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無敵の微笑みを見るまでの10年 その5(最終話)

 当日は緑黄色社会、秦基博、ORANGE RANGE、そしてスピッツの4組による対バン形式だった。今回は前3組のパフォーマンスは圧巻だったが、今回はスピッツの感想に限定させてもらう。

 初めて生で見たスピッツは圧倒だった。会場の一体感をステージ脇、田村さん側の2階席から感じていた。暗闇の中から、10年間憧れで、心の支えだった人たちは現れた。田村さんの暴れっぷりも生で見れたし、何よりも、崎山さんがセクシーすぎた。あのセクシーさは生で見て初めて気がついた。男の私が真っ先に感じた官能的な雰囲気を、一生忘れることはないだろう。

 そして、ギターを触ったこともない私が唯一詳しい「アルペジオ」という言葉。多分、私と同じようにアルペジオだけ詳しいスピッツファンは多いはずだ。アルペジオ1音1音が、私の「感傷に浸る」という現象に爆発的なブーストをかけていたことは言うまでもない。

 草野正宗の歌声は、独特である。美しいが、どこかかよわく感じる時もある。私は草野さんの歌声を聞くと、強くもなれるし弱くもなれる。エモくもなれるしロックにもなれる。それこそ、「ロックロックこんにちは」ということもあり、割とロックな選曲が多い印象があった。

 涙が出た。初めてのスピッツは私にとって、小学5年生の時の保健体育の授業のようなワクワク感があった。しかし、実際に目の当たりにした瞬間アホみたいに、「本当に存在しているんだ・・・」と真っ先に思ったし、1曲目のAメロの声で、私は涙腺が崩壊して、せっかくの実物が見えにくくなってしまったくらいにはね・・・
 1人だけロックロックじゃなくてシックシックしていた。

 今日でちょうどライブから1週間。この1週間がだいぶ短く感じた。ライブ後すぐに、セトリをAmazon musicの中に作成して、毎日のようにロックロックこんにちはをしている。これを読んでくれたスピッツファンの皆さんや、スピッツに興味がある人ともっと仲良くしたいな。

 スピッツに興味を持った小学生の自分に心から感謝してるし、今までの俺の人生を200を超えるさまざまな曲で支えてくれたスピッツに心から「ありがとさん」と伝えたい。

 恩返しになるかは分からないし、むしろ迷惑かもしれないけど、これが私ができるスピッツに対する最高の歪んだ愛情表現なので・・・

「スピッツで卒論書くぞー!」

ー完ー

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