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女の変化について 3

 少し時間を戻す。36才の夏、元々設定していた35才が春に過ぎており、量産系女子という役についてどうすべきか考えた。そもそも量産系女子の服を35才overが着ることに元々疑問があった。だから前述の通り、夫に宣言していたのである。そして実際、女の服には期限があることを思い知らされた。明らかに膝が出せない。気づいたらすべてがたるんでいるように見えた。

 カンフル剤として、7月に私はブリーチをし、ミルクティーのような明るめの金髪のショートカットにした。人生で初めて前髪を伸ばすことになった。より、大人っぽい顔つきになった。その顔を見て私は、量産系女子から年齢をスライドさせて、フェミニンな大人女子をすることにした。これも今までに体験したことない女であったが、子供の頃から憧れている女性像ではあった。

 夜のお店にいる少しセクシー、大人で上品な女性。髪の色は明るいが、ギャルにならないようなスタイリングを心がけよう。その頃、K-POPブームが起き、明るいカラーリングの人に世間が見慣れていたので、明るい服に大人フェミンを合わせてもおかしくはなかった。

 37才の1月、フェミニンな大人女性になりきるため、ダイエットをはじめることとなった。目標はニットワンピを着れることである。結果、7月末までに体重は-7kg、体重は-8%落とした。

 ここまでの自分になったのは、生まれて初めてであった。私は小学生のときからずっと肥満~ちょい太いの間で生きてきた。その私がたった7ヶ月で今までの人生の中で一番痩せることとなった。

 太っている女の時の私はスカートを着たがる。なぜなら、パンツだと足のラインが見えるからである。それよりもワンピやスカートの方がすっきりして見える。

 さすがに下着のサイズが変わったようなので、買いに行った。試着したときに店員から「お客様のように痩せていて・・・」と言われた。初めて自分が世間的にも痩せている人に分類されて、本当に面をくらった。とんでもなく嬉しくなった私はその日、今まで履くことのなかったデニムパンツを買いに行った。ユニクロでウエスト58cmのデニムを買った。このサイズが入ること、パンツをはけていることの多幸感に溺れていた。

 デニムもニットワンピも着れるようになり、装備品が増えた。装備品は自信となり、いろんな活動に前向きに参加することが出来た。こんな格好をしている女の人に変身しているつもりなので、自分ではないというこの時が心地よい。

 女の種類は沢山ある。20代から37才までいろいろな女になりきってきたつもりだが、女をしてみると更に女の世界が広がることが分かった。派手な格好をしているときもゴスロリ・甘ロリ・パンク・モードと更に派手な世界が広がる。量産系女子の格好をしているときもギャル・海外系女子(韓国系もあるしアメリカ系もある)が見えてくる。あとはピアスやタトゥーだらけの女も美しい。大人になっても新しい女が出てくる。私は今38才になり、どんな40代の女になろうかと考えている。気づけば、インスタで女の子を探すことをしていない。そこに40代が少ないからだろう。

 今の40代は昔、私が思っていたよりみんな若く、カジュアルな服装が多い。子供が小学高学年から中学あたりで、習い事や受験がありできるだけ落ち着いた、けどもまだ若さのあるカジュアルに収まっているのかもしれない。

 私は女の種類を選び変えることで生き方が変わっていくことを身をもって体験した。服装・化粧・髪型を変えれば、いくらでも変身できるのが女だと思う。ただ変わるには1年以上の時間が必要なことも知っている。40才に向けて今のうちに用意をしておきたい。おそらくだが40代の女が一番魅力的だと思う。身体がそこまで衰えず、心は落ち着いている。一番、女を味わえるのではないだろうか。嗚呼、女は楽しい、女が好きだ。


もし、お時間ありましたら、バックナンバーお付き合いください。

女の変化について|tuyuiro (note.com)

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