【Dr.Izzy Report】提出用.txt
情緒に満ち溢れたこの曲、オトノバ中間試験を解剖してレポートを書くにあたってまず必要なのは「予習」であろう。
何せタイトルに「試験」とあるのだから、こちらもそれ相応の予習をしてきちんとした用意と共に曲と向き合わなければならないと思う。相手(という言い方が適切かどうかは分からないが)はあのDr.Izzyだ。生半可なレポートを書いてしまってはどうなるか分かったものではない。
さて、補習にも追試にもならないように試験の予習を始めようか。
予習の準備をしよう
予習のために一通り歌詞に目を通す。
しかしながら彼ら、UNISON SQUARE GARDENの曲の歌詞は難解で意味のよく分からないフレーズが多く、曲の意図を汲み取るのも一苦労だ。そもそも一般的には普通にBGMのような役割として聴いているだけで歌詞の意味など考えないものだと言われてしまえばそれまでなのだけれども。……もしやこういうことをする人のことも『物好き』と称しているのだろうか。
そういうわけで、そんなに長々と歌詞がどうだ曲調がどうだこの歌詞はこういうことを比喩しているだのと書き連ねることは出来ない。
なので個人的に気になったフレーズを少しずつ切り取って紹介というか調査というか、とにかくそういったことを「予習」とさせてもらおう。
『物好き』と『快楽漬け』について
Bメロ後半、ほぼサビ直前で出てくるフレーズとラスサビ中に出てくるフレーズについて少し。
この2つのフレーズ、一見すると何の因果関係もないように思えるけれど、私は彼らが言うところの『物好き』であるため個人的な解釈をしていこうと思う。
きっと『物好き』はいつもの彼らの文脈通りの意味だろうと考えたけれど、曲名の『試験』というところからモチーフが学生であると仮定し、そこから2つ目に挙げたフレーズの『快楽漬け』とで連想ゲームをして「勉強がすごく好きな変わった人」が「猛勉強してハイになっている(快楽漬け)」としてみる。曲名の通り、この曲では学生を彷彿とさせるキーワードやら何やらが多いように感じたため、これで結構筋の通った解釈になるのでは?(剥いたら答えがあるのでは?)
2サビ直前のコーラスである『Oh, pardon me!』からの『Shut up!』は英語を習いたての中学生という感じがするし(ようはちょっとアホっぽい)、ドラムと共に鳴っているタンバリンもどこか学生特有の可愛らしさや無邪気さの象徴であるように聴こえる。
タンバリンなんて学生時代の音楽の授業以外でお目にかかることはそうそうない。強いて挙げるとするなら、居心地の悪そうなマラカスと共にカラオケに置かれているのを視界に入れるくらいだろう。
そういえば、イントロも全員でのハーモニーが奏でられるターンになるまでにギターの音色が4回鳴り響く。少し大袈裟かもしれないけれど、学生の曲だと仮定してレポートを進めていくのであればこれも学校特有のチャイム音だと捉えることは出来ないだろうか。
となると、イントロでチャイム代わりに4回鳴らされたギター音を合図として『試験』が始まったと解釈出来る。
もし仮に、本当にこのような意味だとするなら学生という身分である私にとっては大変羨ましい限りである。勉強し過ぎてハイになるという感覚を一度でも味わってみたいものだ。
また、1サビでは『依然どうにも迷路だらけだけど今夜だけ弾けさせて』というフレーズがあり、これも上記の解釈に当てはめてみる。
あくまでもいち解釈でしかないけれど、解法に辿り着くまでの思考時間のことを『迷路』とし、『弾けさせて』は答えが出ることの比喩のように見える。
これを書くのに難航している私は、とてもじゃないが弾けることなんて夢のまた夢でずっと迷路の中を彷徨っているんだろう。
待てば海路の何とやら
次はサビ前の特徴的なこのフレーズ。
英語の授業から長らく離れた人でも意味が分かりそうなくらい単純で簡単なこの英語のフレーズこそ、彼ららしさを彷彿とさせるものだと思っている。
真意はどうあれ、私はこのフレーズを「死ぬか生きるかよりも、とにかく僕のことを選んで!」という風に解釈した。
ここで言う「僕」とはまさしく彼ら、UNISON SQUARE GARDENのことであり、生きるだとか死にたいだとかそんなことで悩むよりもとりあえず僕らの音楽を聴くことを選んでほしい、と言っているように聴こえる。「こちらは勝手に演奏しておくからこれを聴いてどうしたいかは君らも勝手にしてくれ」というスタンスが多いように感じる彼らの音楽の最骨頂がこの曲である気もしてきた。
そして、このフレーズも忘れてはならない。
『待てば海路の日和あり』とは、「必ずいいことが起こるようなチャンスは来るから辛抱強く待て」という意味であり、これが前述の「死ぬか生きるかよりも僕を選んで!」に繋がるように思える。
生きていたらきっといいことがあるとまでは言い切れないけれど、とりあえず彼らの曲を聴いて、断続的に行われていく彼らのライブを楽しみに辛抱強く生きていくというのもいいかもしれない。
追試は免れたか
さて、ここまで個人的に気になったフレーズを引用しながら私が都合のいいように解釈する「予習」をしてきたわけだけども、これで追試を免れたかと聞かれるときっとそうではない。
私のような物好き達が彼らの曲の難解な(小ネタが多い)歌詞を見つけることが好きで楽しんでいるなら、彼らは突如『抜き打ち』のように新曲を出す。
私達がどれだけ解釈を重ねたところで本当の答えは彼らの口から伝えれることはなく、私達は彼らの曲の解釈をするのに頭を悩ませて『追試』と『試験』は続いていくのだろう。
……この程度であればDr.Izzyも及第点をくれるようなレポートになるだろうか。
丸付けをさっと済ませたDr.Izzyにこっぴどく叱られて二度と笑えなくなるくらい追い込まれてしまう前に、補習の準備にでも取り掛かるとしよう。
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