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衝撃のG1 CLIMAX優勝決定戦…2人はどう見た?【連載『神田伯山の“真”日本プロレス』延長戦!】

10月21日、講談師・神田伯山とアナウンサー・清野茂樹がCSテレ朝チャンネルでの『ワールドプロレスリングLIVE2021 G1 CLIMAX 31(優勝決定戦)』の副音声を担当した。今年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会で超ストロングスタイルな副音声(試合に関係ない話を延々と繰り広げる)をやってのけ、同局の『神田伯山の“真”日本プロレス』も大好評だった名コンビの再登板に、一部マニアが熱狂! Twitterの「#真日本プロレス」のタイムラインが大いに盛り上がった。2人を追いかけ続けているTV Bros.は、当然のごとく、日本武道館での中継を終えたばかりの2人をキャッチ! 副音声の余韻冷めやらぬホットなコメントをゲットしてまいりました。まさかの決着となったG1 CLIMAX優勝決定戦「オカダ・カズチカ×飯伏幸太」(注1)を2人はどう観たのか!? 必読です!
取材・文/K.Shimbo(プロレスで印象的な、目の当たりにしたハプニングは1995年「藤原組」藤原喜明×村上竜司の異種格闘技戦。試合後の乱闘に、明らかにアウトレイジな観客も加わっていた)
撮影/ツダヒロキ(同じく、平成維震軍・小原が昭和維新軍の旗を燃やしたら結構危ない火力になった「ベンジン持ってこい!」事件)

注1・G1 CLIMAX優勝決定戦「オカダ・カズチカ×飯伏幸太」 オカダと飯伏による注目の優勝決定戦は、飯伏が大技「フェニックス・スプラッシュ」での自爆により負傷。そのままレフェリーストップでオカダが7年ぶり3度目の優勝を果たした。不完全燃焼な結末に観客だけでなく、レスラーも戸惑いを隠せなかった。

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<プロフィール>
神田伯山(かんだ・はくざん)●1983年東京都生まれ。日本講談協会、落語芸術協会所属。2007年、三代目神田松鯉に入門し、「松之丞」に。2012年、二ツ目昇進。2020年、真打昇進と同時に六代目神田伯山を襲名。講談師としてもさることながら、講談の魅力を多方に伝えるべく、SNSでの発信やメディア出演など様々な活動を行っている。現在は『問わず語りの神田伯山』(TBSラジオ)などに出演している。
清野茂樹(きよの・しげき)●1973年兵庫県生まれ。広島エフエム放送(現・HFM)でアナウンサーとして活躍。『ワールドプロレスリング』(テレビ朝日系)で数々の名実況・名言を生み出した古舘伊知郎アナウンサー(当時)に憧れ、宿願だったプロレス実況の夢を実現すべく、2006年フリーに。2015年には新日本プロレス、WWE、UFCの実況を行い、前人未到のプロレス格闘技世界3大メジャー団体を実況した唯一のアナウンサーになる。『真夜中のハーリー&レイス』(ラジオ日本)のパーソナリティーとしても活躍。
『神田伯山の“真”日本プロレス』
CSテレ朝チャンネル2 ※随時再放送の予定あり
出演 神田伯山 清野茂樹(実況アナウンサー)
●“最もチケットの取れない講談師”の神田伯山と、プロレスに魅せられた実況アナウンサーの清野茂樹が、テレビ朝日に残された貴重な映像を観ながら、プロレスの歴史をマニアックに語り尽くす。そのほか、当事者を招いて真相を探る「真のプロレス人に訊け!」や、現役プロレスラーの魅力を深掘りする「最“真”日本プロレス」といったコーナーも。
番組HP:https://www.tv-asahi.co.jp/ch/recommend/hakuzan/

あの熱戦が完全版で観られる!

『ワールドプロレスリング完全版 #186 G1 CLIMAX 31(Aブロック開幕戦)』
CSテレ朝チャンネル2 11/7(日)午後5・40~9・00
(2021年9月18日 大阪・大阪府立体育会館)
『ワールドプロレスリング完全版 #187 G1 CLIMAX 31(優勝決定戦)』
CSテレ朝チャンネル2 11/27(土)午後2・00~6・00
(2021年10月21日 東京・日本武道館)
※主音声実況のみの放送となります

「CSテレ朝チャンネル2」にて12/28(火)午後8・00~11・00の生放送特番も決定!

『テレ朝チャンネル presents「新日本プロレス アワード 2021」』
CSテレ朝チャンネル2 12/28(火)午後8・00~11・00
●メインプレゼンターは神田伯山、清野茂樹もスタジオ生出演。番組では、新日本プロレス「ファンが選ぶベストマッチ2021」を募集中! 第1次投票締切り間近!
投票はこちらから!

自戒を込めてリングを観ていた(伯山)

――お疲れのところ、すみません! 早速ですが、今日の副音声の満足度はいかがでしたか?

清野 いやぁ、楽しかったですね~。何時間でもやれるんじゃないかみたいな。

伯山 “もう終わるの?”っていうくらい、一瞬で終わりましたね。昔、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」の五段目は“弁当幕”と言われていて、弁当食べて、横の人としゃべりながら観ていたそうです。選手には本当に申し訳ないけど、そういう楽しみ方も副音声なのであえて提示したいなと。勿論、選手に敬意は持ちながら。

清野 新日本プロレスの試合を肴に、延々と、終わりも始まりもなく、ずっと伯山さんとしゃべっている。こんな楽しいことはないですよね。

伯山 ひとつ問題なのは、最前列のリングにすごい近い席でやらせてもらっているんですけど、明らかに選手たちが、我々が笑っていることにいら立っている。トペ(注2)が何回か飛んできたんですけど、我々を狙ったのではないかという(笑)。

清野 放送でも言ったんですけど、今日は感染対策のマスクをしていたから、まだ良かったかなって。マスクをしていないと、ニコニコしてるのが、モロに見えちゃうじゃないですか。口元は隠していたので。

――中継でお2人がチラッと映るんですけど、だいたいリングを観ていなかったですよ。

清野 フィニッシュを観ていないこともあったり(笑)。

伯山 そういう中にあって、柴田勝頼選手とザック・セイバーJr.選手のグラップリング(注3)は、僕も清野さんも思わず見入った試合でしたね。

清野 全然、予想していませんでしたし、確かに、あの試合が一番、リングを追っていました。

伯山 完全にあの5分は吸い込まれましたね。最後も良かったし、コブラツイストからの卍固めってアントニオ猪木さんみたいで。こんなに濃厚で楽しい5分があるんだと。しゃべっているのも楽しいけど、グッと集中して観るのも楽しい。

清野 そこから、いろんな記憶が引き出されて。猪木とロビンソンの話になったりとか。

伯山 あの試合を観て、猪木×ビル・ロビンソン戦(注4)を思い出すという清野さんの記憶の反復横跳び(笑)。でも、そういう見せ方を柴田選手もしているし、完全に寄せていますよね。それに、この興行自体を食ってやろうとも思ったんじゃないですか、5分で。

清野 そうだと思います。

伯山 ですよね。それで実際に食っているんだから、柴田選手はあっぱれじゃないですかね。そして、あの5分に実は今回、新日本は救われたんじゃないかと。

――なかなかコメントも難しいとは思いますが、メインイベントのオカダ×飯伏の決勝戦の感想も教えてください。

清野 そうですね……(長い沈黙)。

伯山 こんなによくしゃべる清野さんが黙るという。言葉を選びに選んでも、結局しゃべれない(笑)。

清野 適切な言葉がね、見当たらないんですよ。

――清野さんの長い観戦歴でも前例のないハプニングですか?

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清野 ないですね。今、仕事でプロレスに関わる立場として、僕が思ったのは、飯伏さん以外の選手のことなんです。プロレスというのはある意味、一座で、同じ顔触れで全国をまわって、その千秋楽が今日だったわけです。その最後を任された飯伏さんがああいう形になってしまった。もちろん本人は無念だと思うんです。けど、一座を盛り上げてきたほかのレスラーたちはどう思っているのかというと、複雑だと思いますよ。みんなで盛り上げてきたG1 CLIMAXが最後、ああいうことになってしまったっていうのは。そんなことが頭に浮かんでしまいましたね。

――伯山さんは放送で、飯伏選手に感情移入する部分があるとおっしゃっていましたよね。

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伯山 例えば真打のお披露目って、どう神輿(みこし)に乗るかなんですよ。清野さんが一座とおっしゃいましたけど、周りも盛り上げてくれて。飯伏選手も、今日の決勝戦での振る舞いや、試合内容をみんなに期待されているわけですよね。しかも、今日のお客は平日の18時にわざわざ観戦に来てくれるという精鋭ぞろいで。そういうものを出方(でかた)の人間は一身に受けて、その中で栄光もあるし、挫折もある。ご本人が何かの機会にこの記事を見てショックを受けるのは嫌なので、言葉は選びますし、優しい言葉にしたいですけど、悔しいですよね。ものすごい失敗。ただ、そんな失敗を僕もしてしまった経験があるから、すごい感情移入して、“うわ、今つらいだろうな…”っていう。でも、まだ次が絶対にあるので、次の飯伏選手に期待するし、オカダ選手にも期待したいですね。

――ああいう失敗を経験して、ここからはい上がっていく飯伏選手が観たいですよね。

伯山 橋本真也さんが34歳で引退を懸けて小川直也さんとやった時(注5)に、僕はまだ10代だったんですけど、サラリーマンのプロレスファンが「橋本ー!」と言って泣いているのを見て、意味がよく分からなかった。それは僕が10代で、大した失敗がなかったからですよ。もっとも橋本さんの引退試合は話題を呼んだし、大きくみては成功なのかもしれないですけど。今、38歳で、しかも自分も出方になって、人並みに失敗してきたので、今日の試合を観て、“こういうこと、あるんだよな”って思うようになっていました。でも、そういうことを“思わせてしまう”というのは、プロレスラーとして辛いですよね。すごい痛がっていた飯伏さんも素(す)になっていたし、オカダさんも、実況席も素になっちゃう。お客さんを含めて、みんなを素にさせちゃいましたよね。あの場で素にさせちゃいけないんですよね。お金を払って観に来てもらっているんですから。でも、僕もそういう風に素にさせちゃう時ってあるよなって、自戒を込めてリングを観ていたのが本心ですね。私程度に言われるまでもなく、それを一番分かっているのが飯伏選手だと思います。そして、プロレスラーは超人なんだから、全部受け止めて、また最高の試合を見せてくれるんだと思います。

注2・トペ リング上から場外の相手に頭から当たる飛び技。トペ・コンヒーロ、トペ・スイシーダ、トペ・アトミコなど。
注3・柴田勝頼選手とザック・セイバーJr.選手のグラップリング 長期欠場中の柴田勝頼が、ザック・セイバーJr.とのグラップリングルールによるエキシビジョンマッチをサプライズで行った。柴田のリング復帰は実に4年半ぶりだった。
注4・アントニオ猪木×ビル・ロビンソン戦 1975年12月のNWF世界ヘビー級選手権試合。伯山が「名画を観ているみたい」と評した、プロレス史に残る名勝負。
注5・橋本真也さんが34歳で引退を懸けて小川直也さんとやった時 2000年4月、東京ドームでの橋本真也と小川直也の一戦。『橋本真也34歳、小川直也に負けたら即引退!スペシャル』という異例のタイトルでゴールデンタイムに生放送された。壮絶なKO負けを喫した橋本の姿は多くのファンに衝撃を与えた。橋本と小川の抗争のきっかけとなった「1.4事変」については、こちらのコラムもご覧ください!

1.4のスケジュールは…空いてます(2人)

――『神田伯山の“真”日本プロレス』のシーズン2も決まったということで、来年の1月4日でまた副音声を聞けるのではないかと期待しています。ちなみに、1月4日のスケジュールは空いているんですか?

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