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保護した3匹のニホンイシガメを飼い始めるまで(1/3)

2020年8月から3匹のニホンイシガメを飼育している。すべてオスで、おそらく兄弟である。

彼らはとある場所で保護したのだが、発見してから連れ帰り飼育を始めるまでの経緯を3回に分けて記す。

コストコの駐車場に子亀?

2020年8月下旬、愛知県常滑市へドライブに出かけた。観光などをし、夕刻に同市にあるコストコ中部空港倉庫店へ立ち寄り、買い物を済ませ店から出て自分の車へ向かっていた時のこと。

駐車場の植え込みの土の上に動くものがいるのに気が付いた。よく見ると体長数センチの亀ではないか。

「え、こんなところに亀?」

当時、亀や爬虫類には興味も知識もなく、そのコストコは海から数百メートルほどの場所にあったことから、一瞬ウミガメの子どもかと思った。しかし海からここまでの間には防波堤や道路などがあり、ウミガメの子どもがここまで辿り着けるとは思えない。またウミガメならば手足はヒレのようになっているはずだが、この亀は爪の生えた手足で歩行している。「まさかコストコで売られている亀が逃げ出した?」などとも考えたがそもそもコストコで生き物は販売されていない。

正体はニホンイシガメ、しかも3匹

よく見れば甲羅の後方がギザギザした形状になっており、細長い尻尾がある。その特徴をスマホで調べると「ニホンイシガメ」という種類だとわかった。

たしか日本の在来種で近年、数を減らしていると某池の水を抜くテレビ番組で紹介されていたのを見たことがある。

掴み上げてみるとグイグイと力強く動いており、裏返すとお腹に数ミリの裂け目のようなものがある。これも調べてみると生まれたての子亀のお腹に付いているヨークサックというものが吸収された跡とのことで、つまり生後数日は経っているようだ。

驚いたことに少し離れた土の上にもう1匹、同サイズの子亀が歩いているのに気づいた。さらに周辺を調べてみたところ、今度は植え込みの木の根元でひっくり返って蟻にたかられているもう1匹の子亀も発見した。「可哀想に、これはだめかな…」と思いながら木の棒でつついてみたところ手足を動かしたため慌てて拾い上げた。

なぜこんなところに生まれたての亀が??と頭が混乱していたが、こんな場所にいては生きていけないだろうし、何より駐車場の中で危険であるため、いったん3匹とも保護し連れ帰ることにした。

車に乗せ自宅へ

車内に空のペットボトルがあったため、持っていた小さなヴィクトリノックスのナイフで半分ほどに切り少し水を注いで亀たちを入れた。2匹は元気に動いているが、蟻にたかられていた1匹は目が開いておらずぐったりしている。ただ手足はかすかに動いていた。

保護したニホンイシガメのベビー3匹
左側のペットボトル内の2匹は元気いっぱい。右側の1匹はぐったりしている

コストコの隣のイオンモールにペットショップがあったので、念のため子亀用の餌を購入した。しばらくの間自宅で飼育し、少し成長したらどこかの池へでも放してやればいいと考えたからだ。店員さんにコストコの駐車場でニホンイシガメを保護した話をすると驚いていた。

ともあれ、トランクに積んであった工具箱の中にペットボトルを倒れないように固定し、自宅へと帰った。

(2/3へ続く)

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