テレビ業界のお金の話 AD4日目
今日はパソコンから投稿しています。
本日はお金の話を少し・・
今回は特に、噂話も含まれている話ですので、話半分に見ていただけますと幸いです。
ADの給料って、どれくらいだと思いますか?
その質問は同級生からもよく聞かれたものです。
結論からいうと所属している会社によって差はありますが、私の初任給は手取り14万円程度でした。3ヶ月経過し、研修期間を終えた後は17〜18万円程度の手取りです。
また、半年経過した時はもう少し増えてきます。ここらへんの昇給についても会社によって全く違うので参考程度に。
ただ、そのお金は所属している製作会社から支払われますが、元々はテレビ局が製作費の一部として支払っています。
ここがとても重要で、どれだけ中抜きされているのか・・という話になります。当時私としてはどうでもよい話だったのですが、その理由もこの後記載します。
噂で聞いた金額ですと、1人のADを番組につけるために30〜35万円をADを抱えている会社に支払っているという話を聞いたことがあります。
仮に30万円として、私の総支給は20万円そこそこですので、一人当たり10万円弱、派遣している制作会社は利益を得ています。
通常の派遣事業ですと、派遣後のケアもかなりあるのかもしれませんが、ADは違います(私がいた会社は)
所属会社の上司と会うのは年に1、2回。しかもたまたまテレビ局の廊下で会った、程度です。それ以外は基本連絡もとりません。毎月タイムカードを会社に送りますが、それは経理担当者の方へ送るものなので・・
この手取り金額の話をすると、
「そんな金額で、生活できるの?」
こんなことをよく言われます。
答えはYESです。
まだAD生活3日間のことしか買いていませんが、当時私は1ヶ月に1度家に帰るかどうかという労働時間でした。
洋服は安いTシャツとチノパンを7パターン最初に購入しています。
飲食、生活に発生する費用はほとんどありません。
家賃が当時6万円、そこに光熱費、携帯代、パソコンなどのローンで出費は月に8〜10万円です。また、趣味に費やす時間もなく、欲というものがなくなります。結果、お金は少しずつですが貯まるくらいです。
ここからはとてもアウトな話ですが、テレビ制作の経費はどこまで落ちるのか、ここはとてもグレーです。
ここ5年ほどで、テレビ業界は大きく変わりました。電通の自殺事件が大きな転機でした。これはまた後日。
私が働いている時は、テレビバブル最後の年だったと言ってもよいかもしれません。
これは私の経験ではなく、噂話として聞いて欲しいですが、昔のテレビ制作の経費はなんでもありでした。
タクシーは使い放題、撮影で使いますという嘘の理由を掲げればほとんどのものが経費精算ができ、またテレビ局も暗黙の了解として触れてこなかった部分です。
ADの経費精算は、テレビ局の偉い方、つまり番組のプロデューサーに毎月経費の内容と領収書を提出する形です。
タクシー代であれば備品購入時移動、リサーチのため移動などの理由、
コンビニもケータリング費などで提出すれば全てが落ちる仕組みでした。
また、Amazonの代引きは最強の購入方法で、ダンボールに領収書がシール形式でついてきますが、商品詳細がないため、実際に購入したものとは違う品名で経費精算を通し放題だったという話もあります。
そういった環境で過ごすADは、基本的にお金に困るというケースはあまりありません。
憂さ晴らしにギャンブルやキャバクラ、風俗にはまってしまう人もおり、そのような人は借金苦になるケースもありましたが・・
お金の話はまだまだあるので、今後随時書いていきます。
話は戻り、AD4日目を迎えました。
寝ぼけていて頭が起きていないのか、睡眠不足で頭が働かないのか定かではない中、早朝6時前に喫煙所で目覚めた私達はレッドブルを一気飲みし、先輩ADと業務をこなします。
この日はついに番組の収録日。ミーハーな私にとって、ようやく芸能人と仕事ができると意気込んでいました。
なんとなくのイメージとして、出演者に自己紹介し、時間が経てば普通の会話をし、いじってもらえる、そんな風に思っていました。
が、現実は全く違い、その日出演者の方々と目が合うこともなく、挨拶もせず1日は終わりました。
先輩ADからの「あれ急ぎで買ってきて」「これ印刷してきて」という雑用を12時間こなし、ご飯を食べる時間もなく収録は終了しました。
ADとはまさに雑用です。奴隷と言ってもいいかもしれません。
テレビに関わる人間からすると底辺の役職で、どんなことをしてもいい存在と認識されています。
事実、私がAD時代に同じ目線で話をしてくれた人はごくごく一部の人だけでした。
カメラマン、美術スタッフ、メイク、スタイリスト、タレント、ほとんどの人間が、ADという認識をした瞬間から蔑んだ目に変わります。
品川庄司の品川さんが、若手時代にブレイクした時調子に乗ってADに厳しい対応をしていた結果、そのADたちが現在ディレクターや演出となり、使いたくない存在となったという笑い話は、あながち嘘ではないと思います。
逆に、ADに対してもリスペクトや感謝の思いを持って接してくれる芸能人も一部います。そんな人は神様のような存在です。
近年の芸能人は、そんな人が増えたように思います。そうでないと、生き残っていけないのかと思います。
私もそんな素敵な人は友達にもポジティブなキャンペーンをしますし、印象が悪い人は飲み会でも絶対聞かれますし、ついつい答えてしまうものです。
ちなみに私がこの人は本当に神様のような人だという人が何人か、この人やばいな・・という人もいまだに鮮明に覚えており、その内容は明日書きますので少々お待ちください。
AD4日目の20時ごろ、ようやく収録と撤収作業が終わり私たちのその日の業務は終わりました。
スタッフや出演者が残した、冷え切った中華弁当を食べながら明日の収録の打ち合わせをし、22時〜25時ごろまで準備作業を行います。
夜中26時頃。この日は初めてしっかり寝ることができました。
明日が終われば土日がくる。週末はきっと休めるはず。そう自分に言い聞かせながら、失神するように眠りました。
本日は以上です。
時間がある時に書き進めます。
読んでいただき、ありがとうございます。