『2gether』第2話レビュー:Tineの告白に対するSarawatの返事が神話すぎるので旧約聖書に載せてほしい
世界中を涙と胸キュンの沼に落とし込んだタイ発のドラマ「2gether」。7月31日より楽天TVで配信がスタートしたことを記念して、最終話までの全話レビュー連載をスタートします! 書き手は、ご自身もタイドラマ沼に落ちた、ライターの横川良明氏。プロの書き手として冷静と情熱の間を彷徨いながら、横川氏が「2gether」と共に毎週金曜を駆け抜けます!
文/横川良明
よこがわ・よしあき●演劇とテレビドラマを得意とするライター。初のインタビュー本『役者たちの現在地』(KADOKAWA)が発売中! 電子書籍『俳優の原点』(ライブドアニュース編集部)も発売中。
先週から始まった『2gether』の先行配信。突然のジオブロックから1カ月余り。TineとSarawatに会えるのを一日千秋の思いで待ちわびていた『2gether』ファンにとっては、ベルリンの壁が崩壊したようなもの。久々に見た元気なふたりの姿に、この1週間、いっぱい元気をもらったことでしょう。
さらにBrightくんとWinくんのインスタはこの1週間も相変わらず過剰すぎる供給が。せっかくなので、ちょっとおさらいしておきますね。
これとか。
これとか。
顔 面 良 す ぎ 。
インスタを開いた瞬間、「殺される」って思いました。
なんでも『Vogue Thailand』の8月号にBright&Winのおふたりが登場するのだとか。もう心の底からタイに移住したい。
そんなふたりへのときめきを乗せて、第2話をレビューしていきます!
このレビューでは物語の内容にガンガンふれていきますので、ネタバレを避けたい方はすみやかに避難してくださいね。
この第2話、通常よりコント指数高めです。
<第2話 あらすじ>
Sarawat(Vachirawit Chiva-aree/通称Bright)に偽の彼氏になってもらうべく、Tine(Metawin OPAS-iamkajorn/通称Win)は彼と同じ軽音楽部に入ることを決める。
ところが、Sarawatに近づこうとする女子たちが殺到し、軽音楽部は定員オーバー。新入部員を篩にかけるべくテストが行われることとなる。なんとか合格しようとTineは練習に励むが……。
『2gether』のいいところは、ラブとコメディーの絶妙なバランス。ツッコミの手が足りなくなるぐらいのボケを乱射してきたと思ったら、次の場面で全身の力が抜けてしまいそうな甘いやりとりをぶっこんで、オタクの心を揺さぶりかけてくる。
柔道の先生が言ってた!
相手に揺さぶりをかけて隙をつくった瞬間に、一気に投げ込むのがコツなんだって。
分かるわ〜。案の定、次々とオタクたちが投げ飛ばされてる。とにかくこの第2話。ラブコメのレベルが高すぎるのです。
【※ネタバレ注意。ここからストーリー本編に関する内容です】
まずは冒頭。プロジェクターにつながっていることも気づかず、Sarawatから送られてきたアダルトサイトのURLを踏んでしまい、みんなの前でエッチな動画を再生してしまうTine。
URL見て! ちゃんと「pornhub」って入ってっから! というのは、ほんの序の口。Sarawatの携帯を修理しようとショップに行ったら、テンションの高い店員さんにぶっ壊されたり。この第2話、やたらコント指数が高めです。
Fong(Thanawat Rattanakitpaisan/通称Khaotung)たち悪友のテキトーっぷりは今回も絶好調。一緒に軽音楽部に入部するはずが、水着の女の子たちにつられて、あっさり水泳部に寝返ったり。テストに向けてギターの練習に励むTineに「一晩中付き合う」と約束した次の瞬間、信じられないポーズで爆睡していたり。
TineとSarawatのやりとりはもちろんなのですが、Tineと愉快な仲間たちにめちゃくちゃ癒されてしまうのも『2gether』の魅力。あの4人と一緒にプレステしたい。
しかもTineはTineで、なんとかテストに合格するべく、自分で演奏しているフリをして、スマホから音源を流す暴挙に。そんなバレバレの小細工、カツオでもせえへんで!!
突如襲ってくる胸キュン場面の猛攻に、あなたはどこまで耐えられるか?
しかし、そうやってケラケラと笑っていられるうちは、まだ平和でした。おバカな面白ドラマの顔をして、いきなり恋の寝技を仕掛けてくるのが『2gether』。
ふたりきりになったTineはSarawatにいきなり「俺の彼氏になって」と告白します。
もうね、情報の順番まちがえすぎ。唐突すぎて、オタクならずとも震え上がりそうになりますが、これが柔道ならまだ有効。TineとSarawatの恋の乱取りはまだまだ続きます。
部のウェルカムセレモニーで蜘蛛ダンスをさせられたり。
ポッキーゲームをさせられたり。
前回のチアリーディングチームの集まりもそうですけど、タイの歓迎会、陽キャすぎません? これが、これが、普通なの…? 周りはいったいどういう気持ちでこれを見つめていたらいいの…? ちょっと陰キャの私には眩しすぎるので、移住は保留にしたいと思います。
テストに落ちたら入部は認められないと言い渡されたTineは、なんとかギターを覚えようと練習を始めます。
そんなTineを見かねたように練習に付き合うSarawat。ギターを握るTineの指に手を添えて、Sarawatが教えてくれたEコードの押さえ方。
これは100%恋が生まれるやつ…! 甘酸っぱすぎて紡木たくかと思った。
さらに、どうしてもSarawatに協力してほしいTineは、Sarawatを倉庫におびきよせ、ロッカーに閉じ込める蛮行に出ます。なんていうか、普通に犯罪。Tineちゃんのサイコパスみがますますひどいことになっている。
しかし、そこにやってきたGreen(Korawit Boonsri/通称Gun)から逃れるため、Tineもロッカーの中に。狭いロッカーで、180cm超の男がふたり。オタクが二次創作で考えそうなシチュエーションを公式で堂々とやってくれるのが『2gether』のすごいところ。
Sarawatの視線が怖すぎて、赤ずきんちゃんなら完全に丸呑みにされてるところだけど、そんなことお構いなしでSarawatの口を塞ぐTineのメンタル世界チャンピオン。恋の1本、決まりました。
近づくふたりの距離にホイットニー・ヒューストンが止まらない
そんなTineですが、クラスの女の子に「Sarawatが好きなの?」と聞かれて、自分に気があるんだと舞い上がったのも束の間、あっさり袖にされたり。今回も相変わらず女子たちから雑な扱いを受けっぱなし。
クラスにTineちゃんがいるとか私なら絶対正気でいられないんですけど、なんでみんなそんな普通なん? タイと日本じゃイケメンの基準が違うの? 世界七不思議すぎて思わず「タイ イケメン」で検索したわ! めっちゃイケメン出てきてびっくりしたわ!!
そんな不遇のTineにもいよいよモテ期がやってきたのか、第2話の終盤でTine宛てにPrimという子からジュースの差し入れが。浮かれるTineの手からSarawatが面白くなさそうにジュースを奪い取ると、何やら付箋に走り書きを。
そこに書かれたのは「彼には恋人がいる」の文字。なんとどデカいマウント。そう、これぞまさに「偽の彼氏になって」としつこく追いかけ回してきたTineの告白に対するSarawatの返事なのでしたーー。
………。
………………。
なにこれ、神話??? 今すぐ紀元前にタイムスリップして、旧約聖書にこのエピソード追加してきた方が良くない?????
てか、ピンクのセーター着てるTine、めちゃくちゃ可愛い。Tineにピンクを着せた衣装さん、いい仕事すぎるので今度Amazonでほしい物リスト公開してください。日本からいそいそ送りますんで!!
そんな荒ぶる気持ちをさらに煽るように、回想シーンへ突入。それは、Tineがテストを受けている場面。音楽についてあまりに何も知らないTine に頭を抱える部長のDim(Sivakorn Lertchuchot/通称Guy)に、Tineはこう言うのでした。
「Sarawatを知ってます。彼は僕がギターを弾きたい理由です」
エンダアアアアアアアアアアアアアアアイヤァアアアアアアアアアアアアアアアアウィルオオオオオルウェイズラアアブユウウウウウウウウアアアアアアアアアアアアア。
100点やんこんな回答…。100点すぎてジュリアード音楽院も首席で合格やわ…。
と、スタンディングオベーションしたところで、お話は第3話へ。個人的な意見ですが、この2話まで観てもらえれば、『2gether』の魅力はわかっていただけると思うのです。なので、なんだか流行っているのは知っているけれど海外のドラマとかよくわからないし……と遠目で見ている方もこの2話まで観てください!
そしたらきっとTineとSarawatのことが大好きになっているはず。あとは最終話までズブズブ沼にハマるだけです。
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