メディア論~テレビとインターネット~【2021年2月号 風間俊介 連載】『ダンスはうまく踊れない』
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ここ最近、「やはりテレビは凄いコンテンツだな」と改めて感じています。僕はテレビっ子であるが故の贔屓かと思い、ゆっくり考えたのですが、やはりテレビは凄いという結論に達しました。
近年、インターネットコンテンツとテレビが比較されることが多いですが、この2つ、結構、性質違うんですよね。そりゃ、ビジネスの視点で言ったら、「ネットコンテンツの方が凄い!」とか「テレビはオワコン」とかいろいろ言いたがる人はいるのでしょうが、僕はあくまで観る側と出演する側として話をしたいと思います。
テレビって、給食とか母親が作る夕食のような物なんですよね。
その日、その時の気分で食べる物を選択するのではなく、出てきた物を食べる。時に、嫌いなものも出てくるし、食べられるけど好物ではない物も出てくる。ここが、テレビの凄いところなんですよ。
それに対してネットコンテンツは、自分が食べたいと思うレストランに行き、自分がその時に食べたいメニューを注文するようなシステムです。
選択が出来て、自分の好きな物だけ食べられるなんて、贅沢ですね。でもね、偏るんですよ。そして、自分の好みの味しか食べなくなっていくんですよ。実際に、僕がそういうタイプです。
自分が食べたことがない料理や、自分が望んで手を伸ばすことがなかったメニューを好きになる機会を与えてくれるという意味では、やはりテレビは最強のコンテンツです。そして、自分の食べたいものが明確に決まっていて、それを存分に食べたい時は、ネットコンテンツは強いです。どちらか一方ではなく、どちらも状況に応じて使い分けるのが一番賢い方法なのではないでしょうか。
では、出演する側としてはどうでしょう。
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