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人事のマネージャーになってのふりかえり

こんにちは! メルカリのHR部門でマネージャーをしている@_tweeeety_です。

ぼくはソフトウェアエンジニア/エンジニアリングマネージャーがキャリアの大半だったのですが、HR領域に興味を持ちすこし前に人事へジョブチェンジをしました。

興味をもったきっかけは、社会課題を解決するためのテックカンパニーもエンジニア組織も「起こる問題のほとんどは組織と人の問題」ということをエンジニア時代から感じていたことに起因します。そういった問題にぶちあたり、採用 / 育成 / People Managemnet / 目標設定 / etc…と学んでいると「これって人事だよね?」と考えることが多くなっていました。そこからも紆余曲折はあったものの、エンジニアと人事をそれぞれ中途半端に学ぶのではなく、思い切って興味関心が湧いていた人事へ舵をきってみた、という流れです。

そんなこんなで2023年は人事部門にてマネージャーになりました(急に話しは飛ぶ)。そこで、このnoteでは人事マネージャーになってからの「われわれHRチームのふりかえり」「人事の原理原則を学んだふりかえり」と、2024年にむけて「ふりかえりからの今後の意思表明」を書いていきたいと思います。

また、本記事は、ジンジニア アドベントカレンダー 24日目の記事になります。(参考: 2023年 ジンジニア アドベントカレンダー


はじめに: われわれはどんなHRチームか

ぼくが所属しているHRチームは、「HR System & Data(通称HRSD)」というチームです。他社だとHRISと呼ばれるチームが近いと思います。前提となる特徴としては、Workdayという人事コアシステム(HCM)を管轄しているチームでもあります。そして、われわれのチームは大きく3つの役割をもっています。

それぞれ簡単に説明します。「1. 人事プロセスの構築」ですが、Workdayをはじめとする人事システムを中心に入退社、異動、組織変更などのプロセスを構築します。他にも、評価キャリブレーション時の評価情報を格納したり、給与改定があった場合のCompensationマスタデータの更新などのプロセスも構築しています。

「2. 人事プロセスの運用」ですが、構築したHRプロセスをセントラルに回す機能も持っています。弊社は、メルカリ、メルペイ、メルコインなどいくつかのグループ会社を持っていますが、HRBPが各Compnayごとにとりまとめた異動、組織変更などの情報をセントラルにとりまとめて月次発令として処理をしたりします。

そして最後は「3. 人事のDXとデータ利活用」です。人事データは、1.人事プロセスを構築し、2. 人事プロセスを運用する、とデータが溜まる世界です。その溜まったデータを使うことで、Data Driven HR / People Analyticsの推進やシステムでの人事業務のDX化、という役割も担っています。

1. われわれHRチームのふりかえり

HRチームのマネージャーになって何をやったか

まず最初に、紆余曲折ありながらも、このチームのマネージャーは2023年4月に引き継ぎました。チームの状況は良いとは言えず、チームの上司・メンバー含めて社員が6,7人が同時に卒業するような状況から引き継ぎました。

こう書くと信じられないかもしれませんが、幸いチームの心理的安全性は高く、卒業メンバーや残ったメンバーの関係値はひかく的に良い感じではありました。なので、まずはチームとして目指す方向をあらたに揃えるべく、チームのNorth StarとなるMissionの策定や役割の再定義からはじめました。

そんなこんなでマネージャーとして数ヶ月間でやったことを軽くふりかえります。

マネージャーを引き継いでからの数ヶ月のあれこれ:
- チームのMissionの再定義
- チームの役割の再定義
- メンバーのアトラクト
- チームタスクのPrioritizeとチーム外との認識合わせ
- チームのVisibility向上施策
- メンバーの最適化
- チームのスクラム化
- LEGO Scrum
- Workdayイベント登壇
- 社外との人事データ情報交換

それぞれ簡単に説明します。

━━ チームのMissionの再定義:

実はチームミッションはそれまでもあったのですが、すこし長めの文章形式でだれも覚えておらず形骸化の雰囲気があったので独断と偏見でガツッとシンプルな文面に変えました。

ただし、一方的に変えたわけではなく、チームオフサイトをひらき「Mission議論」コンテンツとして提案してフィードバックをもらう形で決めていきました。それを経て現在のMissionが出来ています。

以下は、その際の資料の一部です。(内部資料のため雑です)

━━ チームの役割の再定義: 

チームの3つの役割の画像を貼りましたが、それもこのタイミングで再定義しました。目的としては、「チーム内の共通認識を揃える」「チーム外へのチームのVisibility向上」を狙っていました。たとえば、チーム外の方から「何のチームなの?」と聞かれたときに、シンプルに答えやすく、わかりやすいモノが必要だと感じていたので再定義しそれをドキュメントにまとめました。

━━ メンバーのアトラクト:

チームのミッション、チームの役割は再定義したものの、実はチームの3つめの役割(人事のDXとデータ利活用)を担うピースがいない状態でした。(一応、自分が3つめの役割を担うICも兼務する想定もしていたので完全にいないわけではなかったのですが)そこで、プロダクト側のデータアナリストにて人事データに興味がありそうな方の話しを聞きつけアトラクトをしにいきました。いろいろありましたが、縁もあって今までは同じチームで働くことが出来ています。

━━ チームタスクのPrioritizeとチーム外との認識合わせ:

われわれのチームは、採用/育成/評価/報酬/労務/タレマネなど特定機能を担当しているチームではなく、それらのベースとなるシステムやデータ、オペレーションの管理や実施を担っているチームです。そのため、各HR機能を担っているチームと協業のプロジェクトや依頼タスクなどで溢れている状況でした。

しかし、前述のとおり人が6、7人いなくなったわものの、そういったプロジェクトやタスクがなくなるわけではありません。とはいえ、無い袖は振れない状況でもありました。そこで持っているプロジェクトやタスクをリスト化し、チームのミッション、チームの役割、メンバー、Willを加味して優先度をつけなおしました。それをチームのpriority listとして言語化し上司であるCHROやHR Managers会議にて合意形成をしました。そこから徐々に落ち着いてきて?いまに至ります。

━━ チームのVisibility向上施策:

われわれのチームは各HR機能のベース部分であったりと役割や成果がみえずらいという課題を感じていました。そこでチームのVisibilityを向上するために、上記のようなスライドにチームの紹介をつくって役割やメンバーの顔が見えるようにしたり、それをバラまいたり、はたまた、チームメンバーでHR Managers会議やオフサイトの事務局を担ったりと表に出ることを意識的に行いました。これらの効果は測りづらいですが、わりと以前よりアテンションが高まった感じはしています。(完全に個人の所感w)

━━ メンバーの最適化:

すでに社員は抜けたあとでしたが、このチームには契約社員、業務委託、派遣などさまざまな雇用形態のメンバーもいました。あまり言及はしませんが、不協和音がながれるような状況であればチーム状況に合わせて試行錯誤しながらメンバーの最適化を図りました。

━━ チームのスクラム化:

チームのリズムをスクラム化しました。(といってもこれはマネージャーになる少し前からそうしていた)チームメンバーで共通のプロジェクトを追うタイプではなく、各人が各プロジェクトを持つようなタイプなのでスクラムがマッチしない部分もあるのですが、チームリズムを作るのにはとても良い手法だと思っています。チームをスクラムのリズムに載せることで、スプリントの開始に「各人が、何にフォーカスして、このスプリント何をやるのか(Sprint Planning)」、スプリントの終わりには「各人の、進捗やWinはなんだったのか(Sprint Review)」「チームやメンバー間での相互理解や改善提案(Retrospective)」などがまわるような仕組みになっています。  

━━ LEGO Scrum:

これはHRチームのマネージャーになったからというわけではないですが、LEGO Scrumを社内で実施しています。人事的にはL&D(Learning & Development)の1つのコンテンツとしています。我々のチームはL&Dを担っていないですが、コンテツやロジ管理はL&D,ぼくは講師などをやる役回りで関わっています。直接的にはマネージャーがどうこうは関係ないのですが、社内でLEGO Scrumを開催してるチームの人ということで多少Visibilityがあがります。

━━ Workdayイベント登壇:

社内だけでなく社外へのVisibility向上、社外の方との人事システムや人事データの情報交換ということでイベント登壇などもしました。すでに終わってしまったイベントですが参考程度に貼っておきます。

━━ 社外との人事データ情報交換

人事システムや人事データは、まだまだ未成熟な領域だと思っています。われわれもData Driven HRを目指すべく着手はしていますが、まだまだ走り出したばかりという印象です。人事システムや人事データを今後どうしていくべきか、人事データを扱う上での課題をどう突破しているのか、ベストプラクティスはあるのか、などを考える上で他社さまと情報交換がしたく、積極的に情報交換を増やしました。  

直近では以下の企業さまと情報交換させて頂きました。

直近で情報交換させて頂いた企業: 
- 2023/11後半 アステラス
- 2023/12前半 DeNA
- 2023/12前半 リコー
- 2023/12中旬 Sansan
- 2023/12後半 LINE
※ 敬称略

この流れで来年2024年は、人事データ関連のmeetupでも開催しようかと思っています。というのも、人事データ関連は調べても情報が見当たらないことが多いです。そのため、日本の人事データに関する情報や知見を成熟させるべくmeetupなどでたくさんの会社同士で情報交換をしあいたいです。もしご興味あれば一緒にやっていきましょう!

HRチームとして何をやったか

そんなこんなで、チームとしてやってきたことも大小いろいろあります。そのなかから、それなりにインパクトや印象が強かったものをいくつかご紹介します。

━━ 人事SasSの刷新:

まずは人事SaaS刷新プロジェクトです。これはローンチ前なので詳細は控えますが、いくつかの人事SaaSを大規模に刷新する2年計画のプロジェクトです。社内の人事システムには歴史的な負債や運用の課題感がたくさんあります。扱っている人事データもカオスティックな状況で何がどこにあるのかを把握してる人がほとんどいません。そんな状況下で、人事業務が工数の肥大化、品質の低下、スケールしない仕組みなどなどの闇を抱えていて、そこを刷新することで改善予定です。ローンチは2024年の予定なので、無事にリリースできたあかつきにはこのプロジェクトも何かしらの記事化をしたいです。

━━ 人事OpsとHRBP業務改善:

HRBPと我々HRSDチームは、月次の人事発令業務などで協業関係にあります。HRBPから「現在のHRBPは部門人事的な役割で疲弊しているメンバーが多いため一緒に改善してほしい」と依頼を受けて改善プロジェクトを地道に行いました。まず、HRBPとともにワークショップを数回おこない「これまでの社内でのHRBPとHR Opsの歴史」「そこからの課題感のすり合わせ」「ソリューションの検討」などなどを実施。そのうちのキー・ソリューションとしてOpsCenter(Shared Service化)構想のプロジェクト化にこぎつけました。

これはHRの3 Pillar Modelのようなものを狙っています。「3 Pillar Modelとはなに?」という方はいくつか参考を貼っておきますのでご参照ください。

HRDXの教科書 デジタル時代の人事戦略
HR SHARED SERVICES – AO
5 Types of HR Operating Models: A Full Guide

こちらもプロジェクトとしてはまだ道半ばですが、来年には花が開く予定ですのでこちらもなにか書けることがあれば記事化をしたいと思います。


━━ Data Driven HR:

これはプロジェクトというよりは、そういう文化を作ろう的な文脈が強いです。実は、ぼく自身はこの領域に特に興味がありエンジニアから人事に異動してきたという流れもあります。なので、ここは思い入れもあり今後も注力していきたいところです。

具体的にやったこととしては、データ アナリストのアトラクトはすでに書きましたが、施策としては人的資本開示、採用/組織/I&D文脈の可視化、男女賃金格差分析と是正などなどがあります。参考となる記事を貼っておきます。

男女賃金格差の分析に関しては、メディアなどでも大きく取り上げていただいたり、反響も成果もそれなりに手応えのあったチーム施策でした。

Data Driven HRとして、「人事データ分析の高度化」「人事データの一元化」「人事データの民主化」あたりを加速させていきたいです。このあたりもまた別途記事を書こうと思います。

━━ HRデータガバナンス:

人事データは個人情報というセンシティブなデータを扱うわけなので、人事データを使って攻めるには人事データを適切に扱う「守り」を必ずセットで考えなければいけません。

おそらく弊社だけではないと思うのですが、人事SaaSは個別最適で導入されることが多く、結果的に人事データが各所に散財していたりと扱いが難しかったり権限管理をするにもかなり複雑です。その結果、どの人事データをどの役割・チームがアクセスできるのか?などの明文化されたポリシーやガイドラインが未整備の状況でした。そこで、これらを整備するためのアクションを実行中です。こういったガードレールを敷くことで、人事データの利活用にも思いっきりアクセルが踏めるようになります。(弊社VPの言葉を拝借)

この件は、人事データを提供する側である我々チームだからこその課題感も多く、プロジェクトの合間ですすめていますが細く長くでも継続して着実に進めていきたいところです。

━━ AI Driven HR:

Data Driven HRもまだまだこれからですが、AI Driven HRにも攻め込んでいきます。世間一般にもAI/LLMの話題が続いていますが、HRの世界もこの話題が増えています。スマホがいつのまにかあたりまえに普及したように、おそらくHRの世界でもとくに使っていることを意識しないレベルにまでAI/LLMが普及していくと思われます。そのときになって使う側になるのではなく、われわれがその世界を切り開くべく、次のクオーターでは人事部門のOKRに「AI/LLMの利活用」を掲げてドライブをかけていく想定です。

ここまで書いてみると2023年中は仕掛中のものが多いですが、どれも大きめのインパクトが出せると思っているので2024年は地道に花を開かせて行きたいと思っています。

2. 人事の原理原則を学んだふりかえり

ここまでは人事チームやマネージャーとしてのことを書きましたが、2023年は個人としても人事を体系的に学んだ年でもあります。せっかくなので、そのふりかえりもしたいと思います。

具体的には、「Every HR Academy」という講座を受講しました。Every HR Academyは、土曜に受講する全8回の講座です。受講形式は、Inputからはじまり問い&Discussionをおりまぜながら進めるタイプで、知識を受け取るだけではなく思考とOutputが必要です。また、受講後には簡単なレポートや小テストを提出します。後半には、日本や海外で活躍されている人事の大先輩のトークセッションや、人事テーマに沿ったレポートのまとめ(社内の主要人物にヒアリングをしながら)と発表をして受講終了になります。

どんな講座だったか

全8回はこんな感じです。

- Day1: これからのHR
- Day2: 採用&選抜
- Day3: パフォーマンスマネジメントと評価
- Day4: ピープル・アナリティクス
- Day5: 人材開発・キャリアマネジメント
- Day6: 報酬制度・インセンティブ
- Day7: 特別公演
- Day8: アサインメント発表会 & Find your why

それぞれの回についての説明は省きますが、手前味噌な紹介でいえば、講座について別のnoteにも書いています。よかったらご参照ください。


受講した4ヶ月はどうだったか

「Every HR Academy」を受講して、自分のなかで「人事とは何か?」の解像度が上がった4ヶ月間だったと思います。解像度を上げたと思える点は2点あります。

1つめは、HR機能の全体像を体系的に学んだことです。 それにより、これまでHRの各機能を点で捉えていたところから、HRの各機能がどのように相互作用しているのか線で繋がって見えるようになりました。これからは、組織と人に対して何か施策を検討したいときに、個々のHR機能を単発で検討するのではなく大局観をもって施策の検討ができそうです。

2つめは、各HR機能の原理原則を学んだことで、人事戦略や人事施策の検討時の指針ができたことです。これまでは、何かしらの人事施策を考えるとき「過去どうしていたか」「他社ではどうやっているか」などばかり気にしており、本当の意味で「なぜその施策が良いのか」を考えきれていなかった自分に気づきました。これからは、人事施策の検討時にはまずは「ビジネス・経営状況」「人事の原理原則」の2軸から考え、そこに「過去どうしていたか」「他社ではどうやっているか」などのエッセンスを加えることで、より目的Drivenで納得感のある施策が考えられそうです。

たくさんのことを学ばせて頂きましたが、まだまだ人事の輪郭の解像度が上がった程度だと思っています。なので、このさきもインプット/アウトプットや経験を重ねることで「人事とは何なのか?」「自分の人事道は何なのか?」を自分なりに言語化できるようになっていきたいです。

3. ふりかえりからの意思表明

「われわれHRチームのふりかえり」「人事の原理原則を学んだふりかえり」から、2024年に向けての意識を書いて終わりにしたいと思います。「人事として意識したいこと」という意思表明的なものです。

人事として意識したいこと

「われわれHRチームのふりかえり」「人事の原理原則を学んだふりかえり」を通して、「人事として意識したいこと」は4つあります。

━━ 1. 言語化:

マネージャーとして「このチームは何か」や「このチームの方向性」を言語化する重要性をあらためて感じた年でした。言語化することでチーム内は同じ方向を向くことができますし、成果のためにチーム同士のコミュニケーションやVisibilityを上げたいときも言語化がされていることで話しがスムーズな場面が多々ありました。

また、人事として何かしらをしていく上での言語化には3つほどの観点が必要だと感じました。「ビジネス/経営/組織の戦略からの言語化」「人事の原理原則からの言語化」そして最後に「自分の経験や考えからの言語化」です。言語化をしたときに、これらのどれか足りないことで「それらしいことを言っているがピンとこない」という状態になっていそうな気がします。

とにもかくにも、言語化を意識した人事になります。

━━ 2. 経営・ビジネスからの逆算

人事戦略は、「経営・ビジネス戦略からの逆算」である。当たり前ですが、ついつい忘れがちな視点です。「1. 言語化」でも書きましたが、それらを意識することで人事戦略や人事施策はグッと芯を捉えてる感が出ると思います。

ビジネスとHRという文脈でいうと、講義中に印象的だった言葉に「HRも1円稼ぐ感覚を持つべし」という言葉がありました。「”お前のHR施策を事業部門に買ってもらえるか営業してこい”と言われた」的な話しがありましたが、たしかにお金を稼ぐ事業部門から「お金を払ってでもやってもらいたいHR施策」なんであればそこには価値がありそうです。

いずれにしても、自社のビジネス・サービスを自らが自慢できるほどに理解し、好きでいれるような人事でありたいです。

━━ 3. 組織と人に向き合う

「われわれHRチームのふりかえり」での経験からは、やはりエンジニアのときに感じていた「起こる問題のほとんどは組織と人の問題」を再確認する良い機会でした。人のトラブルはメンタル ヘビーなことも多いですが、プロジェクトのようにゴールを設定してみなで解決するわけでもなく、チームメンバーで役割を決めて割り振るものでもないので、だからこそマネージャーが向き合わないと解決しません。

エンジニア時代に同様のことが起こったとき、「自分たちの問題なんだから自分たちでなんとかしてくれ」と思ったこともありました。しかし「チームの成果の最大化がマネージャーの役割」というからには、それが成果の最大化を阻んでいる要因なのであればマネージャーが取り除く必要があるよなぁと改めて思いました。

加えて、人事戦略が経営・ビジネス戦略からの逆算であること、各HR機能は共通の目的のもと相互作用しあっていることを理解してからは、上位の組織 / 横の組織 / 自分の組織など全方位の組織に向き合う必要性を感じています。結局は自チームの成果の最大化だけでなく、全体としての成果の最大化を狙うことが芯を捉えた活動になる気がしています。

今後も、組織と人に向き合うマネージャーでいたいと思います。

━━ 4. HRとTech融合

これはいわずもがなですが、「われわれHRチームのふりかえり」「人事の原理原則を学んだふりかえり」いずれにしても現代の人事には、採用、評価、報酬、給与計算、タレマネ、etc…とそれぞれのHR機能のベースにシステムとデータが絶対にあります。しかし、これらを真に利活用できている会社はまだまだ多くない印象です。弊社もそうです。Tech(システムとデータ)とHRを融合させることができたのなら、成果の最大化も作業の効率化も何倍にもレバレッジが効くと信じています。

なので、われわれHRSDチームはHRとTechとの融合を積極的に進めていきます。

おわりに

2023年は、自分にとって人事元年といえるほど、経験としてもインプットとしても濃い1年を過ごすことができました。人事チームのマネージャーとしてのチームづくりやプロジェクト経験は、どれもヘビーでしたが良い経験値になったと思っています。講座による「人事の原理原則」は、人事観の解像度があがりましたし、今後の人事における指針をいくつか作ることが出来ました。

2024年は、「HRチームとして何をやったか」に記載した大玉プロジェクトが継続中なのでまずはそういったレガシー(あとに残る成果)をしっかり蓄積していきたいです。さらには「Data Driven HR」「AI Driven HR」などのチャレンジングなHR領域も攻めていきます。

そして個人としては、HRとしての情報発信だけでなく、人事データ関連について各社で情報交換できるようなHR Data meetup的なものの開催を検討中です。

ということで、2023年もなんとか締めることができました。みなさま良いお年をお過ごしください〜!

■ アドベントカレンダー連載

この記事を含め、2023年はアドベントカレンダーの連載記事となっています。この記事のすこし上に、12/18からの一連をリンクしておきますので良かったら読んでみてくださいませ。

■ 謝辞

このnoteを書くにあたり、内容や画像の引用については事前にEvery HR Academyさまの許可を頂いております。快く許可をくださった主催の松澤さん、ありがとうございます。人事の原理原則が体系的に学べる数少ない講座です。気になる方は、受講を検討してみてはいかがでしょうか!


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