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梅の香りまでまだ時がある

漢詩を読んでいる。先日の文フリで購入した、橋本左内の漢詩をまとめた書籍だ。
家で読むときは音読している。漢詩は音読すると楽しいよねと思っている。高校の授業で、漢詩を声に出して読むのが好きだった。気持ち良くない?

さて、この本は花についての漢詩をまとめている。殊更、梅の花が多い。手折った梅の花を生けて、香りを楽しむのが好きな御仁だったようだ。(一枝の香りで春そのものを感じるぜ〜みたいなことをよく言っている)

ここで好きな漢詩を一部抜粋して紹介したいと思う。(良かったら全部読んでね)
佐内が26歳の時分の詩だ。26歳で処刑されたので最晩年の作になるわけだ。若い。

墨堤誰人跨紫騮
(墨堤誰人ぞ紫騮に跨る)
飛雪於花如報怨
(飛雪は花に於けるや怨を報ゆるが如く)
嫩寒與我有何仇
(嫩寒は我に与ふるに何の仇か有らん)

「隅田川の土手を立派な馬に乗って花見しているのは、どういう人等であろう」
「吹雪は花に対して怨みを持っているかのように舞い」
「うすら寒さは私に何の仇を返そうとするのだろう」

先日、久々に愛車で首都高速道路を走った。都心の真ん中をぐねぐね走るのは楽しかった。そして前を走る車、並走する車、後ろから追い越してくる車が、軒並みお高そうな車で少し恐れ慄いた。レクサスやらテスラやらベンツやら。黄色いナンバープレートの自分は恐縮してしまう。そんなお車に乗っている方々は、いったいどんな方等なんだろう。どんな仕事をしているのだろう。
やがて目的地に到着し、車を降りて歩いたのだが、その日は風が強かった。日差しは暖かいが風が冷たい。近頃はどんなに着こんでも身体が冷えて困っている。食欲が減退して寝てばかりの日々を過ごしているので筋力が低下したのかもしれない。季節が私に優しくない、暖冬だって言ってたのに、と理不尽な愚痴が口をついたが、受け取り手がいない愚痴が空中を舞って風に吹き飛ばされた。行ってらっしゃい、愚痴ーズよ。

というのを思い出した漢詩だった。という日記を長々書いている私は今、薄青のカラコンをして赤いオフショルを身につけ、ついさっきメンクリの診察が終わったのでカフェで一息入れている。
コスプレのように毎日違う系統の服を着ているのだが(寝てるだけなのに)、ギャップが欲しいのかなあと自己分析していた。でもなんというかしっくりこなくて、兎にも角にもチグハグな毎日を送りたいと思う。好きなアクセサリーや服を揶揄ってくる人達は私の中では死んだので(死んだことにしている)、好きに生きようと思う。
私が好きに生きている合間に、福祉の仕事をしている現場の人たちに想いを馳せる。他の仕事も。そのあたりの整合性が、まだ自分の中についていない。整合性をつける必要もあるのかないのか。


いつもながらに思いつくままに綴ってしまった。
上述の漢詩は前川幸雄さんの「橋本左内の漢詩 -花に寄せる想い-」から抜粋させていただいた。前川幸雄さんという方は、昨年、86歳で博士号を取得した中国文学研究者の方だそうだ。
すごい。

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城主ペネロペ
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