「焼肉屋のもつ鍋」
久々の投稿は新しく味変したもつ鍋の話です。
新鮮な牛モツを仕入れるための独自ルートを持っているのが老舗焼肉店の特徴の一つなのですが、当店では昔から和牛のホルモンではなく交雑種のホルモンを好んで使用しております。
その理由は価格が比較的安価なことと、交雑種を取扱う屠畜場からの距離が比較的近く、鮮度の良いものが安定して手に入るからです。
当店の交雑種ホルモンの魅力はその独特のぷりぷりした歯ごたえと出汁に溶けだす旨味です。鮮度の良い交雑種ホルモンは、柔らかく歯切れのよい和牛ホルモンよりも独特の強い旨味がスープに溶けだすので〆の雑炊や麺まで美味しくいただけるのが特徴です。
交雑種ホルモンの下処理には、塩ではなく電解水を用いて殺菌処理を行います。
電解水を用いる理由は殺菌能力の高さ。新鮮なホルモンを一切傷つける事無く手早く処理できるのが特徴です。鮮度と旨味を損なわない為に、下処理には電解水を使うのが私的には今のところベストです。
昔から当店が使用する交雑種ホルモンは四万十産100%です。その理由は牛さんが日々食べている飼料や肥育環境(特に水質)の確認、生産者の方々や屠畜場でホルモンを取り扱う方々との意思疎通がスムーズに出来るためです。日本ではまだ義務化されていないホルモンの個体識別番号の商品内表記が出来るのもそういった安心安全の取り組みの一環となっております。
このような考えで取り扱うモツ(小腸)を自家製の(タレ、コチュジャン、薬念醤)をブレンドしたスープで煮込むのが今回の商品の特徴です。これらの味のベースには主に、いりこ、昆布、醤油、にんにく、生姜、はちみつ、パイナップル、酢、胡麻油、唐辛子が用いられます。焼肉屋ならではの食材を使用した旨味のあるフルーティーなスープベースには新鮮な交雑種のホルモンが非常に良く合います。今回の赤辛(新味)は、唐辛子と胡麻を練り込んだ薬念醤を多めに調合することで、ほとばしる辛さがクセになる仕上がりとなっております。
焼肉店ならではの味の組み立てと四万十町の清浄な環境で育てられた新鮮な交雑種ホルモンの魅力をぜひ赤辛(新味)でお愉しみくださいませ。