細川徹×皆川猿時×荒川良々――17歳の乃木坂46も55歳のおじさんもみんな皆川の生徒だ！　舞台『３年B組皆川先生〜2.5時幻目〜』 ＜その１＞

見た後に何も残らないバカを作らせたら右に出る者なしの細川徹が作・演出を務め、唯一無二の存在感を放つ俳優・皆川猿時＆荒川良々の最強バディで話題となった舞台「あぶない刑事にヨロシク」（2016年）、その第２弾である「さらばあぶない刑事にヨロシク」（2018年）。前作から３年、本家のあぶ刑事はさらばしたけど、こっちのあぶ刑事は先生になって戻ってきた！　舞台を学園ものに変え、借金を返すために先生のふりをして学園に乗り込んだ皆川先生と、それを迎え撃つモンスター学級委員・荒川の学園生活を描く。そして脇を固めるのは、前シリーズから引き続き、池津祥子、村杉蝉之介、近藤公園らお馴染みのメンバーたち…と思ったら、なぜかそこに乃木坂46から清宮レイが初参戦。細川、皆川、荒川の３人にまだまだ謎に包まれた今作の全貌や、おじさんおばさんの中に1人飛び込む共演者・清宮レイについて聞きました。おじさんたちのクロストークが、今、始まる!!

取材・文／末光京子　撮影／為広麻里

『３年B組皆川先生〜2.5時幻目〜』

細川徹が新作舞台で2.5次元に挑戦!?
皆川猿時＆荒川良々の最強タッグ復活！
新メンバー清宮レイ（乃木坂46）が初参加
2016年、2018年に上演された細川徹作・演出の舞台『あぶない刑事にヨロシク』。笑いだけにこだわって大好評を博した皆川猿時と荒川良々の最強タッグが３年ぶりに帰ってきた！　今回は舞台を学園ものに移し、見た後に何も残らないバカ満載のストーリーが展開する。再集結した『あぶ刑事ヨロシク』メンバーに加え、新メンバーとして清宮レイ（乃木坂46）が初参加！　細川徹が挑む2.5次元ステージにも注目です！

＜ストーリー＞
元2.5次元俳優で、今は焼き鳥屋で働く皆川（皆川）が、常連客の教師から提案され、借金を返すために教師になることに。しかし、皆川先生が受け持つ３年B組は問題児だらけ。中でも学級委員の荒川（荒川）はモンスター学級委員だった。救いに思えたもう一人の学級委員（清宮）も、学校を辞めようとしていて…。皆川は、無事卒業式を迎えることができるのか!?　皆川先生の授業が、今、始まる！

＜スタッフ＆キャスト＞
作・演出／細川徹
出演／皆川猿時　荒川良々　池津祥子　村杉蝉之介　近藤公園　上川周作　清宮レイ（乃木坂46）　早出明弘　本田ひでゆき（本田兄弟）

＜公演スケジュール＞
６月17日（木）〜７月4日（日）　下北沢・本多劇場
指定席7000円　ヤング券3800円
チケット発売 4月25日（日）午前10:00より。詳細はこちらから。

新メンバー・清宮レイさんに
嫌われないよう、こまめな着替えを

――今回は学園ものということですが、どんな舞台になりそうですか？

細川　警察から学園に舞台が変わったんですけど、たぶんやることは変わらないと思います。吉本新喜劇もいろんな設定がありますけど、結局やることは変わらないじゃないですか（笑）。ああいうのと同じで、お祭りみたいな気分で気楽に舞台を楽しんでもらえたらなって。まだ台本出来てないんですけど。

荒川　出だしの部分だけの台本をちょっと前にもらいましたけど。

皆川　まだ覚えなくていいですっていう。

細川　どうせ稽古で変わっていくんで、まだ全然覚えなくていいです！

――渡しておきながら覚えなくていい台本ってあるんですね…。皆川さんと荒川さんは今作への意気込みはいかがですか？

荒川　やるしかないですよね。

細川　ハハハハハ！

皆川　同じメンバーで３回目なんですよ。みんな一緒に歳をとって、そこに今回は清宮レイさん（乃木坂46）が入って、すごく新鮮な気持ちで出来るかもしれない。わかんないけど（笑）。

細川　すごく緊張してると思います、ほぼ初舞台みたいなので。それに、嫌だと思う、実際。

荒川　みんな一緒にやったことあるんでしょ、この人たち、って思ってるわけでしょ？　私だけ初参加でって。

細川　そこまでいじけてはないとは思いますけど。まだ17歳だからなー。

皆川　嫌われないようにしたいですね。

荒川　Tシャツ臭えなとかってね。稽古は梅雨の時期だから、生乾きの匂いに気をつけないと。

皆川　こまめに着替えて…。

荒川　稽古場、雑巾みたいな臭いすんなって言われちゃいますよ。

皆川　（不安そうに）そういうところから嫌われるんでしょ？

細川　いや、お父さんじゃないから大丈夫だと思いますよ（笑）。我慢してくれますよ、仕事だから！

17歳の乃木坂46も55歳のおじさんも、
み〜んな皆川の生徒だ！

――皆川さんと荒川さんはどんなキャラクターを演じるんですか？

細川　前作では皆川さんが先輩で、荒川くんが後輩っていう関係性でやってきたので、ちょっと上下を逆にして荒川くんが担任で、皆川さんが副担任っていうふうにしてみようかとも思ったんですけど、学園ものだったら、めんどくさい生徒の荒川くんと皆川先生との間に絆が生まれる方がいいかなと。ただ、皆川さんがどうしたってひどい目に遭うっていうのはありますよね（笑）。普通の学園ものだと、新しく赴任した先生がいろいろな問題をうまいこと解決して生徒たちに慕われていくけど、特に慕われはしないんで、皆川先生は。ただただひどいことに巻き込まれていくだけになると思います。でも、最後はいきなり感動の卒業式にいけないかなって。

荒川　きっと卒業式でいいこと言うんでしょうね。そこは皆川さんに考えてもらって（笑）。

皆川　アドリブで!?

細川　白紙の台本を渡しますから。

――そこだけ金八方式！　荒川さんはどんな役柄なんですか？

荒川　僕は熱血漢だっていうことしか（と言って、当日渡されたあらすじを熟読）。

皆川　本当に触りだけの台本でしたけど、面白そうだなと思いましたね。冒頭が早出（明弘）くんとの2人芝居っていうのが、ちょっと不安だなって思いましたけど…。

細川　早出くん、客いじりは上手だけど、芝居になると途端に硬くなるからなー。この間、小河ドラマ（細川作・演出のドラマ『小河ドラマ　徳川☆家康』）にも出てもらったんだけど、初日すっごい硬くって、すっごいイライラした！

荒川　前回は独身だったけど、結婚したし、頑張って欲しいですね。３年間会ってないけど（笑）。

――そんな中、清宮さんは唯一初登場のメンバーですね。

細川　おじさん、おばさんの中に若者が1人だけなので、化学反応がどう起きるか…。バランス悪いじゃないですか。もうちょっとバランスとって若い人がもう1人くらいいたらいいんですけど、清宮さんの負担がすごいんです。清宮さんがおじさんっぽくなっていくかもしれないくらい、おじさんの話にしかならないから。

荒川　若い人がいたらね、休憩中も話したりできるでしょうけど。たぶん誰とも話できないでしょうね。

細川　17歳とおじさんはねー。

荒川　そこは池津（祥子）さんにうまいことやってもらって、お母さんみたいに。

細川　お母さんでしょ!?　友達じゃないもんなー。

皆川　際立つんじゃないですか、きれいなものと汚いものと。

細川　清宮さん効果で、こっちもきれいだって錯覚してくれるかもしれない（笑）。

――清宮さん以外も生徒役をやるんですか？

細川　おじさんたち何人かにも生徒役はやってもらうつもりです。

皆川　村杉くんも生徒やるんでしょ？　今、55歳。

荒川　まだまだやりますよね、大御所にはなれないから。だって、セリフ言う前にいまだに唇震えますから。プルプルプルって（笑）。

細川　夜間学校でもないのに、55歳の人が生徒やりますから。

皆川　山田洋次監督の『学校』っていうわけじゃないのにね（笑）。

荒川　普通に55歳が若者の役を。

細川　老けてる人みたいな話も特になく、普通に頑張って若者をやるっていうね。

――皆川さん荒川さんは先生役ということで、何か準備されていることはありますか？

皆川・荒川　ああーー、準備かぁ……（無言）。

皆川　特に…。

荒川　ないですねー。

皆川　たぶん無理だと思うんですけど、いつもちょっと痩せようかなって思ってるんだけど。痩せたことないんだけどね（笑）。

細川　そういう準備の舞台じゃないんですよね。なるべくそのままで、なんとか面白くしていくみたいな、そういう舞台なので。いろんなもの見て準備しておくとか、そういうことを要求してないし、そういうものじゃない。完全な娯楽なんで。

ルーキーズからインスパイアされた
学園もののエッセンスとは？

――タイトルからしても『３年B組金八先生』なのかなとは思うのですが、今回インスパイアされた学園ドラマはありますか？