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収容違反インシデント6感想レポート


そうだ 収デン、行こう。

「収デン行ったことありますか?」

2022年10月20日、日常生活で「収デン」という語が飛び出した最初の事例であった。当時筆者は某大学某サークルに身を置き、その重役たちが次の世代に入れ替わったということでアフターの飲み会に出席していた。当時の時点で学部生とは直接的な繋がりが希薄であったので、少人数のB1~B3を付近に交えながら、B4~院生で島を作って鍋をつつき合っていたように思う。

そんな時、自分から見て2席ほど左隣に居たB1~B2くらいの学生であろうか、彼がSCP財団に触れていることを知った。その場に居たサイトメンバーは自分だけであったが、彼を交えて好きなオブジェクトの話をしたり、当時拙著の中で最高評価を得ていた殺人珪藻のSCP-798-JPを紹介したりしてSCP談義に花を咲かせていた。

その中で、彼がかつて収デンに参加したことがあるという旨の話も出た。当時の自分はどうにか珪藻で執筆のスランプを脱したばかりと認識していたこともあり、また関東までわざわざ足を運ぶことの億劫さもあって⸺事実として恐竜博2019から恐竜博2023まで関東の土を踏むことはなかった⸺、自分が収デンに行くという実感や発想はあまりなかったのではないかと思う。しかし、最早仔細は記憶にないが、楽しそうに財団や収デンを語る彼の顔を見て少々興味を惹かれたというのはあったのかもしれない。

2024年に開催された収デン5でも、当時のタスクが馬鹿にならなかったために渡航の選択肢はなかった。サイトメンバーたちが大宮に集っていた頃に筆者が何をしていたかというと、雪の吹き荒ぶ大学構内で野ざらしにされバキバキに凍り付いて購入を頑なに拒む自販機のボタンを連打していたのである。

しかし、収デン5には恩もある。翌日から始まるSCP-JP最初のアンソロジー「始のいろは」の存在が収デン5でついに明かされ、財団界隈に旋風が駆け抜けた。その際に棚ぼた的にトップバッターとなった拙著SCP-3024-JPは1日で+70~80前後のUVを集め、2ヶ月弱で拙著群のトップの座を珪藻から剥奪した。これほどの爆発的な伸びは「始のいろは」の話題性のおかげであるし、その火付け役として収デン5の影響は小さくないであろう。

それから時が流れ、2024年4月に収デン6の開催決定が報じられ、同年8月に開催地も公開。まーた東京か(東京と南関東は実質的にシノニムなのである)と思ってはいたが、もし前日に十分な体力があれば弾丸遠征したいかもな、と考えられる程度には土壌が形成されていた。

なお、上述した経緯のほかに、imerimo氏やponhiro氏から誘いを受けた/参加意思を問われたというのも大きいかもしれない。特にponhiro氏とは同年9月に福岡でお会いし、当時開催中の恐怖コンや開催が確定していた収デン6をはじめ、財団関連の話題に興じさせていただいている。

地方からの離脱 そして東京に入った

年を跨ぎ、自身のコンディションとにらめっこしながら迎えた開催前日、2025年2月10日。21,22職員鯖⸺通称『蛮族鯖』では既に収デン用のスレッドが立ち、MikuKaneko氏が精力的に蛮族の集合を企画していた。氏のおかげで1週間前まで山手線に浜松町駅なる駅が存在することを存じ上げなかった自分でも困らない程度に集合時刻や集合場所の段取りが決められた。蛮族鯖は2023年の『超常現象記録-エリア0063』でも活気を見せていたが、その片鱗を垣間見ることができた。

昼休みにチケットを押さえ、残業を10分に抑え込み退勤。Wikidotアイコンのエスチングハンマーを会場に持ち込むわけにもいかないので、この時までに名札をMSゴシックででも用意しておこうと思っていたが、怠惰が勝ってしまった。勤務中から一層強化した防寒着に身を包んで在来線と新幹線とを乗り継ぎ、5時間ほどかけて深夜の東京駅に辿り着いた。

道中はやたらと登場人物が入り乱れる読みかけの海外バイオSF小説を読んでいた。上巻の終わり頃から未知の核酸分子を遺伝子の本体として持つような、LUCAとの祖先-子孫関係を共有しないであろう影の生物群が登場し、面白くなってきたように思う。ただ、SCP創作の参考とするには既にSCP-1341-JPを書いているため厳しい面がありそうである。

山手線に沿って1駅あたりおよそ1件の快活CLUBが位置していることは道中に検索して把握していたので、銀座の店舗に転がり込んでシャワーを浴びた。銀座と言えば『シン・ゴジラ』の内閣総辞職ビームで焼き切られたイメージが最も強かったが、歩いてみると大通~すすきのにかけての街並みを彷彿とさせる雰囲気があった。

さて一夜を明かすと、集合場所に指定された浜松町駅付近まで徒歩で向かうことにした。せっかく東京まで赴いたので国立科学博物館(SCP-3173-JPの舞台の一つでもある)やインターメディアテクでも覗いて行こうかと思いもしたのであるが、いかんせん不慣れな土地ではあるので、あまり時間を浪費しないよう観光は最低限度のものとした。

「こちら東京中央、トクラフェインに攻撃されている」

浜松町駅に向かう途中に新橋の高層ビル群が並んでいるが、ここはイギリスのSFドラマ『ドクター・フー』で敵性地球外生命体トクラフェインの攻撃目標に指定されたことがある。何万何億という金属球が上空を飛び交う様は、まさに我らがハロルド・サクソンによる威風堂々とした100兆年帝国の開闢を想起させる。マスター統治下の地球に想いを馳せながら、聖地巡礼を済ませて浜松町駅に向かった。

なおトクラフェインが初登場を果たした『ドクター・フー』第3シリーズ「鳴り響くドラム」は、かのSCP-173の元ネタ筆頭候補としても名高い嘆きの天使の初登場回「まばたきするな」の2週間後に放映されたエピソードでもある。東京という土地を一つ取ってみても、こんなところにも怪奇創作同士の数奇な繋がりがあるものである。

蛮族の集会までにはハプニングと呼ぶには矮小なイベントがいくつかあった。ネット記事で確認した浜松町駅北口のコインロッカーをあてにしていたら既に撤去済みであったり、飲み物を買いに入ったコンビニで不意にモスキート音をくらわされたり、突然道を尋ねて来た外国人に対しDW熱の高まりからか "Sorry, I'm (an) alien". と返したりしつつ、なんだかんだで集合場所へ向かった。Googleマップを開くと東京都港区と記載があり、ここが噂に聞く港区女子の港区なのかと関心を持った。

オドロキ!これが蛮族鯖だ

エスカレーターで昇って11:20過ぎごろに集合場所へ着くと、10代後半~20代前半程度であろう人たちがたむろしていた。何かの間違いがあって声かけ事案として警視庁に連行されてはいけないので蛮族鯖のスレッドの動向を確認すると、Mikukaneko氏やChildream氏が既に到着しているようであった。目の前にいる集団が蛮族であるという確証が得られた。

集合場所。無人であった10:30ごろには到着していたが、便意を催したため一時撤退していた。

MikuKaneko氏は名札を下げていた+普段の言動から容姿を推定しやすかったため容易にこちらからご挨拶できたが、Childream氏については氏からご挨拶いただくまで識別できていなかった。MikuKaneko氏の傍にボブカットの女性が立っていたため、脳内ではChildream女性説が爆誕し、あの数々の冷笑をこの人が……?と途方もないギャップを感じていた。なお、この女性の正体は後にkuromituzatou氏から教えていただいたし、本物のChildream氏は筆者の中学同期のテニス部員に似た爽やかな男性であった。

追放鯖のくじ引きという名の名刺受け取りで+5日分余命を伸ばしていると、Sakapon氏やtukano_ jellyfish氏と合流した。後者は服装をツイートで事前に提示していた(現在削除済)ため発見が容易であった。Sakapon氏にはSCP-192-JPの代替画像の件でお世話になっていたし、tukano氏にはその他の代替画像の件を内々で進めていたので、開口一番に出てくる話題といえばそれであった。こう見ると代替画像の人という認識が板についてきた気もする。
Sakapon氏は普段富豪のような振る舞いをしているため財布事情が割と気になっていたが、どうも普段は倹約しているためここぞという時に捻出できるとのことであった(本当かなあ……)。他方、tukano氏はサイト外で年がら年中猥談に興じているがその実好青年であることも分かった。

拙著を複数本動画化いただいているshino_san氏や、蛮族Tシャツと本体の時計文字盤を装備し一際の異彩を放つOcami氏⸺沢に半袖で乗り込んでいく弊学の先輩アンモハンターを彷彿とさせる容姿であった⸺をはじめ、他の蛮族とも次々に合流した。なお集合時刻に間に合わなかったMAKOdot-氏やterukami氏およびHoojiro_san氏は置き去りにされた。前者2人とは会場入り後に対面できたが、Hoojiro氏はとうとう実体を確認できずじまいであった。

また、蛮族に該当しないもののimerimo氏やmC shrimp氏ともこの時点で顔を合わせている。両名とは作品の批評なり共著なりでお世話になっている(mC shrimp氏のSCP-3200-JPは筆者も楽しくブレストさせていただいた)。特にimerimo氏については今回の収デンに参加しない旨のツイートを拝見していたので、ここで挨拶できたのは大きい収穫であったように思う。

ところで蛮族鯖で集合の話が持ち上がった当時はfour Boretto氏の提案で円陣を組んでスマホの画面を示し合う例の集合写真を撮る予定であったが、入場の過程で列が分断され、自分がこの撮影に加わることはなかった。ちょっと悔しい。

収デン、開幕

ステージ開幕前

免許証を提示して成人であることを示し入場。圧倒的な人数に驚きながらも序盤はkuromituzatou氏と一緒に会場を回り、東大SCP同好会のブースにお邪魔した。とはいえ自分は名刺も名札も用意していなかったので、どことなく花京院典明を思わせる端整なRenerd氏のご尊顔を一方的に拝みながら新刊と総集編を購入するに留まった。なおこの時点では存じ上げなかったが、新刊にはリメイク版の拙著SCP-1767-JPが収録されていた。

なお、この時kuromituzatou氏と「ゆきんこさんの名前出てるのにそれっぽい人居ないですね」「代表して名前貸してるだけなんじゃないですか?」と話していた。放伐自体をここから予見することは不可能であるが、今思えばこの時点で会長の代替わりが示唆されていたということか……。

その後は蛮族各位と離合集散を繰り返し、共著や作品の話をしたり、hitsujikaip氏のブースにお邪魔したりした。また特にお声がけはしなかったが、普段TLで目にするような人物が肉体を持って周囲を歩いていらっしゃるのは不思議な感覚がした。Kuronohanahana氏やTark_IOL氏をお見掛けしたほか、ご挨拶できなかったがsendoh-oroka氏がすぐ傍までいらっしゃっていた。テロリストが来たら本当にSCP-JPを機能停止させられそうである。

Tale朗読

やがてステージが始まるといい感じに人がばらけはじめたので、島を物色して買い物をした。明らかなサイトメンバー以外のブースでは、松氏のざっくりSCP紹介漫画を購入した。松氏の漫画といえば筆者が高校時代後期~学部時代前期の頃によく読んでいた作品でもあり、初心というほど初心でもないが、ある種ノスタルジーに浸りうるものである。

また、松氏のブースと合同で販売されていた衣類も購入した。Dクラス職員のTシャツとツナギで迷ったが、ツナギがコスプレ判定されそうなのに対し、Tシャツは普段使いもできそうなのでこちらにした。後日肌着が見当たらなかった際にとっさにDクラスTシャツを着用して外出したが、それを忘れて帰宅して上を脱ぐとド派手なオレンジ色が露出して驚いた。DクラスのDはDohadeのDなのであろうか。

ステージで披露されていた最初の演目はTale「かたみのみず」の朗読であった。朗読者は末次由布子氏で、TLを見る限りでは氏の活動を知らなかった者もいらっしゃったようであるが、れっきとした本職の声優の方である。財団界隈ではYouTubeアニメ版『運命の巻戻士』での出演がパブリックイメージとして強いかもしれない。

Tale朗読について私的な感想をTwitter上に載せていたところご本人から捕捉していただけたが、筆者の主観では、やはりYouTube漫画『ヒューマンバグ大学』に登場する女装ヤクザである香月紫苑の演技が印象に残っている。数々の極道組織や半グレ組織への潜入・諜報・暗殺を得意とする人物設定であり、その潜入芸の幅広さはそのまま芯の通った末次氏の演技の広範さを如実に物語っている。

なお『ヒューマンバグ大学』に関して、筆者の推しは半グレ組織「羅威刃」大将の城ヶ崎賢志である。末次氏は城ヶ崎の幼少期や、また彼の母の声も担当している。今回のTale朗読を経て末次氏の出演作を他にも知りたいとお思いの方には、香月紫苑の登場する天羽組シリーズはもとより、城ヶ崎の登場する京極組シリーズ(京羅戦争編)の視聴も推奨したい。

なお、この時間帯にeringiumexe氏、aisurakuto氏、yzkrt氏のお三方に立てつづけに(というよりも同所的に)お会いしている。

eringiumexe氏に至っては直前に筆者のツイートをご覧になっていたそうで、タイムリーな対面となったようである。トリケラトプスの頭蓋骨は身に着けるアイテムとしては異様に目立つため、名札以上に識別が容易で助かった。氏は拙著SCP-1394-JPの設定固めに際してご尽力いただいたほか、拙著「ウツボは死んで、腐って朽ちて、朽ちさせて。」をきっかけに財団界隈にお戻りになったというありがたいお言葉をいただいており、一度お会いしたいサイトメンバーの一人であった。

ところで、こうしたインターネット上で関わりのある人物と会う際、よく起こり得るのは年齢のギャップであるように思う。今回に関してはaisurakuto氏がそうであった。普段お見掛けする洗練された批評文や言動から勝手に自分よりも+5~+10歳前後上かと考えていたが、実際にはそう年が離れていないことを知って意外に感じたものである。氏からはeringiumexe氏と併せて「サンドボックスIIIの治安を守っている人たち」とありがたいご評価をいただいた。

yzkrt氏はSCP-3983-JPのプレートを持参されていたので、その件で持ち切りとなった。実は筆者もアンソロジー「SCP漢字ドリル」のDiscordサーバーに数ヶ月だけ在籍していたため、サキュバスの構想が上がって来た様子やSanks269氏への許可取りの過程は筆者も見ていた。やはり制作過程を目にして成功を確信した作品が爆発的な評価の伸びを記録していると感無量である。
(そういえばTutu-shには明らかな著者人事が存在しないが、この場合はSCP-JP上で公開した任意の作品のオリジナル登場人物が「諸事情」の対象になるのであろうか?)

問答部門

Tale朗読以降のステージ企画は、サイト上の活動やサイトメンバーに焦点を当てたものが続いた。問答部門によるクイズ企画は、所謂SEXTANK+αを執筆した経験があったためオブジェクトクラスの問題まで順調に答えることができた。しかしサイトメンバーならまま分かる水準の出題とタカを括っていたところ、SCP-173の評価が流石に+1万を超過していると考えていたためそこで誤答となり、比較的早々に撃沈してしまった。

その後も興味深い出題がいくつかあった。例えば、Twitterアカウント「あやふやSCP」が言及された。筆者も過去に一度だけ利用したことがあるが、液晶の壁越しでしか触れない事物を対面で耳にすることには何とも奇妙な感覚を覚えるものである。なお筆者がDMに投げたあやふやはSCP-CN-2304であり、iti119氏により2分程度で分殺されている。氏が夜な夜なみんはやのSCPクイズで上位に食い込んでいるのを見ていると、むべなるかな、と思わずにはいられない。

また画像クイズでSCP-1283-JPも出題された。SCP-1283-JPは筆者が非サイトメンバー時代から愛する記事の一つであるが、2023年3月に画像が差し替えられている。こうした画像差し替えは以前から日本支部オリジナル/他支部翻訳を問わず進められているが、最近のSCP-JPでは画像差し替えキャンペーンが開催されるなど、画像差し替えが急速に進んでいる。これは画像の代替を肯定的に捉えるルール整備が行われ、また、代替画像捜索サーバーが設立されたことが要因として大きい。

なお、筆者は2024年以降制度を悪用するかのような勢いで代替画像を提案しているが、当該Discordサーバーの発起人および管理者は筆者でなくMatcha_tiramisu氏である。もし自分も代替画像でクリーンかつ視覚表現に富むSCP-JPを創りたいとお考えの者がいらっしゃれば、氏に連絡されたし。

地下東京よりニクデンシャが出題されたことも印象に残った。筆者は勝手にトレインイーターのような風貌で空想しているが、地下東京に登場する生物群は『メイドインアビス』『デルトラ・クエスト』に登場するような奇妙奇天烈なクリーチャーが跋扈しており、非常に蠱惑的な世界設定であるように思う。特にcarbon13氏のTale「ニクデンシャ属の種間形態的差異から見る進化概念歪曲現象の圧力」はinterestingの意味での面白さが多分に込められており、必読と言えよう。

そして決勝進出者4名のうち3名が会場にざわめきの起こるサイトメンバー(うち2名がサイトスタッフ)であったことも、世間の狭さというか、サイメンの「生身」を感じられて良かったと思う。逆にサイトスタッフや有力翻訳者に肩を並べて決勝に進出できた非サイメン⸺少なくともWikidotアカウントを公言しなかった方も相当な猛者であった。

棍棒コン閉会式

クイズ大会が終わった後は棍棒コンの閉会式が執り行われた。筆者は棍棒コン不参加であったため遠巻きに見ていたが、コンテスト入賞者が全員会場に集まっていたことには驚いた。

ここ好き

2024年11月下旬~12月はリアルタスクに一区切りついたこともあって批評ブーストがかかっていた時期にあたり、ほぼ12月の批評のみで追放鯖での余命を約2年に延長していた。棍棒コンの金賞SCP-3982-JPと銅賞SCP-1539-JPはともに筆者も批評を寄せた作品である。既に秀逸な作品として完成されていたとはいえ、自身がコメントした作品が高く評価され成功を収めている光景はこちらとしても喜ばしさを覚える。
銀賞のSCP-3774-JP(および表彰対象でないがSCP-3562-JP)は批評者としてタッチしていなかったが、鬼のような勢いで追い上げていく様に感嘆した。

他方棍棒コンには参戦していないものの、筆者はsolvex氏をして「ナイトメアカブトガニが棍棒らしい記事ってことでいいですかね」と言わしめたSCP-1397-JPを昨年11月末に投稿している。要注意団体の言及や超常科学の登場があるため厳密な意味で棍棒コン参加資格を満足してはいないのであるが、フォーマットスクリュー等の無い所謂ステゴロ的棍棒の雰囲気を感じたい者にはお勧めしておきたい。

また棍棒コン閉会式の頃にMitan氏とご対面した。女装姿でのご参加ではなかったが(会場内を歩いていらっしゃったゴスロリ姿の方は別人でおそらくyanyan1氏)、普段Twitterに上げていらっしゃる容姿の面影は確かにあった。かつてNHK総合で放送されていた恐竜SFドラマ『プライミーバル』は恐竜・古生物界隈でこそ体感視聴率が50%に上るが、界隈の外に出てしまえばその知名度が各段に落ちてしまうので、こうして対面で話題にできる機会に恵まれているわけでもない。

とはいえ財団界隈であれば今回参加なさっていたRenerd氏、不参加のようであるがKasugai_Kanagu氏、またENのOzzyLizard氏のように視聴者が散見される印象がある(Renerd氏については視聴者でいらっしゃる旨のカミングアウトがDr_Neer名義であったため昨年まで失念していた)。特にOzzyLizard氏のSCP-5745はモロにプライミである。そう思うと比較的視聴者が少なくない界隈ではあるのかもしれない。

一時『ドクター・フー』に比肩したイギリスの名作SFドラマは今後とも広く普及を目指していきたい。両番組はともにHuluで視聴可能である。

学S選開会式

棍棒コンの閉会式に続き開幕したのは、「全日本学生SCP選手権大会」の開会式である。本大会には筆者もOB枠で参加しており、あと1年ズレていれば正式な参加基準を満たす同好会会員として参戦できたことを惜しく感じる。ただしその場合、自分が今回のように収デンに足を運べなかったのではないかとも思う。

開会式は何も知らされていない名誉会長をはじめ非常に笑いに富んだものであり、名古屋大学hitsujikaip替え玉事件や東京大学Renerd撲殺事件には大いに笑わせていただいた。開会式を利用して同好会の会長交代を告知する手腕には舌を巻いたし、放伐を経て会長に就任したSnowy_Yukinko氏が禪院真希のような容姿であったのは心底意外であった。なお、祝電にて然るべき処分を望まれていた不穏な空気を纏う名大の替え玉は最終的に野放しにされた。

さて、筆者の所属する北海道大学SCP同好会もこの選手権大会に参加しており、エントリー順に準拠して開会式のスライドで各大学同好会のセンターを飾った……が、実は一昨年より会長が非アクティブ化しておりほぼ死に体である。今回の収デン用にロゴマークの高解像度版を求められた際は生データ保有者とただちに連絡が取れないため、Twitterアイコンからダウンロードして取得したという裏話もある(せっかく洗練された御洒落なオオバナノエンレイソウの意匠なのに!)。

北海道内大学間SCP同好会からリバイバルした本同好会であるが、やはり関東や関西のような特大都市圏と比較すると維持が難しいのかもしれない。今回の大会参加はFly-R氏の同好会加入および参戦意思表明によるものであり、氏が不在であれば本同好会の大会参加は実現しなかった可能性が大いにある。

思い返せば現状3年3ヶ月ほどサイトでの活動を継続してサイトの内情もある程度把握している筆者が同好会の設立者となっても良かったのかもしれない。しかし当時は学内のサイトメンバーの目星がついていなかったし、身の回りに居るSCPファンもサイトメンバーになるほどの熱量を持っていないようであったため(筆者のWikidot垢を特定するレベルで新着記事を漁っているのに?)、やはり結果論にはなってしまう。うーんままならない。

とはいえ会長が不在であるだけで、サイト上でアクティブに活動している会員も居る。門戸は常に開かれている。学S選開催期間というこの機会。もし基準を満たす参加希望者や興味のある方がいらっしゃれば、上記のTwitterアカウントでなく、確実な同好会メンバーに連絡される方が確実である。現状大会に参戦中のFly-R氏とwavekey氏はアクティブであろうし、当然筆者もそのつもりであるので、何かあれば気軽にご連絡をいただければ。

Wibbly-wobbly, Timey-wimey

このnoteを執筆しているうちに時空軸が分からなくなってしまったサイトメンバーとの対面があったので、ここで記しておく(このような不定的時間の様を『ドクター・フー』用語では「タイミーワイミー」と呼ぶ)。おそらくはTale朗読前後か棍棒コン開会式の頃合いと思うが、いずれにせよ筆者がステージ前から離れていた時間帯にeggplantisnasu氏とGenryu氏とにお会いしている。Genryu氏は収デン5の時から陰キャを自称なさっていたが、傍目にはそうと思えない流暢な方であった。

互いの著作や作風の話のほかに、筆者はGenryu氏主催個人コン「映画のコンテスト」にTale「氷の上の怪物」を出品していたためその話題も振っていただけた。「氷の上の怪物」のタイトルとURLは『ドクター・フー』S10「氷の下の怪物」(原題:Thin Ice)に基づいているが、Taleの一部分は人類の宇宙的起源を探るSF映画『プロメテウス』をオマージュしている。このため映画コン参戦の際には『プロメテウス』を題材映画として挙げ、氏にも視聴していただいていた。

『プロメテウス』といえばエイリアンシリーズの前日譚にあたり、そして当該シリーズは昨年に最新作『エイリアン:ロムルス』が公開されている。『エイリアン:ロムルス』で描写された無尽蔵なまでの俊敏なフェイスハガーの群体は、先述した拙著SCP-1397-JPでも描写の参考になっている。

Genryu氏は『プロメテウス』のみ、eggplantisnasu氏は『ロムルス』のみの視聴済みということであった。そのため重大なネタバレを避けたが、『ロムルス』は『プロメテウス』含む全てのエイリアンシリーズの長所を回収した良作であり、逆に『ロムルス』を出発点として既存のエイリアンシリーズを楽しむこともできるであろう。

公開年こそ詳細に報じられてはいなかったが『エイリアン:ロムルス』は続編制作が決定しているし、また本年夏にはDisney+でドラマ『エイリアン:アース』が配信予定である。同じくDisney+で独占配信中の『ドクター・フー』新シリーズと共にエイリアンシリーズも楽しみ、また創作の糧としたい所存である。

遥かなる旅路 さらば友よ

元の時空軸に話を戻そう。学S選の開会式を見届けた後、筆者はimerimo氏と合流してアフターに参加した。そもサイトメンバーのオフ会を主目的として収デンを捉えていた筆者は、ここでアフターとは何かをimerimo氏からご説明いただいた。「ああ前回TLやオプチャに流れて来たじゃんけんがそれか」と、点と点が線で繋がる感覚があった。

imerimo氏とは(今回対面することのなかったiti119氏やeagle-yuki氏と共に)2022年のキメタマコンFinalでチーム「クアドラプルギヴァー」を結成し、パズルのSCP報告書を投稿したところ低評価削除に沈んでしまった過去がある。投稿当時クリスクロスに興じる蛮族たちの様子を見る限り話題作りに成功したようであるが、削除されてしまったものは仕方ない。リベンジ構想をimerimo氏との間で整理しつつ、アフターの開催を待った。

景品は東大同好会の放伐ハンマーほかを狙っていたのであるが、結局決勝に進出することなく、imerimo氏とMitan氏との間で劣敗を喫し続けていた。imerimo氏は梨氏の本を勝ち取っていたし、Mitan氏も景品こそ手に入らなかったものの決勝に一度進出していた。すげ~。

アフター後は大遅刻してきたGW5氏に借りていた小説(筆者が昨年札幌で借り、また先日新幹線の中で読んでいたものである)を返却し、また氏をMakodot-氏に引き合わせた。GW5氏はMusibu-wakaru氏に収デン関連スレを立てさせて自らは使用しなかったり、収デン不参加のKABOOM1103氏に通知を飛ばして現況を尋ねていたり、問答部門のクイズを聴講中の筆者に電凸してきたりと、連日大暴れしていたように思う。

他に挨拶したいサイトメンバーも幾人か居たが、そろそろ帰路に向かわねば明日以降大変に響くということで、速やかに撤収することにした(スムージーさん、ゆきんこさん、itiさんはまた今度の機会にお会いしましょう)。23時前には家に辿り着き、いただいた名刺や戦利品を眺めて非日常感の残光を味わい、また学S選参戦記事の闇寿司ファイルを投稿してから就寝した。

さて、収デンから数日が経った今、特にサークル参加者の間で疲労からか体調不良者が続出しているらしい。筆者はマスクを着用していたこともあって無事である。流石に計10時間前後に及ぶ電車移動を経て平生よりも体が重く感じはしたものの、港区とはかけ離れた雪の積もった山奥でどうにか藪漕ぎできる程度には元気を残している。体に十分注意した上で、また次回も集まることができれば幸いである。

P.S. 次は連休がいいな!

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