2021年を振り返って【藤田菜七子 2021年12月号 連載】
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2021年の競馬も、残すところ、あと3日で終わりです。
嬉しいことも苦しかったことも、勝った嬉しさも負けた悔しさも、基本的には、その場でピリオドを打ち、前だけを見てきた私ですが、「もうすぐ今年も終わるんだなぁ」と思うこの時期だからこそ、一年を振り返ってみたいと思います。
ということで、今回は、『プレイバック2021』をテーマにお届けします。
令和3年。スタートは、まずまずでした。
初勝利を挙げたのは、競馬開催2日目となった1月9日です。栗毛女子、レッジャードロとのコンビで挑んだ3歳新馬戦…最後の直線でライバルたちをごぼう抜き。「今年は年女だし、いいことがたくさんあるかも!?」と、レース後は、幸せ気分に浸っていました。
2月には、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われた国際騎手招待レースのインターナショナルジョッキーズチャレンジに参戦。世界的なコロナ禍のため、現地では外に出られず、ホテルと競馬場の往復だけで、競馬以外で思い出すのは、車窓から見えた、どこまでも広がる砂漠だけ…。寂しさもありましたが、いろんなことを経験できたことは、私にとって、大きなプラスになった海外遠征でした。
3月には、2人のかわいい後輩ジョッキー、古川奈穂ちゃん、永島まなみちゃんがJRAデビュー。4月10日の新潟3Rで実現した女性ジョッキー3人による初対決は、マスコミのみなさんに大きく取り上げていただきました。私自身は、まったくそういう意識はなかったし、古川騎手、永島騎手も、きっと同じだったと思いますが、ニュースになるということはいいことです。
4月は4勝。5月に3勝。ゼロに終わった6月を挟んで2勝を挙げた7月には、東京オリンピックの点火セレモニーという大役を務めさせていただき、後半戦に向けて、公私ともに充実していたはず…でした。
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