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【技術ブログ】日本発祥の次世代BIツール「Codatum」 を使ってみた
こんにちは。Turtleです。
個人的に気になっていた、株式会社CODATUMが提供するBIツールの「Codatum」を使ってみたので、本記事で紹介いたします。
1. はじめに
「Codatum」は、CXプラットフォーム「KARTE」シリーズを提供する株式会社プレイドからスピンアウトし、2023年10月に設立された株式会社CODATUMが提供するデータ分析ツールです。
今月、NRIデジタルおよびCloudFitとの販売パートナー締結が立て続けに発表されました。
プレスリリースの中で、Codatumは以下のように紹介されています。
次世代BIツール「Codatum」について
Codatumは、エンジニアをはじめデータ分析を行うすべての方々が、SQLの力を最大限に引き出せるよう設計されています。直感的でコードファーストのインターフェースを備え、データウェアハウス(現在はGoogle BigQuery™のみ対応、順次拡大予定)に直接接続して最新のデータにアクセス可能です。
リアルタイムのコラボレーション、AI統合、高度なビジュアライゼーションをサポートし、データ駆動型のチームに最適です。細かな権限管理とデータカタログの整理によって、組織全体のデータ管理とセキュリティが強化されます。
公式ドキュメントと合わせて理解を深めるのに、以下の2つの記事が参考になりました。
また、YouTubeにプロダクトツアーの動画もアップされているので、こちらも要チェックです。
前置きが少し長くなりましたが、以下で簡単に使ってみた機能をご紹介します。
概要レベルに留まり、コラボレーション機能やパラメーターの使用など触れられていない部分もありますので予めご了承ください。
2. 準備
2-1. Codatumへの登録
Codatumの利用を開始するため、こちらからアーリーアクセスに登録する必要があります。
※2024年11月末で終了してしまうようなので、お早めにどうぞ。
必要な情報を入れて進めていくと、すぐにメールが届いて利用を開始することができます。
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2-2. BigQueryとの接続
現在は接続先としてBigQueryのみが対応しているため、自身のデータを利用したい方はBigQueryの環境を用意する必要があります。
※今後、SnowflakeやMySQLなどが追加されそうな気配がしました
BigQueryとの接続方法は公式ドキュメントに整理されています。
こちらについては、デフォルトで用意されているデモ環境があるため、自身のデータを使って試す必要が無い場合はスキップして問題ありません。
準備ができましたので、以下、Codatumのメインメニューである4つについて見ていきます。
Notebooks: Edit and explore data with live collaboration
Queries: Create a query and share it with your team
Reports: Share insights with published, uneditable versions
Catalog: Find your data and start analyzing
3. 機能確認
3-1. Notebooks
ノートブックはフローベースのドキュメント(Doc Page)とタイルベースのドキュメント(Grid Page)の2種類存在します。
以下、それぞれ簡単に使ってみたので内容をまとめています。
①Doc Page
Doc Pageについては公式ドキュメントで以下のように記載されています。
Doc PageはNotebookのページの一種で、データ分析の抽出、探索、可視化を行えます。素早いアドホック分析が可能で、作業過程も記録できます。キーボード操作を重視したユーザーインターフェースにより、スムーズな作業フローを実現します。
上記の通り、キーボード操作メインで流れるような分析フローを実現できます。 以下、簡単に使ってみた機能をご紹介します。
SQL Blockを作成し、クエリを実行し、結果を即座に確認することができます。 オートコンプリートやフォーマッティング、関数や予約語の提案といった機能が備わっているため、クエリの作成をスムーズに行うことができました。
「+ Field stats」を選択することで、各フィールドの統計情報を取得することも可能です。
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SQL Block内では、他のSQL Blockを参照することができます。(SQL Chainと呼びます) プレビュー機能もついているのはありがたいですね。
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クエリに文法エラーがある場合、エディタにエラーメッセージが表示され、クエリの実行が不可になります。
「Fix with AI」を選択すると、画面左側にAI Analystが表示され、修正箇所を教えてくれました。「Apply」を選択することで修正後のクエリを反映することができます。これは便利。
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SQL Blockで実行したクエリの結果から、チャートを作成することができます。 チャートの作成は基本的にマウス操作で完結することができ、必要に応じてカスタムSQLでの制御も可能でした。
作成したチャートは画面右側のようにチャート作成に使用したソーステーブルや、作成に使用したSQLと結果セットと合わせて確認することができます。
どのようなチャートを作成できるか、一覧については公式ドキュメントをご確認ください。
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②Grid Page
Grid Pageは、Doc Pageで作成したSQLの実行結果やチャートを配置できるページです。 マウス操作で簡単にチャートの配置、サイズを変更することができました。
また、この画面から新たなチャートを作成したり、既存のチャートのカスタマイズを行うことができました。色や書式設定を整えるような工程がイメージされます。
公式ドキュメントに記載のある通り、こちらは他のユーザーとリアルタイムでの共同編集が可能です。(ただし、チャートの設定等は明示的に保存されるまで共有されないとのこと)
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3-2. Queries
クエリを作成し、保存しておくことが可能です。 クエリ結果はSQL BlockのFROM句で呼び出すことができます。Codatumで保持するビューのようなものでしょうか。後述するCatalogにも表示されていました。
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3-3. Reports
レポートについては公式ドキュメントで以下のように記載されています。
レポートは、ユーザーがコンテンツを閲覧することのみを許可するように設計されたノートブックから派生した特別なドキュメントです。 レポートは、データ分析のスナップショットを提供することで、データの破損を防ぎます。また、データ ウェアハウス内の元のデータへのアクセスを制御しながら、重要な洞察を広く配布することもできます。
Notebookの右上に位置する「Share」を選択し、「+Create Reports」を選択します。 その後、クエリ実行オプションや公開するページの設定を行い、「Publish」を選択します。
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レポートの画面を開き、設定からグループやユーザーを追加することで共有が可能になります。 「Report Analytics」ではビュー数やUU数、平均閲覧時間など、レポートの閲覧情報を確認することができます。
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※「レポートに関連する操作、特に公開には複雑なロールの組み合わせが必要です。」と公式ドキュメントには注記があります。レポートのアクセス制御は一度目を通しておきましょう。
3-4. Catalog
Catalogではテーブルとクエリのメタデータを管理できます。
各テーブルとそのカラムに説明やタグを付与することができます。活用することで、キーワード検索にヒットするようになり、必要なデータを素早く発見することができるようになりそうです。
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各テーブルのカラムやプレビュー、参照しているノートブックやクエリ、ジョブの実行結果などを閲覧することができます。
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4. おわりに
本記事では、日本発祥の次世代BIツール「Codatum」を使ってみたので簡単に機能をご紹介しました。
類似する機能を持つツール(Notebook BI)は存在しますが、ツールが誕生した背景や目指している世界に共感しているのと、日本発祥のツールであるということで個人的に応援しています。
冒頭でも触れましたが、以下の記事はCodatumを理解するうえで重要だと感じておりますので、是非一度読んでみてください。(その他のブログ記事も魅力的です)
簡単に使ってみた内容をご紹介しましたが、アーリーアクセスの期間はまだまだあるので、まだ使えていない機能を試していきたいと思います。