歩けるけど車椅子を1ヶ月借りてみた話2WHILL C2 30日間チャレンジ2週目以降
電動車椅子のWHILL C2を借り出した最初の週は珍しくて周りの反応も面白くて日々記録を取りながら様々挑戦してみた。2週目以降原点に立ち返り、新しいタイプのモビリティとして楽しむことができるか。を考えてみる。
車椅子は脚を怪我したときに乗るもの、免許を返上したら。歩行困難な人に向けての道具。電動となったら、障がいのある人向けの特殊な乗り物。
ここから、
室内や歩道を走れる移動体として車椅子に健常者さえも必要だから乗る。便利だから乗るって意識になるの?
そこで。
10日目。日本一の滝、称名滝にチャレンジ。
●クルマで運んで駐車場で早速組み立て。バイクにまたがる気持ちで出発。
●登りの勾配がキツいが危なげなく登る。電池の減りが早い。最後まで辿り着くはずだけど不安。満充電じゃない状態だと不安。
●途中すれ違う人ほとんど全員珍しいものを見る目。その中に数名、道中の勾配で息を切らした人が「それどこで貸してくれるの?乗りたい。」という目。歩き疲れた人は羨ましそう。
●途中景色を眺めながら余裕で辿り着く。歩くことに不安がある人はこの道を歩くことを躊躇するはず。連れて行ってくれる感覚は有難い。着いた先で出会う景色はご褒美といえる。
●目的地の一番の絶景ポイントは階段昇ったその先。橋の欄干に無人の車椅子は残してはいけません。不審すぎるので諦める。残念。
●弁当を広げる。ベンチじゃなく綺麗な椅子で座って食べるのは気持ちよい。
●帰り道。下り坂で電池残量が増えた。驚く。結局電池の消耗は全く問題なし。
25日目。父を乗せる。
●勧められるまま乗った。段差を越えて喜ぶ。スピードはしっかり出さない。怖がっている?
●そのへん一周したら、ありがとう。と返される。
27日目。祖父を乗せる。
●いやー、難しいよ。2(最高速2km/h)でも速いよ。まっすぐ走らないよ。(5m進んで)もういいよ。ありがとう。これ買ったの?借りたの?借りたならよかった。
終了。
30日目。返却。
ありがとうございました。
総括。
ここまで1ヶ月間で感じた障がい者が乗る車椅子が未来のモビリティとして認知されるのか。
●父や祖父の年代には障がい者と健常者の区別が明確にある。自分が「あっち側」にいくことは許容できない。たとえ歩けなくても、歩ける!と言うだろう。
●健常者も障がい者も年齢も関係なく乗れる乗り物として認知されるには、若者層が面白がることが必要なのでは?
●称名滝での体験は、歩行に不安がある人が日本一の滝を観ることができるご褒美をもらえる。歩くのが辛い場所へ連れて行ってくれる体験は歩ける人が便利な道具として乗る機会を作ってくれそうだ。
●日々乗っているe-bike「vanmoof」に乗る頻度が上がるのは楽なだけではなく、日々の乗車体験が記録になるから。日記になる。
●これに乗らないと得られない何か。が面白くするきっかけになりそう。それはきっと性能じゃない。フォルムでもない。アプリケーションの話。
この乗り物が街に受け入れられる姿がおぼろげに想像できた。電車や自動運転のバスに車椅子ごと乗り入れて移動する未来。スタジアムや美術館を自動運転で誘導してくれる未来。社会のインフラになるには、面白い。楽しい。をつくりだすことが車椅子に注がれる視線を変えるきっかけになるのだろう。