先月のテレビを振り返る!ブロス探偵団・定例テレビ報告書【5月】
“テレビ”ブロスと謳いながらテレビにまったく触れないでおなじみのテレビブロス。そんな中でも毎日テレビの小ネタを探し続けている異質集団・ブロス探偵団が、先月のテレビをじっくり見てざっくり紹介する月イチ定例報告書。
見逃した番組はどうにかすれば見られるけれど、ちょっと面倒くさい人のために勝手に立ち上がったブロス探偵団が、自粛生活で通常以上にねっとりテレビを見つめ、独断と偏見と愛を混ぜ込んで報告いたします。5月後半の話題が多めなのは、急きょ決まった企画で慌てたわけではたぶんない!
文/ブロス探偵団
<プロフィール>
ブロス探偵団とは、1987年のテレビブロス発刊時に発足した、テレビを観察し小ネタを見つけてはほくそ笑む謎の集団。番組表の隅という居場所を失い、note版で解散かと思いきや、まさかの招集。かつてはナンシー関も在籍したという噂だが、メンバーの総数は編集部の誰も知らない。
5月20日(水)後6・25
『水バラ ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅~新章・陣取り合戦in伊豆半島~』(テレビ東京)
妥協なき太川プロの乗車意欲
本家“バス旅”で蛭子能収が卒業後、『ローカル路線バスVSローカル鉄道乗り継ぎ対決旅』で鉄道と競っていた太川陽介が、今度は陣取り合戦形式で川﨑麻世チームと戦うバス旅に出陣していた。初日からまともに食事機会を設けずに夜まで駆けまわる太川にチームメイトの丸山桂里奈とA.B.C-Z・塚田僚一は動揺。要所に入るナレーションは「さすがバス旅のプロ!」…。バス旅を競技に変え、ストイックに突き進む太川プロを、局の垣根を越えて徳光の方のバスやタカトシ&温水の方のバスに参戦させてほしい。
【探偵団(井)】
5月21日(木)後8・00
『警視庁・捜査一課長 2020』(テレビ朝日)
テレワークで緩み気味な大岩
『2020年特別バージョン』と題し、シリーズ史上初の“テレワーク捜査一課長”という新機軸をねじ込んできた『警視庁・捜査一課長2020』。端的に言えば、冒頭と終わりに大岩一課長(内藤剛志)、小山田管理官(金田明夫)、奥野刑事(塙宣之)のテレワークミニドラマを追加した再放送を流しているだけだが、明らかにカンペ台本を読んでいたり、回線が不安定だったり、飼い猫がビクついてたり、緊張感ゼロの空気感が最高! 6月から通常撮影再開の知らせは喜ばしいが、テレワークだけでリアルにホシをあげる新作1本を是非!
【探偵団(井)】
5月25日(月)
実は中止に出来てホッとしてる?
今年の『FNS27時間テレビ』の放送中止が発表された。相次ぐ番組の中止や延期で一番残念。だったら34年間のFNS大反省会とかやってくれないかな。第1回放送の謹慎中だったたけしの復帰、さんまの車庫入れ、鶴瓶の開チン…。名場面を振り返りながらトークしたら27時間なんてあっという間でしょ。一番見たいのはダウンタウンが総合司会の’97年。台風で企画を急きょ変更し、仮設テントの中で「ぷよぷよ」対決を行う前代未聞の地味な放送に…。ん、これってゲーム実況の元祖?
【探偵団(川)】
5月25日(月)後10・00
『ドラマBiz 行列の女神~らーめん才遊記~』(テレビ東京)
石塚英彦がラーメン食べに毎回出る
ドラマが軒並み延期になる中、『行列の女神~らーめん才遊記~』は毎週新作でもう6話! 同僚やらライバルやら、意外にバトルだらけで刺激的だぞ。芹沢(鈴木京香)が社長のラーメン店兼フードコンサルティング会社に勤めるゆとり(黒島結菜)は、母で料理評論家のようこ(高畑淳子)とは対立していて『美味しんぼ』のような構図。『グランメゾン東京』の三ツ星シェフが忘れられないのか同じ演技の鈴木京香でも、『ガイアの夜明け』の調子で河上部長(杉本哲太)の声が畳み掛けると、妙にドキュメンタル~。
【探偵団(岩)】
5月27日(水)深0・58
Paraviオリジナルドラマ『ネット興亡記』(テレビ東京)
今やチャラ男はEXITだもんな
日本のIT起業家たちの知られざる物語を描いた日経電子版の人気企画をドラマ化した『ネット興亡記』がParaviに続き地上波でも放送。新聞記者役でナビゲートしてるのがオリラジの藤森だ。YouTubeで歴史を教えている相方・中田に負けじと、社会派に転向? そういえば、田中みな実との結婚はチャラ男キャラを嫌った相手の父に反対されてダメになったんだよね。その頃、こういうお堅い仕事をやっていればよかったのに。今はブラジル人の恋人がいるそうだけど 、キャラ設定があべこべだぞ。
【探偵団(宝)】
5月27日(水)深1・40
『行くぞ!最果て!秘境×鉄道「マダガスカル スマイル列車」』(NHK総合)
『あさイチ』も、たまにしか出ないし
深夜のNHK総合にNHK BSプレミアムの『行くぞ!最果て!秘境×鉄道』が。旅人は「あさイチ」の“ヤスくんワールド”でおなじみの古原靖久なんだが、これがなかなかのヤベベベの連続。実際ヤベぇ長い旅だったけど、時折見せる謙虚さは、異文化の人には特に伝わるのだろうか。秘境中の秘境なのに村の金持ちに出会い、よくしてもらえるヤスの強運には驚く。現地では高額の砂金が取れたのに、すぐに日本円に換算してガッカリするヤス。重いバナナ運びを手伝い、高級バニラの香りにウットリするヤス。音尾琢真が旅人のバージョンも登場しているけど、個人的にはもう少しだけ替わってほしくないな~。
【探偵団(岩)】
5月29日(金)後7・00
『爆報!THEフライデー』(TBS)
食えなくなったら本家を頼ろう!
『爆報!THEフライデー』に中鉢明子。’08年に「和田アキ子物語」に主演し、アッコに成り切って話題になったモデルだ。それ以来あまり見かけなくなり、今は米ニューヨークでモデルをやってるものの、コロナ禍で失業
中だそう。まぁ、大物に似てるだけで食べていけるほど、芸能界は甘くないよな。そういう意味では『M 愛すべき人がいて』で浜崎あゆみを演じてる安斉かれんも心配。あの棒読み演技が実力通りなら、あゆ役以外では使えないだろうに。
【探偵団(宝)】
5月某日
大晦日は『紅白リモート歌合戦』!
5月が終わるにあたって振り返ってみると、『笑点』『踊る!さんま御殿!!』『ぐるぐるナインティナイン』の“ゴチになります!”『帰れま10』…と、番組をどこまでリモート収録で成り立たせるかのチャレンジが楽しめた貴重なシーズンだった。その臨界点として見たかったのが、リモート版『SASUKE』。もちろん出場者は自宅から挑戦。となると俄然有利になるのが“ミスターSASUKE”こと自宅に手作りのSASUKEセットを持つ山田勝己(54歳)。8年前の引退と衝撃復帰からまさかのリモートで復活! …って『水曜日のダウンタウン』の会議ネタか。
【探偵団(川)】
<さ~て、来月のテレビは?>
『野ブタ。をプロデュース』『愛していると言ってくれ』『未来少年コナン デジタルリマスター版』といったドラマやアニメの再放送、『あらびき団』が夕方に降臨と、時世が影響するうれしいプレゼントもある5月でした。そんなリモートや接触にまつわる新機軸で焦りと共に妙な活気があるテレビ制作陣が、手探りの中でどんな新形態を繰り出してくるのかが気になるところ。6月も探偵とは名ばかりのブロス探偵団が鋭意調査中です! 来月の調査報告を待て。
※毎月初旬更新予定
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