見えチヌ釣りに行こう ~エサ捕りと長期保管する方法~
はじめに
チヌを釣る為のカニなどのエサを購入せず、現地で捕って釣る方法をご紹介します。
たとえば、毎月1回釣りに行く場合、その際に干潮で次回の釣行に使用するカニを捕獲して持ち帰り、1ヶ月以上保管することで、次回の釣行時にカニを使用できます。
これを繰り返すことで、カニの購入や釣り店への立ち寄りが不要となり、結果として費用を削減し、釣行時間を短縮できます。
また、落とし込みやヘチでは、潮位がある程度高くないと釣りが難しいですが、前打ちは干潮時に水深が15cm程度のところにいるチヌも狙えます。そのため、日の出頃に干潮になる時は、交通量が少ない早朝にエサ箱を持たずに釣行し、カニを捕りながら釣りを楽しむこともできます。
最適なエサ
前打ちによるチヌ釣りで実用的なエサについて説明します。
3年前までは、カニとイガイ(ミジガイ)の2種類を使用していましたが、2年前からはカニのみを使い、年間を通して安定してチヌを釣ることができています。
また、チヌの好物であるカキやフジツボ、アオサ(藻)については、試行錯誤を重ねましたが、実用化には至らず諦めています。
さらに、ゴカイなどの虫エサは効果的ですが、採取が困難で保存や取り扱いが面倒なため、現在は使用していません。
ここでは、カニとミジガイの採取方法や長期保管方法について紹介します。
エサ捕り
カニやミジガイを捕るには、干潮時に行けば捕れますが、干潮時に釣行できない場合もあります。そのため、捕獲可能な潮位が重要になります。河川毎にカニやミジガイが捕れる潮位と、釣りやすい潮位をマップにまとめて、スマホに保存しておくと便利です。
マップの潮位からカニなどを捕りたい日のタイドグラフから捕れる時間帯を割り出しできます。
カニサイズ
カニサイズは、砂地、コンクリート壁、水の濁り具合などによって変わります。そのため、様々なサイズのカニを捕獲することが望ましいです。
かつては、100円玉サイズを基準にして、1円玉から500円玉サイズの大きなカニを使用していましたが、最近では、フグなどのエサ取りに喰われ易いですが、チヌの喰い優先で甲羅幅が1~2cm程度の小さなカニを使用するようになっています。
喰いが良いカニ
河川で採取できる主なカニについて、感覚的ですが、食いが良いと思われるカニを紹介します。
<喰い良いカニ>
経験からチヌの食いが良いカニはフタバカクガニです。
ただ、使用できるのは夏場だけになり、冬場は見かけないです。
その他のカニは喰いに大差無い感じです。
フタバカクガニは河川の汽水域に生息しており、満潮時でも水を嫌う傾向があり、護岸の石や倒木の隙間に隠れています。そのため、潮位に関係なく捕ることができます。ハサミがオレンジ色で素早く動くのが特徴です。また、足が長いため、深い餌箱に入れないと、餌箱の蓋を開けた瞬間に逃げてしまいます。
甲羅が柔らかく、喰い込みが良いと考えられます。このカニを使ってチヌがクシャクシャにされて吐き出されることは少ないです。甲羅が500円玉ほどの大きさで、足を広げて8cm以上ある大きなカニでも、35cm前後の小さなチヌでも普通に喰ってきます。他の種類のカニでは、写真のようにクシャクシャにされて吐き出されることがよくあります。
<メインで使用しているカニ>
年間通して使っているカニは、ケフサイソガニとヒライソガニです。
食いは感覚的にカニの種類より、ハサミが大きい方が喰い良い気がします。
チヌはハサミが大好物と思われます。
<その他に使用するカニ>
イソガニ
アシハラガニ
イワガニ
イガイ(ミジガイ)
ミジガイを使った釣りでは、ヘチのように大粒を1つ針に掛けると喰いが悪くなります。原因は恐らく前打ちはヘチの縦の釣りと違い、横の釣りのため気付かないと考えています。
使用する場合は、1cm程度の小粒を房掛けしたものが効果的であり、そのような小粒を房掛けできる状態のミジガイを採取します。
ただし、ミジガイは石積みや護岸壁などに付着している場所ではよく釣れますが、砂地の底に生息するチヌはミジガイをあまり食べません。おそらく砂地にはミジガイが生息していないため、チヌは気づかない可能性があります。
冷凍カニ
冷凍したカニも喰います。
石積みやテトラ、ゴロタ場では、活ガニと違って隙間に入り込まないため、カニを打って長い時間待ちたい場合に有効なエサです。特に濁りがある場合は、活ガニより釣れる場合があります。
ただ、砂地の底に居るチヌは、何度も試しましたが喰わしたことが無いです。
冷凍イガイ(ミジガイ)
冷凍したミジガイは使えないと思います。
課題は、冷凍したミジガイを解凍する時に貝が開きます。開いた貝を1度だけ試しに使いましたがチヌに無視されました。
何度も打てば、そのうち喰うかも知れませんが試していません。
カニが弱らないお手軽なエサ箱
カニのエサ箱としては木製の箱が一般的ですが、腰に装着すると重く使い勝手が悪いです。
そこで、軽量なエサバッカンの底に海水を湿らせた板状のナイロンタワシを敷き、エサバッカンのフックにベルトを結束バンドで固定して腰に装着するようにしています。海水は湿らせる程度なので、屈んだときにエサ箱が斜めになっても水がこぼれることなく使い勝手が良いです。また、板状のナイロンタワシは排泄物などを吸収し、カニがいる部分が汚れにくく、弱り難いようです。
エサバッカンに100均で購入したベルトを結束バンドで固定すると軽量の携帯エサ箱になります。
長期保管できるボックス
活ガニを長期間保存する手軽な方法をご紹介します。
小型クーラーボックス(5.5L程度)に水を入れた500mLのペットボトルを凍らせて入れた上に、タッパの底に敷いたプラスチックタワシに海水を湿らせた中にカニエサ入れて置いています。
可能なら、柔らかい板状のタワシを布団のように入れておくと、多くのカニがその下に隠れており、居心地が良いかも知れません。快適な環境でストレスが軽減され、長く生きることができると考えられます。
ペットボトルは氷が解ける前に交換を繰り返す事で、保管期間は次のようになっています。
夏場 約1~3週間
冬場 約2~4週間
*タッパ洗浄と餌を与えると1か月以上生きています。
<更に長期保管する方法>
週に1~2回程度でプラスチックタワシの洗浄と、カニに餌を与えて1か月以上は生かす事ができています。エサはカニを捕る時に牡蠣の身だけ持ち帰り、冷凍保存し喰い残しが無い程度に与えます。洗浄用の海水はペットボトルに入れて持ち帰ります。
もし、冷蔵庫で保管が可能でしたら温度が高い野菜室がお勧めです。
YouTubeで解説
エサバッカンをカニ箱にして携帯する方法と、カニを長期保管する方法を紹介しています。
フタバカクガニは、潮位が高くカニの捕獲が難しい場合でも捕獲できて喰いが良いカニです。ただ、捕獲できるのは気温が高い夏場に限られます。
カニエサを持たず満潮時に釣行し、現地でカニを捕って釣りを始める方法を紹介しています。
まとめ
季節・干満や、チヌの居場所などに関係なく、1年を通して使用できる餌はカニと考えて、カニエサをだけ使って釣り始めて3年目になります。
カニしか使っていませんが、釣果は年々伸びており、今年は年間通して1日の平均釣果が15.4枚となっており、カニエサだけで良い釣果となっています。
エサをカニだけに絞り込むと使い勝手良くお勧めです。
次回は、チヌに見抜かれにくく、かつチヌのカンヌキを狙って釣るための、カニを釣針に刺す方法を解説します。
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