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発達障害教育、手帳か学力かー姉妹仕舞い

 就活破れ大学院入れず縁談終わり......と愚痴ってもしょうがない。私は自分の人生の目標の一つとして、甥に勉強を教える事を当てた。

 しょうもない義兄は甥に飲み込みが悪いと直ぐ腹を立て、教える事を放棄するらしい。仕事の後疲れているのは分かるが、それでは子供はたまったものではない。大体分からない奴に限って偉そうなのだ。私は家庭教師のスキルをフル活用し、甥に接した。

 子供に勉強を教えるのは楽しい。順序立てて、相手の理解していない所を見つけ出し反復学習すれば一定の成長は見込めるのだ。幸いにも私は彼のリズムをつかみ、5段階で言えば1から2へと彼の成績はアップしていった。このままいけば、3になり、特別扱いされずに済む。そのうえで、彼の好き、嫌い、得意、苦手を考慮して、進路を決めればいいのだ。

 しかしここで問題が立ちはだかった。成績が上がりすぎると知的障碍者の障碍者手帳が失効してしまう可能性が出てきたのだ。まだ発達障害に対する世間の理解は十分とは言えないので精神障害の障碍者手帳が発行されるか疑わしかったのだ。

 姉は甥を特別支援学校に入れたかった。
「差別されたら可哀そうだし~。私もあなたと比べられてつらくて~。」
この人は一生言い続けるつもりなのであろうか。とりあえず甥の学習は休学とした。それが最後になるとはこの時は私ですら分からなかった。


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