まちのことを“ジブンゴト”として捉えるには?
こんばんは。8割方完成していたこの記事を消してしまったために心が折れかけている北海道の地方公務員・渡邉です。
さて、今回は、まちのことをまちの人が“ジブンゴト”として捉えるにはどうすればよいかについて、社会教育行政の業務を通じて考えていることを書いていきたいと思います。
私がnoteを始めたきっかけについては、こちらの記事をご覧ください。
このnoteは、“社会教育行政”という分野で働く公務員の私が、勤務時間外のプライベートな時間約128時間/週を使って、いろいろな角度から町を盛り上げたいと思い、普段の業務を通じて考えていることやアイデアなどを書きためるものです。あくまでも一個人の考え方であり、私が所属する組織の総意ではありません。
“当事者意識”はどうしたら芽生える?
いきなり身も蓋もないことを言うと、“当事者意識は一朝一夕でできるものではない”と思っています。
興味関心のないこと、身近に感じられないことは、やはり実感は湧きません。ましてや、日頃の暮らしに小さな不満はあれど、“まちのこと”という大きなカテゴリーになると、自分の暮らしとは無縁に感じてしまうのかもしれません。
以前書いたように、社会教育は、地域住民が地域の課題を解決するためのサポートをすることが大きなミッションの一つです。
「じゃあ、どうすれば地域住民が地域の課題を、“ジブンゴト“として捉えてくれるのか」と常々考えていますが、そう簡単に答えの出る問いではなく、ある意味、社会教育にとっての“永遠の課題”なのかもしれません。
一方で、前回の記事で「人をやる気にさせるのは難しい」と書きましたが、この“当事者意識”(を持ってもらうこと)と、“人をやる気にさせる”ことは、表裏一体なのではとも思っています。
“ATI”―圧倒的当事者意識―
まだまだ勉強不足で、深くまで考えが及びませんが、最近、この考え方に興味を持っています。
ATIは、株式会社リクルートで、社員が身に着けるべきことの1つとされているそうで、入社してからすぐに「自分はどうしたいのか」ということを徹底的に問われるのだそうです。
どのような業務に対しても、「自分はどうしたいのか」という視点を持つことで、主体性をもってその業務に取り組める。
そういう取り組む姿勢や、「自分はどう考えるのか」という自問は、イチ地域住民である地方公務員にも必要なのではと考えています。
では、ATIをもって、まちの人がまちのことを“ジブンゴト”として捉えられるようになるために、どんな具体的なアプローチができるのか。これもまた、なかなかに難しい問いです。
今回の“小さなdo” ―新採用職員研修をよくしたい―
ああだこうだと考えているだけでは埒が明かないので、とりあえず自分のできる範囲で一歩踏み出してみようと思います。
以前から、自分の身の回りで、“もっと良くしたいなぁ“と思っていたことの1つに、“新採用職員研修”というのがあります。
大半の役所・役場がそうであるように、うちの町もまた新採用職員研修があります。しかし、ここ数年の受講者の振り返りアンケートを見ると、残念ながら、満足度は高くありませんでした。
そこで、3年ほど前から、私と社会教育主事の上司とで、4日間の研修のうち1日を預けていただき、研修を担当しています(他の課は基本的に1コマ1時間担当)。
私たちが担当する研修では、RESAS(リーサス、内閣府・経済産業省が提供している地域経済分析システム)の人口や経済などのデータを使って、この町が将来どうなっていくのかを見て、それについて考えるというワークなどを行っています。
役場に入ってまだ数日しか経っていないにもかかわらず、あまり明るくない町の未来を突きつけられる新人職員たちの心境を考えると、酷なことをしているなぁとは思います。
しかし、私は、現実から目を背け、受け入れないということはよくないことだとも思っています。
日本の少子高齢化は、一般的には1997年以降からと言われています。ということは、このような社会になってから20年以上も経っています。
であるならば、もう目を背けられる状況ではありません。
新人職員たちは、一人の役場職員であると同時に、一人の町民でもあります。もっと言えば、これから町をより良くしていくための仲間です。
だからこそ、新人職員たちには、町のことを単に“仕事”として捉えるのではなく、“ジブンゴト”として捉えてほしい。
「イチ役場職員として、何ができるだろう?」という意識に少しでもなってほしいと思っていますし、その絶好の機会が、この新人職員研修なのではと考えています。
服務規程や行政システムの使い方など、なるべく早く覚えておいた方がいいものはやるべきですが、右も左もわからない新人職員たちにこまごま長々と説明しても、情報の濁流に飲み込まれて、ただただ辛いだけの研修になってしまいますし、それではもったいない。
無駄を極力省いて、別の大事なことに力を注ぎたいタイプの私は、常々、“せっかくやるなら、より良いものを”と考えています。
そこで、上司に相談し、近々、新人職員研修を担当している総務課に「研修のやり方を変えてみませんか」と、具体的な研修案を持って提案をしに行こうと思っています。
もしかしたら、「なんでそんなことせにゃならんのだ」、「今までどおりでいいじゃないか」と門前払いされるかもしれません。
果たしてうまくいくのか…乞うご期待!
今回もお読みいただきありがとうございました。では、また次回の記事で。
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