「KANさんのライブに行って来ました!」【2023年4月号 Perfume 連載】『たちまち、語リンピックせん?』
春の行楽シーズン真っ只中! Perfumeも4月29日(土)に大阪城ホールにて開催される「FM802 SPECIAL LIVE 紀陽銀行 presents REQUESTAGE 2023」出演を皮切りに今年のライブ活動がスタートします。
そんな中、今回は3月7日(火)に東京 Zepp DiverCity TOKYOにて開催されたKANさんの「BAND LIVE TOUR 2022【25歳】」を観覧してきたお話をうかがいました。KANさんといえば古くからPerfumeの大ファンを公言し、ご自身のライブやラジオ番組でその魅力について言及。オマージュを捧げた「REGIKOSTAR ~レジ子スターの刺激~」(2010年発表のアルバム『カンチガイもハナハダしい私の人生』収録)なる楽曲も発表しています。この日は昨年12月3日(土)に予定されながらコロナで延期となっていた振替公演にしてツアー最終日。念願叶って、ついに観ることができたKANさんの初ライブ。3人の目にはどんな光景が映ったのでしょうか。
先日、KANさんは今後しばらく演奏活動を休止して病気の治療に専念することが発表されました。
「皆さまに楽観していただけることが、きっと大きなエネルギーになる、そんな気がしています。この件をサラッと洒落にしながら演奏する日を常にイメージします。では、股」というご本人からのメッセージを胸に、今回の『たちまち、語リンピックせん?』は一日も早い回復へのエールの思いを込めてお届けします。
取材・文/照山紅葉
◆過去の連載はこちらから
◆「TV Bros.2月号 コミックアワード号」では、Perfumeさんのおすすめコミックについてもお話いただいています。
Amazon 楽天ブックス
[テーマ]KAN BAND LIVE TOUR 2022【25歳】
[言い出しっぺ]Perfume
◆大人の男性でありながら少年の部分を見せてくれるのが、この世代の人のかっこよさだなって(かしゆか)
あ~ちゃん KANさんのライブに3人で行ってきました!
のっち 昔からPerfumeのことを好きだとおっしゃってくれて、うちらのライブには何度も来てくださってたんですけど、KANさんのライブを観るのは初めて!
あ~ちゃん FM802(『ROCK KIDS 802 OCHIKEN Goes ON!!』毎週木曜日夜11時からPerfumeはレギュラーコーナー「Next To You」を担当)のディレクターさんがKANさんのラジオもやられていて、その方経由で「もし予定が良ければぜひ来てください」って。これまで何度かお誘いいただいていたんですけど、テレビの収録と被ったりしていたので今回念願叶ってようやく観に行くことができました。
大御所のKANさん、本番終わりの楽屋挨拶にうかがったら名だたる方たちばかりで。日本の歌手、総出で来たかってくらい錚々たるフロントマンの方々がいらっしゃるんです。
かしゆか “ここでもう大御所特番できそう!”みたいな。
あ~ちゃん 完全に番組も成り立つし、ライブもできるし、NetflixやAmazonも追っかけたいよ~ってなるぐらいゴリゴリの大物楽屋で、そんな場所に私たちがいさせてもらうことに、めちゃくちゃ緊張しました。そこにKANさんがいらして、乾杯の音頭からの流れで話をしてくれたんです。ご自身の話だったり、今回のライブはこうでしたっていう話だったり。そしたら「今日は僕の大好きなPerfumeが来てくれました! 僕と言えば、KASHIYUKA、a-chan、NOCCHiで、KANなので」って。
のっち うちらが生まれる前からKANさんなのに(笑)。
あ~ちゃん それも“みんなご存知〜お決まりの自己紹介〜”って感じで、周りの方たちも“ようやく本人に言えたね”みたいな感じだったんです。そのセリフの言い慣れてる感、流暢な話の流れがこれは何度も話してくれてたんだろうなぁと思ったトークでした(笑)。
かしゆか 開場中のBGMもずっとPerfumeが流れていて、びっくりでした。
あ~ちゃん 『PLASMA』だったね。うちらのツアーでもここまで流してないのに嬉しいなって思いながら、開場中その音楽に合わせてずっと踊ってました。楽しかった~。
のっち ライブもめちゃくちゃ楽しかったです。バンドの編成で、一人フロントで歌う人がいてっていう座組みの中で、あれだけ変化を持たせながらまったく飽きさせずにライブを進めていくすごさにびっくりしました。何といっても曲がいい! その日やったすべての曲に、○○年発売の『○○○』ってアルバムからの「○○○」っていう曲名、歌詞、すべて出してくれるんですけど、その出すタイミングも完璧で、ずーっと面白かったです。演出もKANさんらしさ全開で。
あ~ちゃん レーザーとかプロジェクションみたいなものじゃなく、古来からあるみんなが知ってるものを工夫して演出に使ってるんです。例えば、白いふわふわ~ってしたやつ(ドライアイスのスモーク)を、お客さんに気づかれないように横から風を当てることで白い風を足元に持ってきたりするじゃないですか? あれをふわふわ~じゃなく“今、この人に注目でーす!”みたいな感じでKANさん自らでっかい扇風機を持って白い風をギターにガ──って当てるんです。そんなの普通1回やったら終わりじゃないですか? 3回ぐらいやるんです(笑)。
のっち やってた(笑)!
あ~ちゃん そうすると1回目、ハハハハってめちゃ面白い。2回目、またやってる。3回目、マジでこの人すごい!になります(笑)。あれはもう才能! 天才! 芸人さんではないけど、芸人さん並みの間の操り方とお話のセンスと角度。とにかくファンサービスの男なんです。
かしゆか めっちゃ楽しませてくれたね。
あ~ちゃん ね? 人を楽しませたい、一瞬たりとも飽きさせないようにしたい。かつ挑戦をやめないところがかっこいい!って思いました。まず、ライブが始まると10曲連続、MCなしで45分ぐらいずっと歌いっぱなし、演奏しっぱなしで進んでいくんですけど、そんなストイックな大変なこと、うちらしたことないです。うちらは演奏しとるわけでもないのにね(笑)。
それをKANさんと長年活動を共にしてこられたアーティストの方と挑む姿を見ているだけで本当に夢をもらうし。かつ、のっちの言った楽曲の良さですよね。時代時代に言葉を残しつつ、いま歌っても色褪せてない名曲の数々。KANさんの少年のような人間性の素晴らしさと自由さ。こうなりたい、こうなれたら最強だなっていうゴールを見た感じがしました。すごかったね?
のっち すごかった。
ここから先は
TV Bros.note版
新規登録で初月無料!(キャリア決済を除く)】 テレビ雑誌「TV Bros.」の豪華連載陣によるコラムや様々な特集、テレビ、音楽、映画のレビ…