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嵐、Perfume、End of the Worldらが登場! 『Spotify presents Tokyo Super Hits Live 2020』レポート
大手音楽ストリーミングサービスのSpotifyが開催した、“海外でも聴かれる日本のヒット曲”をテーマとしたプレイリスト「Tokyo Super Hits」をコンセプトとしたオンラインライブイベント『Spotify presents Tokyo Super Hits Live 2020』。嵐、Perfume、End of the World、[Alexandros]、ビッケブランカ、Vaundy、マカロニえんぴつという、日本が世界に誇る人気アーティストからキラ星のようなニューカマーまで計7組が出演。約3時間にわたり、ライブ配信サービス「Streaming+」を通じ、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国、台湾、香港、インドネシア等で生配信された。ライブの合間には、出演アーティストのトークも行われ、多角的にポップミュージックの現在地を紐解いたイベントとなった。
取材&文/小松香里 撮影/THINGS.
トップバッターは、EP『愛を知らずに魔法は使えない』でメジャーデビューしたばかりのマカロニえんぴつ。エバーグリーンなグッドメロディと巧みなアンサンブル。ギター&ボーカルのはっとりによる、「出会えたからには、うわべの理解だけで離れ離れになってしまってはもったいない。Spotifyでいろんな曲を掘り下げて聴いてみてください。次は、面と向かっていろんな場所で会話ができる日を楽しみに待っています」という説得力のあるMCを経て、人気曲「ヤングアダルト」で締め。
Spotifyの新進アーティストをバックアップするプログラム「Early Noise」で注目されたビッケブランカとVaundyが2番手と3番手を務めた。
ピアノロック「Black Rover」でステージから炎が上がり、ファンキーなミクスチャー調の「CaVa?」ではカラフルな紙テープが舞い、変幻自在のポップミュージックを見せつけたビッケブランカ。
今年リリースしたファーストアルバム『strobo』は、R&B、ネオソウル、ヒップホップ、Jポップ、R&B、ダンス、アニソンといった様々なジャンルが並列に並んでおり、まさにプレイリスト的な表現を展開するVaundy。SpotifyのテレビCMに使用された「不可幸力」からライブをスタートし、二十歳のリアルな憂鬱とポップミュージックの最前線を届けた。
海外での活動も積極的に行っている日本を代表するロックバンド[Alexandros]は、ボーカル&ギター川上洋平が英語で号令をかけた後、キラーチューン「Kick & Spin」、最新シングル曲「Beast」と、ゴリゴリのハイブリッドロックを叩きつける。「家の中で叫べ!」というアジテートに熱くなった人も多いはず。ラストは、SUBARUのCMでオンエアされているできたてほやほやの新曲「風になって」。どこまでも駆け抜けられそうな全能感溢れる新たな名曲を叩きつけ、颯爽とステージを去って行った。
SEKAI NO OWARIの別プロジェクト、End of the World。7年以上もの時間をかけ、世界中のクリエイターと深いコラボレーションしながら作り上げてきた楽曲をまとめた初のアルバム『Chameleon』から4曲を披露。全編英語詞。音楽で世界中の人と繋がりたいという意志が貫かれた「Dropout Boulevard」、「Birthday」、「Gone」……Nakajinの英語と日本語による挨拶を挟み、最後は「Rollerskates」。小気味いいビートと人懐っこいメロディと艶やかなFukaseの歌が深く余韻を残した。
昨年、J-POP女性グループとして初めてコーチェラに出演し、ベストアクト16組にも選ばれた日本が世界に誇るガールズグループ、Perfume。歌い出しのかしゆかのコケティッシュな歌声と言い、“和”なサウンドデザインと言い、かるたや手裏剣を思わせる振付と言い、世界中どこを見渡してもPerfumeだけにしか持ちえない魅力が満載の「FLASH」からスタート。あ~ちゃんが「最後にこの曲を歌わないなんて考えられない!」と満面の笑顔で紹介してから、「チョコレイト・ディスコ」へ。多幸感がすごい。画面を通じてトリの嵐へメッセージを送り、フェス感が高まる。
2019年10月、Spotifyをはじめとするストリーミングサービスで一部の楽曲を解禁した嵐。その動きに象徴されるように、圧倒的な国民的グループでありながら、いつだって聴き手と同じ目線に立ち、近くにいようとし続けてくれた嵐の1曲目は、先日行われた「アラフェス 2020」でもファン投票ランキングでシングル曲第1位となった「Turning Up」。渋谷の街を模したバーチャルな空間の中、“J-POPを世界中に届けよう”というメッセージをご機嫌なダンスチューンに乗せて歌い踊る5人の姿は、逆境の中でも進化し続けるエンターテインメントの力に溢れていた。ブルーノ・マーズの提供曲「Whenever You Call」、サム・ホランダープロデュースの「Party Starters」と、嵐の魅力を拡大させたグローバルな楽曲を立て続けにパフォーマンス。ステージ背景も楽曲の方向性によって様変わりし、最高峰のエンターテイナー・嵐の最新形を見せつけた。
海外でも人気の高いアーティストが多く出演し、アーティスト自身もできる限り多言語を使って、画面の前の無数の聴き手とコミュニケーションを取ろうとする姿勢が強く印象に残った。COVID-19により世界中の音楽ライブはいったん消滅してしまった。しかし、制限が設けられた状態ではあるが徐々に再開され、多くのアーティストやメディアがそれぞれのやり方を模索し、エンターテインメントの火を燃やし続けている状況がある。『Spotify presents Tokyo Super Hits Live 2020』は、世界があり続ける限り、人と人は音楽で繋がることができる──その事実を再確認させてくれた。コロナ禍において新たなライブのスタイルが生まれ、選択肢は増えた。だからこそ、リアルライブの完全な復活を切に願うし、それによって、エンターテインメントはさらに進化するのだと強く思った。
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