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マイケル・ポーターに学ぶ個人(会社員)レベルの基本戦略


星野リゾート社長・星野佳路さんが「一番大事な教科書」「(ビジネスにおける)相対性理論に近いようなもの」と評するマイケル・ポーター氏の競争戦略。

今回はこの考えをベースに個人(会社員)レベルの基本戦略について考えてみようと思います。

マイケル・ポーターの競争戦略について

まずこの競争戦略を実践することでどうなるのか?
この実践によって、コモディティ化に埋没しない独自の姿を手に入れられると星野さんは紹介されています。
具体的には、大きく下記の3つのステップを踏むことが必要です。

Step1.生産性のフロンティアを達成する

業界水準でやるべきことをしっかりやっていること。
(例)コーヒーショップやカレー屋さんでまずいものを出してはいけない。ある程度美味しいものが出てきて当たり前。
   自動車は故障しないものを出して当たり前。

Step2.トレードオフを伴う独自の活動を選択する   

(この部分が一番大事な概念)
このトレードオフを伴う選択こそが競争力につながります。
例えば、青森の旅館を経営するにあたって、津軽弁や津軽三味線などのサービスを提供しても、それはリスクなく同業他社も真似ることができるものになるのでトレードオフの選択とはならず、本来の競争力にはつながりません。

では、星野リゾートの場合のトレードオフを伴う活動は何か?
下記のようなものを紹介されています。

冒頭pivot動画より

例えば「運営特化」をする星野リゾートの業態は機動力は上がりますが、「所有を手放す」というトレードオフが発生します。
また「フラットな組織」を作る場合は、トップダウンの指示系統のような「伝統的な組織」を手放すことになります。
つまり、一つの選択をすることで、他の大きな何かを手放さざるを得ないというトレードオフを迫る選択を敢えて選ぶということです。
「真似てはいいけど、それなり失うものがありますよ」という選択が同業他社との差を生み出します。
※中途半端ではなく、徹底することの大切さも強調されています。

Step3.活動間にフィット感を生み出す

上記の複数のトレードオフの選択の後に、それらの活動のフィット感を生み出すことで、更なる独自性に繋げていくことができます。
つまりそれぞれの独自に行ったトレードオフを伴う活動が強め合う関係性を作るということです。
例えば、星野リゾートの場合は「運営特化」であるからこそ展開スピードが速く、「Branding」もしやすく一般への認知度も高められる・・・という状態になっています。
それぞれのフィット感ができることによって独自性が増し、誰にも真似られない状態、つまり競争力につながるということになります。

個人レベルへの応用

さて、上記を踏まえ、会社員として講演会エージェントをしている私自身の個人レベルに置き換えて分析してみようと思います。

Step1.講演会エージェントにおける生産性のフロンティア

これは1万時間の法則を考えるとわかりやすいです。
カナダの心理学者アンダース・エリクソンの研究に基づき、マルコム・グラッドウェルの著書『アウトライアーズ(Outliers)』にて紹介されてる「努力を積み重ねることが成功の鍵」という考え方を示す有名な理論です。
例えば、私の場合は講演会エージェントとしての仕事に関しては12年間以上、第一線で活動し続けていますが、「1日8時間×20日間×12か月×12年=約2.3万時間」はこの仕事をしていることになりますので、クリアと言えそうです。
※この理論の場合、大体5~6年やっていれば一人前というところでしょうか。

Step2.トレードオフを伴う独自の活動を選択する

こちらに関しては、私の場合下記になると整理しております。

YouTubeでの講師インタビュー⇔黒子
司会・MC・講演活動⇔黒子
出版・執筆活動⇔黒子
会社員⇔独立・起業
専門職(スペシャリスト)⇔管理職(マネージャー)

YouTubeでの講師インタビューをすることによって、顔出しや発言に責任が伴いますし、スキルアップのための時間を使うことになり、時間的にも不利な部分が生じます。本来のエージェント業務である”黒子”でありつづける場合はこのリスクは伴いませんし、トレードオフの考え方ができます。
司会・MC・講師活動にも同様に考えられます。
他にも会社員であることは、独立することとトレードオフであり、専門職(スペシャリスト)と管理職(マネージャー)に関してもトレードオフの関係性となり得ます。

Step3.活動間にフィット感を生み出す

そして次に、これらの活動が強め合う関係性について考えてみます。
例えば、私の場合、YouTubeインタビュー活動が、司会・MC活動につながっていますし、強め合っていることを実感しております。(YouTubeインタビューの実績があることで、登壇の機会につながるといった状態です)
他にも、会社員であることが書籍出版タイトル「会社員にしかできない最高の働き方」につながっています。
上記は一部ですが、振り返ってみてもそれぞれの活動間の高め合いが少なからず表れていると感じております。

個人レベル分析の効用

私自身、上記の分析をすることでモヤモヤが大きく解消されました。
まだまだインパクトは小さくても方向性としては間違ってないと思えたからです。
これらの分析は個人レベルに落とし込めるので、誰にでも応用できると確信しておりますし、人と比べないオリジナルな道を探すきっかけにもなると思います。
是非試していただけると幸いです。

今後も「会社員にしかできない最高の働き方」の内容に付随した情報発信をしてまいりますので、参考になりそうだなと感じられた場合はスキやフォローいただけると幸いです。
(少なくとも月平均1記事は公開していきます)

マイプロフィール:土橋昇平











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