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見えチヌだから初心者でも釣れる手順書 ~見えチヌを釣るプロセス定義~

はじめに

目の前に見えているチヌに安易にカニを打って、まぐれで釣れるかもしれませんが、いつも安定して釣ることは難しいです。
見えているチヌを釣るには、方法論が非常に重要です。方法論を理解しなくても良いですが、方法論を元に考えた、見えているチヌを釣る手順書に従うと、簡単に釣れるようになると考えています。
 
ここでは、理屈抜きに見えているチヌをいつも安定した数釣りができる手順(プロセス)について説明します。見えているチヌを狙うためには、チヌが捕食中・休憩中、フォバリング中などの動きや、チヌが上向き・下向き・右向き・左向きなどの姿勢や、水深・活性度・警戒度合いなどの正確な状況を把握した上で、狙うチヌに最適なプロセスに従う事で必然的に釣れるようになります。
そこで、見えチヌを釣る基本的な考え方である『チヌに気付かれない様に近付きカニを打って着底させた後にチヌがカニを発見したように見せる』に沿ったプロセスを明文化した詳細な手順書を作成し、初心者でも手順書に従うことで、理屈が分からなくてもナセか見えチヌが釣れる様になります。
また、釣れなくても逃げた原因は見えチヌの動きを見れば明確で、見えるチヌが逃げた原因から対策を明文化した手順書に従って釣ることで、逃げる問題は徐々に無くなり、安定した数釣りができるようになると考えています。
 
逆に、見えないチヌは、どこに居るか分からないポイントにカニを打って釣るため、チヌが居てもどのような状況なのか分からず、手順書を作成できず手探りの釣りとなり、いつも安定した数釣りは難しいです。

見えチヌを釣るプロセス定義

「見えているチヌを釣るプロセス定義」について説明します。
プロセス定義は、見えているチヌ釣りを行う一連の流れの中で、見えているチヌが釣れそうな河川の選定や、複数の釣り場を釣りやすい時間帯を推測して、効率よく釣り場を移動するなど、竿を出す前に戦略ストーリーを決める2つの工程と、竿を出してからチヌを如何に釣るかの戦術を決める7つの工程に分けて定義しています。
それぞれの工程について、狙うチヌの動き・姿勢・活性度・警戒度合いなどから釣り易い最適な手段を決めます。
各工程についての概要を説明します。

見えチヌを釣るためのアプトラインフロー

戦略

戦略は、竿を出す前までのプロセス考えており、同じ釣り場に留まって長時間粘ってもチヌのプレッシャーは高まり釣り難くなるため、複数の釣り場所を移動しながら釣ります。この複数の釣り場を移動しながら釣る時に、最高の釣果が出せるように順番や釣り時間や釣り歩く方向などの戦略を決めます。
初心者は、戦略は無視して良いです。先ずは戦術だけ考えて、安定して見えチヌが釣れる様になることを目指せばよいです。
 
■釣行前調査
釣行前に自宅で調査する内容です。
見えチヌが釣れそうな河川を選択するため、河口付近の海面水温や、雨による河川の水量変化などをインターネットで調査します。
 
■現地調査
釣り場について、釣り準備する前に調査する内容です。
河川の川底と表層の2点の水温や、濁り度合いや、チヌが見えるかなどを調査した後、どのような釣り方をする最終の戦略ストーリーを決めます。

戦術

戦術は、釣りの準備を完了して、経験と勘に加えて方法論などのテクニックを駆使して釣る事です。
初心者は、最初はチヌが逃げるかと思いますが、逃げる原因はチヌの動きを見れば明確なので、手順書に記載した逃げた原因の対策をひとつずつクリアすることで、安定して釣れるようになると思います。
 
■竿・リールの選択
前打ちで見えチヌを釣るには、チヌがカニを発見した様に見せるピンポイントにカニを打つことが求めらるため、竿とリールのタックルバランスは重要です。
竿の選択は、石積みや砂地の底などの狙うチヌが居る護岸条件と、潮位や水温・濁り度合いなど日々変わる環境条件から見えチヌ釣りに適した長さの竿を選びます。
選択する竿は2本で、4.3m-5.3mのマルチレングスと、5.3m-6.3mのマルチレングスの何れかを使います。
リールは、狙ったポイントにカニを打つために横型リールを使います。

■カニ針刺し
釣り場に居そうな違和感の無いサイズのカニを使用し、チヌに見切られ難いように釣針を横に刺します。
また、エサ捕り、活性度合いなど、状況に合せて最適なサイズのカニを使います。
 
■チヌを探し歩く
見えチヌを探し歩きますが、光の屈折や同化などを利用して、できるだけチヌに近付き、短い竿で釣れる様にします。
 
■カニを打つ
チヌが居る水深や姿勢、向きなどからチヌに気付かれないポイントにカニを打って着水させます。
 
■カニを沈める
チヌに気付かれない様にカニを沈めて、着底後にチヌが気付き易いポイントに着底させます。
 
■誘う
カニが着底したカニに気付かない時など、不自然にならない様にカニを誘い、チヌが気付いた瞬間に止めます。
 
■喰わす
カニに気付いたチヌが近付いてじっと観察して、見切って逃げないようにラインを緩めて、喰う時に違和感が無い様にします。
 
■アワス
針外れが少ないカンヌキを狙って竿を寝かせてアワセます。

まとめ

見えているチヌが初めてまぐれで釣れて、見えチヌ釣りの魅力と数釣りの可能性を実感して始めたのは2013年です。最初の1年間は見えチヌが全く釣れませんでした。
今振り返ると原因は簡単で、見えているチヌを狙って経験と勘を駆使して釣っていましたが、経験と勘だけでは限界があり、光の屈折、同化などの科学的観点や、チヌの習性や、釣行時に記録した水温などのデータを多角的に分析するなどの方法論に経験と勘に加えてから、着実に見えているチヌの釣果が増えてきました。今では年間を通して安定して見えているチヌが釣れるようになっています。
 
次回から各プロセスについて説明します。
 
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