もう“みんな最高”って思えるクライマックスです!【2021年10月号 Perfume 連載】『たちまち、語リンピックせん?』
日常が徐々に戻りつつあるなか、Perfumeの動きも活発になってきました。初のEP盤『ポリゴンウェイヴ EP』リリースに続いて、FM802『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』内で10月7日から毎週木曜日、Perfumeが登場する新コーナー「Next To You」がスタート。また、10月15日放送のテレビ朝日系『ミュージックステーション35周年記念4時間スペシャル』では、MIKIKO先生プロデュースのもと、三浦大知、ELEVENPLAY、Rhizomatiksらトップクリエイターと一夜限りのスペシャルステージが行われ、さらに11月からは全国5カ所をまわる「Reframe Tour 2021」ツアーも始まります。
次々と公開される情報にウキウキしながら、今月はクライマックス直前、Perfumeがパネリストとテーマソングを担当する『ザ・マスクド・シンガー』の話題からお届けします。
取材・文/照山紅葉
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[テーマ]『ザ・マスクド・シンガー』
[言い出しっぺ] Perfume
●自分たちもずっとライブできてない時期だったので、ホント心震えました(あ〜ちゃん)
かしゆか 『ザ・マスクド・シンガー』、いよいよクライマックス直前です!
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『ザ・マスクド・シンガー』(Amazon Prime Videoにて独占配信中。初回:2021年9月3日〜10月15日毎週金曜日午後9・00から配信。全9エピソード)
●マスクをかぶり完全に正体を隠した12人のスーパーセレブがその歌唱力と奇想天外なパフォーマンスを競い合う音楽番組。マスクの正体はスポーツ界の英雄、J-POPのレジェンド、主演女優、芸人など誰もが知っている有名人ばかり。セレブたちの圧倒的なステージを堪能しながら、歌声、仕草、会話のセンス、ヒントとなるVTRをもとに誰が歌っているのかを推理する。
司会:大泉洋、パネリスト:MIYAVI、水原希子、Perfume、バカリズム、児嶋一哉、小木博明ほか。
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のっち 最終回直前ですね。
かしゆか とはいえ毎回見てくれている人にあんまり話しちゃうともったいないね。
あ〜ちゃん ちゃんと1話ずつ見ていかないと“前回のおさらい”って最初に結果をオンエアしちゃうんですよね。だから、うっかり途中から見たら“この人だったんだ!”ってわかっちゃうのもあるし、既にニュースになってるのもあって。配信系って難しいですね。
のっち テレビと違ってAmazon Prime Videoは好きな時間帯に見られるもんね。
かしゆか いつまでたっても触れられない(笑)。それもあってか、家族とか友達が推理した答えをすごい報告してくるよね? “あれは絶対○○○だと思う(キリッ)”みたいな。
のっち わはは!
あ〜ちゃん うちらがどういうリアクションするかで正解かどうか当てちゃおうとしてね。
かしゆか 3人とも頑張って平静を装って「へぇー、そうなんだ〜」。
あ〜ちゃん 「なるほどねぇ」。
かしゆか 「うんうん、いい線いってると思う」。
のっち あはははは! 面白い。見てくれてる周りの人たちも、うちらが収録のときにすごく楽しかった気持ちを追体験してくれてるなって感じがします。ホントに収録が楽しくって。
かしゆか 親世代も同世代もみんな年齢関係なく楽しんでくれてる感じがします。そんないろんな世代が見てくれてるんだ!って。親たちも白熱して「まだ見とらん人がおる~」って家族のグループLINEに送ってきたり。
あ〜ちゃん 配信後に「まさかあの人じゃとは思わんかったよ……」とかね。
かしゆか 出てる人も“意外!”って人から“ですよね〜”みたいな人までいて、全年代カバーして楽しめるってすごいなって思いました。海外っぽいけど、ほどよく日本のバラエティ。マスクも連獅子とかニンジャとか日本ぽい感じだし。
あ〜ちゃん あと、シンガーの皆さんの選曲もいろんな世代を巻き込んでる要素だよね。自分の世代の歌を歌うシンガーが多かったけど、いまっぽい曲を歌ってる人の方がやっぱり人気になるから難しいなあって。シンガーの皆さんは勝ち残っていかないといけないんだけど、それってつまり支持が高いということだから。だから負けちゃって顔を見て改めて“うわあ、もっと聴きたかった……”ってなるんです。みんな。それが面白くて。やっぱ、みんな顔で意外と判断してるんだなと思いました。普段歌わない人もいれば、普段歌っている超大物の人もいて。みんな最終決戦まで5曲ずつパフォーマンスを用意していたから全部見たかったです。どの人のも。
のっち ねーっ? いまからどうにか見れないかと思ってるんだけど……。ぜひスペシャル番組作ってほしい。Amazonさんに。
あ〜ちゃん 見たいよね! リハーサル動画とか。
のっち うんうん!
あ〜ちゃん 大泉さんとパネリストの芸人さんのやりとりもめっちゃ面白くて。本当にテレビ見てるみたいでした。ああ、プロだなぁって。1、2話のバカリズムさん、3、4話の児嶋(一哉)さん、5、6話の小木(博明)さん……で、最終回は再びバカリさんに戻るんですけど、一番最初に見てて、すっ飛ばしてラストになるって、その間見てないからめちゃきついじゃないですか。他のパネリストに比べて推理が一人だけすごい短いっていうか。パフォーマンスを目の当たりにしてない分。でも、ゴリゴリに当てに行くんですよ(笑)。そこが“うちら何見とったんじゃろう?”っていうくらい分析力があるというか。人のいろんな部分を見てるんでしょうね。だから、いろんなドラマとか映画の脚本を書くことができるんだと思うんですけど。やっぱ見てるところ違うなぁと思いました。『地獄の花園』(※1)もめっちゃ面白かった。
(※1 監督:関和亮、脚本:バカリズム、主演:永野芽郁。華やかな職場の裏で巻き起こるOLたちによる壮絶な覇権争いを描く大ヒットコメディ。11月5日(金) Blu-ray&DVD発売/デジタル配信開始)
のっち その話もしてたよね?
あ~ちゃん お会いしたときに「映画見ました。また関さんとやられてましたね」って。そしたら「ああ、もう何回目かなんですよ」って。ドラマ(※2)やってるから。「映画、めっちゃ面白かったです!」っていう話をしたら笑ってくれて。“あ、バカリさん笑ってくれた〜”って、すごい嬉しかった。そんな人いっぱいいるだろうに。でも、笑ってくれたから嬉しかった。
(※2 2015年6月23日放送のフジテレビ系スペシャルドラマ『かもしれない女優たち』[主演:真木よう子、水川あさみ、竹内結子]、2016年10月10日放送の『かもしれない女優たち-2016-』[主演:広末涼子、井川遥、斉藤由貴])
かしゆか 私は自然とMIYAVIさん担当になってて、マスクが外れて“じゃあ1曲歌っていただきましょう!”のとき一緒にノるっていうフォーマットができたのが、めっちゃ楽しかったです。いままでアーティスト同士ってフェスとかの現場で会ったときに挨拶するくらいしか交流がなかったんですけど、今回みたいに番組を通してずっと一緒にいると、MIYAVIさんって本当にいい人で、努力家で、純粋なんだなってことがわかって。“最高にいいパパだなぁ”って思いながら見てました。収録中もいっぱいコミュニケーションを取ろうと積極的に絡んできてくれるんですけど、話が唐突だったりするのも面白くて。「元気? 俺さぁ、今日子供生まれるんだ」。
のっち あはははは!
かしゆか “えっ! 今日? 今日ですか!?”みたいな(笑)。そういう大事な時期に一緒にお仕事できて、一緒にお祝いできたのも嬉しかったです。
のっち MIYAVIさんとかしゆかをカメラが映してるときの二人のグルーヴ感が好き。オンエアを見て。
あ〜ちゃん 曲中のリアクションもめっちゃ面白いよね? 「全然、わかんねぇーっ!」て、めっちゃでかい声で言ってて(笑)。収録中は気づかなかったけど、そんなん言うてたん? みたいな。
かしゆか めっちゃ積極的に話しかけてくれるんです。
あ〜ちゃん 私、コメントしたあと大泉(洋)さんに「酔っ払ってる?」って言われて、横から「収録中飲んじゃダメだよー」ってMIYAVIさんに注意されてました(笑)。
のっち あはははは!
あ〜ちゃん でも、本当に圧巻のステージなんですよね。どの人も。ダンサーさんも一回きりしかできないから、その一回きりにめちゃくちゃ魂込めてやってて。マスクしてる人も、視界がちゃんと見える人もいれば、全然見えない人もいるし。ああいうものを着て高いところに上がったりするのも、普通に自分が生身で高いところに上がるだけでもめっちゃ緊張するんですよ。それが暗がりだったり、レーザーが効いてたり、モクモクモクってスモークの中に立ってなきゃいけなかったり。
のっち うんうん。
あ~ちゃん スモークが焚かれるってことは床にめちゃくちゃ水蒸気が溜まっちゃってツルツルになっちゃうから、ツーステップ踏んでいるだけでも結構きついんですよ。スモークの中だと。そういう細かいことが全部自分の中で想像できるから、“うわー、これ大変そう……。うわー、すごい。超かっこいい!”みたいな。でも、何にも怖じ気づいたり、物怖じしたりすることなく皆さんパフォーマンスされてて。自分たちもライブにずっと立ってなかった時期だったのでホント心震えて。そういう緊張感をもらってたのもあってパフォーマンスに釘付けだったんです。だから推理しなきゃいけないんだけど、感想を言いたくてしょうがなくて(笑)。ライブの素晴らしさが伝わったらいいなと思います。
のっち 芸人さんとかMIYAVIさん、(水原)希子ちゃんもそうだったんですけど、芸能界事情にみんな結構詳しくて。そこからメタ推理も結構してましたね。私が「あの人かな?」って言うと、「いまその人ちょっと休業中だから、たぶん違うね」みたいな。なるほど〜と思って。それで名前を言わなかった人も結構います。
あ〜ちゃん 大物すぎて“なわけないやろ!”ってもいっぱいあったから。それで悩んだよね。結局。
のっち ガチです、ガチ! 番組では編集で使われたり使われなかったりしてるんだけど、収録中はパネリストは全員自分が推理した名前を言ってるんです。
あ〜ちゃん “このパネリストが推理したのはこちら!”みたいな感じで横にいくつか似顔絵が並ぶんだけど、実はみんなもっと言ってるよって。バラバラで、っていう。全然見当違いなことを言ってる人もいますから(笑)。それも面白かったけどね。
のっち うん! とにかく私は収録の期間中ずっと推理してて、気づいたら携帯のメモ帳が芸能人の名前でいっぱいになってました。“ネオンパンダは誰々”とか。
あ〜ちゃん 正体にまつわるヒントから考察してね。結構うちらミーハーだと思ってたんですけど、全然名前が浮かばなくて、芸能界の方達の細かいプロフィールを知らなくて。芸能界の人たちのいろんな細かいことを。そういう部分がたぶん自分の中で“あっ、この人だ!”って納得づけるものになっていかなかったから、余計難しかったんだと思うんですよね。まあ、調べれば出てくることだとは思うんですけど、ポリシーとしてみんな調べないようにしてたから。その時受け取った感覚でみんな推理していました。
かしゆか そんな『ザ・マスクド・シンガー』も10月15日(金)の配信でとうとう最終回。最後なので全員の正体がわかるんです。ずーっと見たかった、だけどずっと歌が聴きたかった人の顔を見ながら歌が聴ける。もう最高のクライマックスですね! 誰が優勝してもおかしくない。もう優勝とかつけたくない、“みんな最高!”って。誰かを脱落させなきゃいけない、みたいなモヤモヤもなく、純粋にパフォーマンスを楽しめるクライマックスです。
のっち もう一回最初から見たくなりました。
かしゆか まだマスクの下の正体がわからない人は、まとめてヒントを全部おさらいすると結構わかってくるかもしれない。1話1話で見ていくといろんなヒントに振り回されちゃうけど、まとめて見ることで、ああー! ってなる部分はあるかも。
のっち マスクド・シンガー同士で生まれていく絆にも注目してほしい。中身は誰か知らないけど、キャラクター同士で仲良くなっていくんですよ。ステージ上でみんな。そこも見てほしい。
あ〜ちゃん マスクド・シンガー同士も誰だか知らないってすごいよね? 終盤でコラボステージも出てくるんですけど、“そのリハ、マジどうやってたん?”って感じで。そこも本人たちは誰かも知らず、自分の歌うところを忠実に歌ってまっとうしてるんです。本当にいい感じのグルーヴ感があって。あくまで自分の想像なんですけど“この人はこの人、あの人はあの人だと思う──それって夢の共演!?”みたいな。合ってるかどうかはわからないけど、そういうのを想像しながら見てました。その張本人のマスクが最後ついに取れるんです。でも、一番驚いてたのは本人でしたね。“まさか自分が最後まで残るなんて!”って。あんなに自信のあるパフォーマンスだったのに、そういうことをおっしゃられてて。それが本当に人間らしいというか。人の良さが出てた優勝シーンでしたね。すごく好きになりました!
のっち ね! 好きになった〜。
あ〜ちゃん 昔、お仕事で共演させてもらったことがあって。そのとき、ちょっと怖い印象があったんですよね。正直。
のっち 何か言われたとか、されたとかじゃないんですけど、オーラが。
あ~ちゃん そう! オーラだと思う。本物のオーラがすごくて。だからだと思うんですけど、めちゃくちゃ圧倒されたというか。こっちもゴリゴリのインディーズ感でやってるタイミングだったので覚えてるのはこっちだけなんですよね。あちらはやっぱり覚えてなくて。そのときの怖い印象がバ──ンって払拭されました。なので、自分たち的にもすごくよかったなあって。ぜひ見てほしいですね。「ポリゴンウェイヴ」もテーマソングに使っていただいているので。
●運転してるときと運転してないときの顔の差があります(かしゆか)
──『ザ・マスクド・シンガー』は宣伝もすごいですよね。いろんなところで広告を目にしました。
あ~ちゃん この前、渋谷で見ました。マスクずっとしてるからマスカラしても蒸気でまつげが落ちちゃうので、ちょっと前からまつげパーマ始めたんですよ。それで渋谷に行ったらハチ公口のスクランブル交差点にある大型ビジョンを『ザ・マスクド・シンガー』のCMが3画面ジャックしていて。
のっち すごーい!
あ〜ちゃん しかも同時に。あのビジョンって、それぞれの画面でいろんなの流れてるじゃないですか? それが同時に「ポリゴンウェイヴ」が流れてきて、びっくりした。“え! 何? 知ってる歌! Amazonさん凄すぎ!”って驚いた顔した自分がドアップで映ってました。
──視聴者もシステムに慣れてきたと思うので、Season2もぜひ作っていただきたいです。そして「ポリゴンウェイヴ」のミュージックビデオも公開されました。
かしゆか 今回のテーマは“ミッドナイトドライブ”です。
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