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1200gの小さな小さな赤ちゃん。無事、出産しました。

6月15日。

朝食後の10時頃、突然生理痛のような痛みがした為、ナースコールをした。
絶対安静だったので、車椅子でトイレへ行き、尿を足すと便器は真っ赤。
大量の出血と共に今まで経験した事の無い強いお腹の痛み。
これはもう絶対にダメだ、今日出産だとすぐにわかった。

診察を受けると、もう赤ちゃんの臍の緒と足が少し出そうな状態。羊水はほぼなし。
非常に危険な状態なのでチームで話し合って今日帝王切開するか決めます。と言われた。

早産どころか、赤ちゃんが危険な状態という事に言葉じゃ表せないほど不安でいっぱいになった。

あまりのパニックに、会議中の夫に何度か電話をかけてしまった。
もうとにかくパニックだった。電話越しに号泣した。

医師の話し合いの結果、本日12時から帝王切開するとの事。
涙が止まらなかった。


36wまでお腹の中に居させてあげられなくてごめんね。罪悪感、責任感、情けなさ、色んな物を感じた。

手術前、仕事を早退し夫は病室に来てくれた。
3週間以上ぶりの再会。
看護師さんもいたので泣かないように強がったけれど、夫と2人になって優しく声をかけられた瞬間、涙が溢れた。
入院してから毎日毎日不安で仕方なかった。会いたかった。
久しぶりに見れた夫の優しい顔にほっとして泣いてしまった。

11時30分にオペ室へ到着。
ここで夫とはもう会えなくなる。
直前に夫とハグをし、また優しい夫の顔を見て泣いた。
私はオペ室へ入って行った。

手術台に横になると、たくさんの器具を付けられ、横を向いて丸くなり、背中から麻酔注射をの4本ほど打たれた。
物凄く怖く、痛かった。
その後は少しずつ胸下が麻痺していき、
オペ開始。初めての帝王切開は流石に怖かった。

20分後、
「もうすぐですよー。もう少しずつ赤ちゃん出てきてますからね!」と付き添い医師の声。

ちゃんと泣いてくれるか不安だった。

その数分後、テレビなどで見る大きな鳴き声ではなかったが、赤ちゃんの鳴き声が聞こえた。頑張って泣いていた。
「おめでとうございます」と医師の声。
涙が溢れた。

小さかった。可愛かった。

その後は点滴の麻酔で眠らせてもらい、1時間程で手術は終わった。
少しずつ目は覚めたが、まだ意識は朦朧としていた。
下半身は麻酔で全く動かず。

どんな形であれ、まずは無事出産できた事にほっとした。

自然に涙がポロポロ流れていた。

産まれてきてくれてありがとう。


こんなに弱い私の、お腹の中で元気よく育ってくれた赤ちゃんに、私は本当に感謝している。

そして入院中、私が不安な時、夫には沢山助けてもらった。
毎日友人や家族から励ましの連絡を沢山もらっていたが、本当に辛い気持ちが楽になるのは夫と連絡を取れた時だけだった。 

前回の胞状奇胎の時も今回の妊娠も、夫自身、相当辛かったと思う。
それでも辛い顔ひとつ見せずいつも強く優しい言葉をかけてくれた夫。支えてくれた夫。

本当に頼りになった。

心配ばかりかけちゃって、ごめんね。

全妊娠の2%の確率でしか起きない胞状奇胎。
3%の確率でしか起きない早産。

私たち夫婦は新婚にも関わらず、既に辛い経験を2回も2人で乗り越えてきた。

今回の妊娠で更に夫婦の絆は深まり、また少し家族になれた気がする。



夫、

本当にいつもありがとう。

仕事が忙しい夫、1200gの小さな小さな赤ちゃん。

わたしはこの大切な存在を支えられるような強く優しい妻、母になりたい。
そして居心地のいい家庭を作っていきたい。


みんなで幸せになろうね。

今日は、赤ちゃんを触り「可愛すぎた。」という電話越しの夫の幸せそうな声を聞けた事が1番幸せだった。


夫もしんどかったと思う。辛かったと思う。
ありがとう。


私にとっての出産はあと少し。

9月4日の予定日まで、
お腹の中にいさせてあげられなかった分少しでもそばで見守り、元気にお家に帰ってくる日を心待ちにしたい。
そう決めている。


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