猫のつまらない話 第10回【4月号 能町みね子 連載】
文&題字イラスト/能町みね子 写真/サムソン高橋
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猫ハイかつネコニティブルー(ネコッジブルー)になってグッズ一つ買うにもとめどなく悩みがあふれる私を見かねて、猫飼いの先輩である西村はオススメグッズをがんがんLINEで送ってきました。
おもちゃはカシャカシャぶんぶんがいいと思う、今までの経験からそれに食いつかない猫はいない、とのこと。棒の先に虫の羽を模したプラスチックのカシャカシャがついている猫じゃらし風のもの。すぐ購入。
ごはんは健康に問題がない若い猫なら悩みすぎなくてよい、安いものでもよい、と。じゃあ、最初はコンビニで売ってるようなものでもいいか。考えすぎもよくない。
つめとぎはなんでもよい。トイレは好みがあるかもしれないし、2か所にあって悪いことはないので、固まるタイプ、シートのタイプ、両方置いておくのもよい。
あとは、連れて帰るためのキャリーバッグ、ちゅ〜る、またたび粉など。
通販で発注したグッズが揃い始めると、少しずつ私の精神が平静を保てるようになってきました。なんだかもう家に猫がいるような気がしてきました。猫がいるとなると高いところにのぼって困るだろうから、散らかった部屋を少し片づけることにしました。外に出て、家に帰る時は、心の準備のために「家に猫がいる」と思いながら帰ることにしました。わくわくしながらドアを開けます(いないけど)。
そして、忘れもしない12月5日。
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