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【無料記事】 TV Bros.総集編特大号 「ブロスは何を取り上げてきたのか?」 編集部員・末光京子 セレクト

※この記事は現在発売中の『TV Bros.6月号 総集編特大号』で掲載している記事を転載したものです。

TVBros.編集部員
末光京子 セレクト

’00年より在籍し、出たり入ったりして、今はいる。担当連載は、松尾スズキ&河井克夫、キリンジ、細川徹&五月女ケイ子、天久聖一など。ぴぴぴくらぶ、音楽ページも担当経験あり。


ブラジャーWカップ ブラをしちゃいました♡

(2001年5月12日号)

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 私が編集部に配属された当時は、なんか面白そうなこと(実際に面白いかどうかは別。あと売れるかどうかとかも別)を言って編集長を丸め込めれば、特集枠をゲットできるというシステムでした。ペーペーの私は、会議で面白そうな思いつきを話すことだけが仕事のようなものでした。思いつきだけだったので、実際に誌面にする時に苦労することも多かったですが、編集部員がやりたいことを好き勝手にやるのがテレビブロスの特集だったのです。そんな野放しな環境で野良編集者として育った私ですが、数年後、他媒体へ異動になり、そんな媒体はブロスしかないことを初めて知りました。みんなそうだと思ってたのに! というわけで、今回は手前味噌ではありますが、私が思いつきだけで好き勝手に作った特集を3つあげたいと思います。
 このブラジャー特集は「ブラジャーに詰めたご飯でおにぎりを握りたい」という気持ちだけで作りました。Fカップといえばもてはやされた時代でしたが、実際にFカップとAカップでどんだけ容量が違うのか、それを世に知らしめたい! と思ったのがきっかけです(実際、Aカップはおにぎりが2個、Fカップは7個、Hカップに至っては13個できました)。しかし、これが盛り上がりました。ブラジャーについてアンケートを行ったのですが、こんなに回答したいという人が多かったアンケートは後にも先にも他にありません。アンケートに「好きなブラジャーの色は?」という設問があったのですが、社内の男性から「選択肢に赤がないんだけど」と苦情がきました。「赤なんて持ってないから忘れた」と言うと、「俺はだいたい赤しか見たことない」と言われ、「そうか、お前はいつも勝負かけられてるんだな」としみじみとしたのはいい思い出です。


VIVA! FUJI ROCK FESTIVAL!!

(2001年9月1日号)

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 これは仕事を休んでフジロックに行きたいという一心で実現させた企画です。仕事が忙しくなり、フジロックに行けないかもしんまい! と心配した私はフジロックを仕事にすることを思いつき、即実行。それに、今でこそフェスは音楽以外にもお楽しみがたくさんあるということは周知の事実ですが、当時はアーティストのライブが取り上げられるだけだったので、音楽誌でないからこそできるフジロック特集をしたいという気持ちもありました。それをやったのはブロスが最初! ってことは声を大にして言いたい(ブロス調べですが)。そこで、フジロックの名物メニューや寝ながら斜めになりがちなキャンプサイト、この年から登場したサーカスなど、音楽に関係ないことを紹介する特集を企画。でも、ちゃんと最後にはトリとして、フジロックの仕掛け人であるSMASHの日高社長とMr.フジロックこと忌野清志郎さんの超豪華対談を掲載しました。この対談はフジロック2日目のグリーンステージ終了後に行われたのですが、その日のトリはニール・ヤング御大。伝説の2時間半のステージ(予定では1時間10分のはずだった)の後だったため、取材開始は超ど深夜となり、しかも、なぜか大将が勝手にMTVの撮影クルーまで呼んじゃったもんだから、ブロスとMTVのカメラマンが撮影位置を巡って一悶着あったり、てんやわんやの取材でした。でも、バックステージのテントの中、ランタンの光を囲んで語りあう清志郎さんと大将の姿はなんだか夢を見ているようで、本当に貴重な体験でした。その場で大将が「清志郎くんには毎年出続けてほしい」と出演オファーをして、清志郎さんが快諾するという歴史に残るシーンにも巡り合うことができました。ずっとずっと毎年フジロックで見たかったなぁ…。
 どうでもいいことですが、この特集で登場した「上沼恵美NEM」の「怪傑えみNEMチャンネル」は今でも思い出す名言です。


龍二もブロスも裸一貫出直します

(2019年7月24日号)

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 最後は急に20年近く飛びますが、原田龍二さんの裸一貫グラビアです。これはもちろん、原田龍二が裸で載ってたら面白いカナ♡という思いつきです。まあ、思いついたものの、そして、会議で企画が通ったものの、当然、原田さんサイドからさくっと断られると思ってました。企画書を送り、返事待ちをしていたところ、マネージャーさんから電話。「○日しかスケジュール空いてないんですが、それでも大丈夫ですか?」って、心配するとこ、そこ!?(失礼!) 企画書ちゃんと読んだ?(失礼!) 龍二、こんな仕事受けて大丈夫?(こっちから頼んだのに!) そこから、カメラマン、ヘアメイク、ライターと編集スタッフに連絡を取ったわけですが、全員「龍二はそれでいいの?」と心配の声。「なぜかオッケーだったんですよね…」と半信半疑な私。
 そうこうするまま撮影当日を迎えたわけですが、本当に現れたよね、原田龍二。有名な六本木のスタジオの近くにある、超激安スタジオに。呼んだの私だけど。でも、いざとなると、龍二の芸能人オーラにビビる編集スタッフ一同。最初は「じゃあ、大変恐縮ですが、前貼りのご用意をお願いしてもよろしいでしょうか…」と恐る恐るお願いしていたスタッフですが、「前貼りでも服を着ていても気持ちは全く一緒なんです」という龍二の言葉に励まされ、徐々に撮影はヒートアップ! 「桶持ってもらって、彫刻みたいに撮りたいんです」と熱く語るカメラマン、花束を持って撮影していたら、急に「思いついた!」と目にも止まらぬ速さで花びらを龍二のまわりに散らし始めたヘアメイク、そして「誰にも頼まれてないんだけど…、万が一、万が一使うなら…」と言って「裸一貫」と得意の書道で書いてきたライター、そんなみんなの気持ちが集まって、あのグラビアは完成しました。おかげで、最高のグラビアができました! 本当にありがとう、龍二!(敬称略)

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(了)

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