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謝る姿勢──年齢や立場を超えて持ち続けたいもの

「すみません。」
日本では、この言葉を一日に何度も耳にします。
ちょっと肩がぶつかったとき、道を譲ってもらったとき、レストランで注文を間違えたとき。
ときには「ありがとう」の意味で使われることもあります。

日本人は比較的、謝る文化が強い国民性を持っています。
実際、国際比較でも日本人は他国と比べて謝罪の頻度が高いというデータもあります。
例えば、統計数理研究所の『アジア・太平洋価値観国際比較調査』では、日本人の謝罪の頻度が他国と比較して高いことが示されています。
また、労働政策研究・研修機構の『データブック国際労働比較2024』でも、日本のビジネス文化において謝罪が重要な役割を果たしていることが指摘されています。

一方で、何でもかんでも謝ればいいわけではありません
必要のない場面で謝ることは、むしろ自分の価値を下げてしまうこともあります。
しかし、誤りを認めるべき場面で謝ることができないのは、もっと問題ではないでしょうか。

年齢を重ね、立場が上がるほど、プライドも高くなりやすい。
それが「謝れない人」を生み出してしまう原因になっているのではないかと感じます。


1. 年齢や立場が上がるほど、謝れなくなる?

仕事をしていると、年齢や役職が上の人ほど謝らない場面に遭遇することがあります。
「舐められたくない」「威厳を保ちたい」そんな気持ちが先行し、素直に謝れないケースも少なくないでしょう。
しかし、明らかに自分がミスをしたのに言い訳ばかり並べたり、曖昧な表現でごまかしたりするのは、逆効果ではないでしょうか。
逆に、立場がある人こそ、素直に謝れることで器の大きさが伝わることもあります。
「すみません、これは完全に私のミスでした。」 たったこれだけの一言で、相手の気持ちは変わります。

謝ることは負けではない。 むしろ、それによって信頼関係が深まり、より良い関係が築かれることの方が多いと感じています。

2. 謝ることで関係性は長期的に良くなる

短期的に見れば、「謝らなくても何とかなる場面」はあるかもしれません。 しかし、長期的に考えると、謝るべきときに謝れるかどうかで、関係性は大きく変わってきます。

例えば、仕事の場面で自分がミスをしてしまったとき。

  • きちんと謝り、すぐにリカバリー策を伝える人

  • 言い訳ばかり並べて、自分の非を認めない人

どちらと一緒に仕事をしたくなるでしょうか。

謝罪ができる人は、結果的に「誠実な人」として信頼され、そして、信頼される人には、また仕事が巡ってきます。

3. 日本と海外の謝罪文化の違い

日本人は、海外と比べても謝罪の回数が多いと言われています。
例えば、英語圏では「I’m sorry」は日本の「すみません」ほど頻繁には使われません。
特にビジネスの場面では、「謝る=責任を認める」と解釈されることが多く、安易に謝罪しない傾向があります。
一方、日本では「謝る=関係性を維持するための潤滑油」と考えられることが多い。
どちらが正しいという話ではありません。
しかし、国際的な仕事をする際には、この文化の違いを理解しておくことも大切かもしれません。

4. 謝るべき場面で、素直に謝るために

謝罪には、いくつかのポイントがあると感じています。

① 余計な言い訳をしない

謝るべきときは、まず謝る。 「でも」「だって」と続けてしまうと、せっかくの謝罪も言い訳のように聞こえてしまう。

② 相手の気持ちを想像する

自分のミスによって、相手がどんな気持ちになったか。 それを理解しようとするだけで、伝わるものは変わってくる。

③ 具体的にどう改善するか伝える

「申し訳ありませんでした。」だけで終わるのではなく、「次からはこう改善します」と伝えれば、相手も安心できる。

5. 謝ることは、自分の価値を下げることではない

謝ることで自分の価値が下がると考える人もいるかもしれません。
しかし、実際にはその逆ではないでしょうか。
「この人はちゃんと誠実に対応できる人だ」と思ってもらえれば、むしろ評価は上がる。
そして何より、自分自身が成長できる。
謝ることができる人は、自分の非を認め、そこから学び、次に活かすことができる人でもあります。

長期的に見れば、謝ることを恐れない人の方が、より良い関係を築いていけるのではないでしょうか。

最後に──あなたは、素直に謝れていますか?

仕事でも、日常でも、誰でも完璧な人はいなくミスをすることはあります。
そう考えると、謝る場面は意外と多いですよね。
そんなとき、余計なプライドや遠慮を捨て、素直に謝れるか。
それが、自分自身の成長にもつながるのではないかと感じています。

あなたは、最近素直に謝れていますか?

≪参考≫「謝罪」に関する講演会の講師

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マイプロフィール:土橋昇平




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