクトメンバーとともに自社の魅力と課題を見える化
・ 上記課題の解決の方向性決定
・ 社長もリファラル採用活動をやり、1人以上採用する

また、"動機づけ"では以下のような事を話します。

動機づけ
・ リファラル採用の概要説明
・ メンバーにやってもらいたいこと
・ メンバーがプロジェクトに選ばれた理由
・ 経営における採用の位置づけや重要度
・ なぜリファラル採用を始めるのか
・ なぜリファラル採用に力を入れるのか
・ メンバーへの期待(○人くらい採ってほしい)

4. 小さな成功からスタートし大成功へについて
成功への第一歩としてパイロットプロジェクトのように小さく始めると成功角度が高まります。

進め方の大枠
・ パイロットプロジェクト
    ↓ リファラル入社メンバー追加
    ↓ PJメンバー追加
・ プロジェクトの拡大
    ↓ リファラル入社メンバー追加
    ↓ PJメンバー追加
    ↓ 合わない社員の卒業
・ 全社への拡大

また、パイロットプロジェクトを適応する部門の選び方もあるようです。

・ 採用計画がある部門
・ 人望がある部門長が統括している部門
・ 部門長と会社を好きな社員が3人以上いる部門

5. リファラル採用プロジェクトメンバーの「気になる課題」の解決についてリファラル採用の活動は1-4までで行えます。
ただし、メンバーの動きを阻害しないようにあがった課題を解決することが成功角度をあげます。

6. 持続的成功の3条件のクリアについて
持続的な活動を続けるために行う事です。

1. アピールブック
    - シンプル
    - 嘘をつかない
    - 良い面だけでなく、悪い面も書く
    - 改良し続ける
2. リファラル採用の仕組み構築
    - きっかけづくりプロセス
    - 口説きの成功プロセス
    - リファラル選考プロセス
    - クロージングの成功プロセス
3. 社長目線のリクルーター
    - 社長との会話を増やす
    - 社長目線のリクルーターと行動する
    - リファラル採用コンサルタントを活用する

アピールブックは以下のような内容が可能な限り検討され、求職者に伝わるように揃っていると良いです。

広告に載る情報
・どんな人が欲しいのか(会社の魅力)
・いくら貰えるか(給料制度)

最低限伝える情報
・会社の魅力は?(会社の魅力)
・会社の課題は?(経営課題、組織課題)
・課題の解決の方向性は?(中期経営計画)
・どんな人がいる?(働く仲間)
・キャリアパス、仕事は?(キャリアパス)
・育つ環境は?(育成制度、能力開発制度)

欲を言えば伝えたい情報
・公平?納得感は?(人事評価制度)
・賞与は?(賞与制度)
・福利厚生は?(福利厚生制度)
・今どんな経営?(年度経営計画)
・会社の歴史

 4.3. リファラル採用の進め方

リファラル採用開始時にやってはいけない事が3点です。

いきなり全社員で始める
リンゲルマン効果 = 社会的手抜きが起こる

リファラル採用の報奨金制度をつくって周知する
採用の意味、リファラルの意味、自社が素晴らしいという自信が必要

社長ではなく、人事部が主導ではじめる
目の前のタスク以上の重要度があがりずらい

前節でポイントを抑えたので、ここからが実際の進め方です。
具体的な推進手順の例が示されています。

進め方
1. 前準備
    - メンバー選定と意識合わせ
2. キックオフ
    - 欲しい人材像の設定
    - 人脈の棚卸し
    - 運表ルールの設定
3. リファラ採用の準備
    - 魅力の設定
    - 課題の設定
    - 社長と社員の夢計画(中長期経営計画)
    - アピールブックの作成
    - リファラル採用の仕組みづくり
4. リファラル採用活動の本格スタート

1. 前準備について
メンバー選定と意識合わせを行います。
選定したリーダーには次の責任を担ってもらいます

・ プロジェクトの進捗管理
・ メンバーのリファラル採用活動量の管理
・ リファラル採用活動量が少ないメンバーへの叱咤激励
・ リファラル採用活動量が少なすぎるメンバーをプロジェクトから外す
・ 成功ノウハウのきょうゆう 
・ 友人・知人への口説き方の指導
・ リファラル採用活動の受け皿づくりと募集
・ 社長への報告と相談

2. キックオフについて
キックオフの際に以下3つを終わらせるつもりで行います。

・欲しい人材像の設定
・人脈の棚卸し
・運表ルールの設定


"欲しい人物像の設定"には以下を設定します。

自社似合う人柄(マインド・カルチャーフィット)
<設定する内容>
・ こんな人と働きたい
・ こんな人はイヤだ!
<ポイント>
・ 通常の採用要件より詳細に設定して言語化する
・ カジュアル面談などでより密に話せる場で、メンバーが判断する必要がある

自社で活躍するためのスキル(スキルフィット)
<ポイント>
・ 通常の採用要件より広めに設定する
・ 狭いと動けなくなる
・ 必要最低限のみが好ましい


"人脈の棚卸し"は、以下のように行います。
どんなに会社が好きな社員でも、リストが0件では活動できないので重要なポイントとなります。

・ワークシートを用意し必ず書き出す
・1%でも自社に合う可能性のある友人・知人は書き出す
・その人は合わないが、その人から良い人を紹介してもらえそうな人も書き出す

書き出しは、LINEの友達リスト、Facebookの友達リスト、LinkedInの友達リストなんでも使います。
また、メンバーが「あの人は来ないだろう」という憶測で勝手に見切ってしまわないようにする必要があります。


ぼくの余談ですが、単に
「一緒に働いたら楽しそうな人いますか?」と方が効果があったりもしました。

また、同じスキルを持っている人同士はつながっている可能性が高いので、紹介してもらえそうな人を紹介してもらうというのは有効です。

"運用ルールの設定"では、以下のことを決めます

アタックの活動予算
・ ランチ: 円まで
・ 飲み会: 円まで
交通費予算
・ 実費を会社に請求/自己負担
書類選考・適正検査の有無
・ する/しない
合格パスポート
・ する(有効期限○年)/しない
社員紹介制度(報奨金)
・ 設ける(○万円)/設けない


3. リファラ採用の準備について
最初に"魅力の設定"を行います。
しかし、以下の理由で魅力の設定は難しいです。

・自社の魅力の全体像を把握することは難しい
    - 役職や立場、部門ごとにも魅力が違う可能性がある
・ 自社内からは自社の魅力が見えづらい

そこで以下の順でフォーマット化して進めます。

・魅力の列挙
・グルーピング
・魅力のまとめ
・魅力の追加
・魅力の「ウチらしさ」化

最初の列挙では、
"ものすごく小さな魅了"、"素朴に感じている魅力"、"こんなものも?"と思うものでもなんでもあげます。

ちょった魅力の集積がグルーピングされたときの言語化に繋がります。

次は"課題の設定"です。
課題の設定も魅力と同じ要領で行います。

・課題の列挙
・グルーピング
・課題のまとめ
・課題のチェック
・課題の分類

    - 課題: すぐ解決するもの
    - 課題: 将来的に解決していくもの
    - 変えられないもの: 受け入れてもらいたいもの


ここまで終わったら
"社長と社員の夢計画(中長期経営計画)"にまとめます。

大きく以下のパートで構成します

・ N年後にどういう会社にしたいか?
・ その実現のために必要なことは?
・ 時間をかけて解決する課題をどう解決するか?

これまでの3つ内容に会社情報などをプラスして
"アピールブックの作成" としてまとめます

アピールブック例
会社の情報
・ 会社概要
・ 事業概要
・ 弊社の実績
・ 直近5年の歴史
・ 社長はこんな人間です
・ 弊社の企業理念(存在意義/ミッション)
・ 弊社の行動指針(クレド/バリュー)
・ 弊社の日常(写真)
・ 弊社の魅力(他社との違い)
・ 残念ながら弊社にもこんな課題があります
・ N年後にはこんな会社になります(中期経営計画)
募集の情報
・ こんな人と働きたい
・ こんな人はイヤだ
・ 一緒に働く仲間 ※ よく読まれるパート
    - 仕事内容
    - 最も華やかな仕事/地味な仕事
    - 入社のきっかけ
    - 最近感動したこと
    - うちの会社で実現したい夢、目標
    - 一週間のスケジュール
人事制度の紹介
・ 標準年収モデル ※いくつかの世代ごとに用意
    - 最低月給と年収
    - 最高月給と年収
    - 平均の月給と年収
・ チャレンジしてもらいたい仕事のイメージ
・ 能力開発制度

最近の求職者は、
「能力開発制度の充実」をとても重視する傾向があるらしいです。


そしていよいよ
"リファラル採用の仕組みづくり" についてが最後となります。

これは、"声がけ ~ 選考 ~ 承諾"までのジャーニーに合わせたテンプレーを作るようなものです。

具体的には以下のようなことを行います。

・ きっかけづくりのプロセス
    - リスト/アピールブックはできている
    - ファーストコンタクトの流れを作っておく
・ 口説きの成功プロセス
    - イベントや勉強会など友人・知人を呼び込む受け皿を作る
    - 自社のすごい人もリスト化し、状況に応じて呼び込む
・ リファラル選考プロセス
    - この選考プロセスであれば安心して紹介できると思えるものにする
    - 一次面接官に安心・信頼できる人を置く
    - 不合格になった場合のフォローの仕組みをつくる
    - 通常選考よりも簡略化する
・ クロージングの成功プロセス
    - その人の会いたい人に会わせ続ける

4. リファラル採用活動の本格スタートについて
最後にリファラル採用を本格スタートします。
ここまでで準備できるものは以下です。

・パイロットプロジェクト発足
・キックオフ
    - 欲しい人材像の設定
    - 人脈の棚卸し
    - 運用ルールの設定
・アピールブック
    - 魅力
    - 課題
    - 中長期経営計画
・リファラル採用の仕組みづくり

本格アタックに向けて、作戦会議を行って定常化します。

一発目の作戦会議で話す内容
・定期的な進捗会議の設定
・行動目標の設定
進捗会議までの行動目標


 4.4. リファラル採用の成功事例

大きくは割愛しますが、個人的に参考になった事例を列挙します

・whyの徹底
    - なぜ採用するか、なぜリファラルか
・ リファラル採用の成果がでる人の特徴
    - 自社やwhyへの理解度が高い人ほど口説き上手な傾向がある
・ 報奨金の設定
    - 月額3,000円を最大2年間払う制度にした
・ アピールブック作成時の課題の解決
    - 課題により辞めた人へアプローチして出戻りを促した
・ 新卒採用
    - 新卒採用にアピールブックを活用。家庭訪問をしてご両親の安心感を得た
・ 質の高い採用
    - 質が高い = カルチャーフィットしている。ギャップが無い
・ 飲み会面接
    - 人間の本質を見る&口説くの両方同時に行う


おわりに

リファラルというと、なんとなく「声をかける採用でしょ。知ってる」となりがちです。
しかし、実際のところ、かなりの労力が必要だという事が本書を読むとわかります。

最後に、本書で印象に残った言葉を綴っておわりにします

「これからの採用はお金をかけずに、汗をかく」

Enjoy note!! 👋😊

補足

このまとめについての補足です。

・ 202001時点のまとめです
・ あくまでも僕自信が参考になったポイントです
・ 汎用的なポイントとはズレる可能性があります

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