爆笑問題連載『天下御免の向こう見ず』特別編「緊急招集!爆笑問題の年末査問会2020 前編」〜ウエストランド決勝戦惨敗は井口が戦犯!?
「古い奴だとお思いでしょうが ちょいと言わしておくんなさいよ
気がつきゃ優しいお笑いばっかりじゃござんせんか
誰ひとりとしてイヤな気持ちにさせない
女、子どもを傷つけない
そんなポップなお笑いばっかりでごぜえやす
遠い遠いあのころの ブスいじりのツービートや
毒舌で寄席を沸かせた立川談志なんかは
いったい どこに行っちゃたんでございやしょうね」
と、ザ・タイマーズのロックン仁義風に始まった爆笑問題年末特集。
さあさ、お立ち会い。毒舌好きはご安心召され。時代に逆行する漫才師の登場と相成ります。
無作為に人を傷つける。
人の幸せが憎いと言い切る。
「妬み」「嫉み」「僻み」の三拍子。
それが漫才師・ウエストランドで御座います。
爆笑問題の背中を追いかけ、タイタン初の「M-1」決勝進出を成し遂げました。
本日はその報告と相成ります。
8位惨敗のウエストランド、果たして如何なるダメ出しが待ち受けているのやら。
取材・文/ハギワラマサヒト 撮影/田子芙蓉
後編はこちら
トリこそ至高の香盤。最後に全部を持っていけ!
2020年12月某日、タイタン太田光代社長の一声により、都内某所にタイタンの若手芸人に集合がかけられた。2020年の活動報告を爆笑問題に報告せよとの指令だ。そこに集いし芸人は、ウエストランド、まんじゅう大帝国、キュウ、ダニエルズの4組だ。まずはウエストランドが爆笑問題に「M-1」決勝の報告をする。
爆笑問題・田中裕二(以下田中) 毎年恒例のTV Bros.の年末特集ですが、今回は我がタイタンから、遂に「M-1」決勝進出者が出ました!
爆笑問題
(右)太田光
おおた・ひかり●1965年埼玉県生まれ。中でも文芸や映画、政治に造詣が深く、本人名義で『マボロシの鳥』(新潮社)などの小説も発表。近著に『違和感』(扶桑社)、『芸人人語』(朝日新聞出版)がある。
(左)田中裕二
たなか・ゆうじ●1965年東京都生まれ。草野球チームを結成したり、『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)などで披露する競馬予想で高額馬券を的中したりと、幅広い趣味を持つ。
若手一同 (拍手)
ウエストランド・井口浩之(以下井口) 決勝8位と恥ずかしい結果になってしまいました。申し訳ありません。
ウエストランド
(左)井口浩之
いぐち・ひろゆき●1983年岡山県生まれ。サッカーが得意でサッカーにまつわるイベントも行っていた。愚痴が多い。ツッコミ担当。
(右)河本太
こうもと・ふとし●1984年岡山県生まれ。キャンプ好きが高じて、自身のYouTubeチャンネル「キャンプ ウエストランド 河本 太」でキャンプの模様を配信している。ボケ担当。
ウエストランド・河本太(以下河本) (嬉しそうに笑う)
爆笑問題・太田光(以下太田) (怪訝そうな表情でじっと井口の顔を見つめている)
井口 (戸惑いながら)えっ? えっ? えっ? なんですか、太田さん?
太田 猿がしゃべってると思って。
井口 ゆりありく(タイタンの猿回しコンビ)じゃないですから! ウエストランドの井口ですよ。まあ、相方の河本は猿以下かも知れないけど。
河本 (嬉しそうに)ありがとうございます! 8位でした。
井口 怖いよ! 8位は惨敗なんだよ。
田中 ドキドキしながら見てたよ。トリじゃん! と思って。正直、あれはキツイと思った。
太田 はあ? 最高の順番じゃん。トリが一番印象に残るんだから。全部をかっさらうチャンスだろ。あ、こいつら持ってんなってオレは思ったね。でも、廊下を歩いてるのを見た瞬間に、あ、ダメだこりゃって。
井口 はやっ!
太田 飲まれてるんだよ。全員が飲まれすぎてる。確かにいまの「M-1」は注目度も凄いし、騒がれてはいるけれど…。
田中 単純に考えたら、昔からよくある勝ち抜き形式のネタ番組だもんね。
太田 みんな「M-1」にプレッシャーを感じすぎ。大暴れしてやろうって気持ちがなくちゃ。絶対に数字を取る番組なんだから、最高のチャンスだろ?
田中 ほんと、大学受験じゃないんだからサ。
太田 ちょっと待てよ。なんで今ここで大学受験が出てくるんだよ。サってなんだよ。サって。一審判決は勝ったけど控訴されたよ。悪かったな!
田中 おい井口、お前のせいでオレが怒られただろ!
井口 なんか、スミマセン。色々と迷惑をかけて…。
目立ったもん勝ち! テレビは事件を求めてる
太田 最近の若手芸人は、お笑いの専門家になりすぎてると思うんだよ。
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