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バーズが好きです。ジーン・クラークも好きです。
今回もザ・バーズ関連ミュージシャンのCDを取り上げていきます。
第二回目はジーン・クラークの”To Sides To Every Story”(邦題:寂しい土曜日)です!!
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バーズの簡単なおさらい。
バーズはリードギタリストのロジャー・マッギンとリズムギタリスト、デヴィッド・クロスビー、そして、今回の主役である、リードボーカルのジーン・クラークによって結成されました。
メンバーチェンジの多い、バーズから最も早く脱退した、このハンサムな男はソロやコラボレーションといった形で音楽を作り続けます。ちなみに、バーズ脱退の理由は飛行機移動が嫌いだったからだとか。(本当かな?)
さて、本作「寂しい土曜日」は彼の何枚目かのソロアルバムで、1977年に発表されました。
1977年。
パンクが大爆発した年であり、ライナーノーツによれば、イーグルス「ホテルカリフォルニア」の大ヒットの年でもあったそうです。
そんなドラスティックな時代のムードに、素朴なカントリーロックとシンガーソングライター的なフォークロックで構成された、このアルバムは見過ごされてしまったそうです。ようするに、チャートインしなかった。売れなかったらしいです。
うーん、ちょっと今回、史実的なライナーノーツ的な前置きが長いっすね。
自分の言葉で語ってこその音楽鑑賞文だろうに。こっから、ギア入れてきます!
アルバム一曲目は軽快なカントリーロック、「ロックンロールのホームラン王」から始まる。
マンドリンかな?このテケテケした、いかにもなカントリーのフレーズには、ノリノリになるっきゃないっしょ!
4曲目はスワンプロック、「なつかしのカンサスシティサザン号」。
カントリー好きもスワンプ好きも、プライマルスクリームの「ロックス」好きもノッてくれい!この濃いギターを弾いているギタリストはジェリー・マギーって人らしいっす。
あとは・・・
うーん、全体的にしみじみモードですね。
メランコリックって感じよりも、生きてりゃそういうこと、あるよね・・・みたいな。
このしみじみフォークロックにハマれるか否かが、アルバムの是非を左右するのかも。
僕は半々かなあ。
このモードで一番好きな曲は6曲目の「シスタームーン」。サビの合唱にグッとくるんすよね。
ジーン・クラークといえば、バーズ「すっきりしたぜ」のような、さわやかギターポップの作曲者って印象があるんですよね。彼のソロでもそれを求めていたのかも。
でも、このアルバムに収められている曲達は、1977年という時代には無視されたのかもしれないけれど、裏を返せば、私小説的な、時代に左右されないオーセンティックな魅力があるともいえる。
さっきは半々と言ってしまったけれど、長く付き合えるアルバムになるんじゃないかな。
しみじみしたフォークロックやSSW系が好きな人、それからR.E.M.のファンもグッとくるアルバムなのではないでしょうか。