根底に流れる大切なものを忘れていた
「おっさんずラブin the sky」の話ばかりなのだがフォロワーになっていただいたヒカルさんの記事を読ませていただき、あぁそうだったと思い出した。
次男は私がハマるこの世界観についてこられず(ついてくる気もないらしいが)
まわりにこんなにホモがいたら嫌だな
と言う。男子校なので
学年で何人かはホモがいるんだろうけど分からないよね。
そうだった。マイノリティ問題。
この作品の日常の中ではマイノリティを理解出来る人がいる中では自由に呼吸しているシノさんと成瀬くんだけど、普通の日常(職場)ではそのボリュームは押さえられている。
その辺の説明はほぼなく話は進められているけれど、彼らは自分のセクシャリティのことを周囲にあえて認めて貰うような行動はしない。
そんな中で気持ちから入る恋愛を望むシノさんがいつも片思いだと言うのは理解出来るし、ワンナイトを楽しむくらいの割り切り方をしないとならなかった成瀬くんの気持ちも分からないでもない。
前回の作品ではその辺りを照らしていた部分もあったが今回はあえて何も言わないで進めている。
主人公はノーマルな自分だと思っていた最初があり(ひなちゃんと付き合おうとする)その後自分の感情が同性に、向いていることに気がつく。
執行役員の獅子丸は
男でも女でも関係なく恋愛できる、人間を性別でくくらないオープンな人だからかシノさんと成瀬くんがマイノリティであることに気がついている様子だ。
「おっさんずラブ」をただのBL作品にしないように制作者側は細部に注意しながら、ともするとダークな部分を描かなければならないときも、さらりと軽いタッチで流している。
隠すわけでななくそのボリュームを絞ってるのだ。
そう考えると今回の春田の、心の変化を驚く人たちが多い中で、性別を越え、年齢や見た目も越えて人間性を好きになる春田の心の成長もまたあの場に言われていないがあったのだろう。
確かに今回の黒澤武蔵はかっこいい。
乙女な自分もいて、それを認めながらそれよりも大きな愛でみんなを包んでしまう。周囲のことを考えている。
自分の感情を誤魔化さず素直に受けとる。周囲にも言っている。
周りとの関係の中で、自分の巻き込まれていることにも真摯に受けとれと言っている。
相撲の場面で
目の前にあるものをひとつづつ逃げないで真面目に受けてきた春田には何も言うことがないと言うのはうなずけることだ。
Twitterを見ていてただのBLものと勘違いしている感が否めないのが少し残念に思うけれど、この作品の作り手のいいたいのはきっとそんなことばかりではない様に思う。
だから最後に主人公が黒澤武蔵を選んだと言うのは突然のようでそうではなかったのかもしれない。
すっかりマイノリティ問題を忘れて見方を間違えていた自分の反省のために書いている。
気がつかせてくれたヒカルさんの記事を貼っておく。
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