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のど自慢の予選会行ってきた話

千葉県松戸市で開催された、のど自慢の予選会に参加しました。
結果としては本戦出場ならず。

僕はさかいゆうの「ピエロチック」で勝負しました。

・選曲理由
のど自慢はサビまで歌い切る事がほぼ出来ないので、A.Bメロを経てのサビでハイトーン&ロングトーンを響かせようとする楽曲は消化不良になりがちである。

邦楽王道の売れ線ポップス構成が、まさかここで足枷になるとは皮肉なものである。
予選も本番も大体時間にして45〜60秒くらいが一人の待ち時間だ。

そうなると頭からサビの曲が有効なのは明白。
かといって、イントロ0秒だと歌い出しのピッチが少し不安なので、3〜5秒位のイントロが欲しい。

さらにこの曲は50秒あたりまで、ピッチの高いファルセットと地声のロングトーンが混ざっているので、そのどちらもクリア出来れば「おっ、上手いじゃん!」と印象付ける事が可能になる。
本当にあらゆる面で最高なんだよ、この曲。

そしてのど自慢ではこういったR&B色の強い曲をあまり聴いたことが無かったので、そこも狙い目だと思った。


・どの枠を狙うか?
純粋に歌うま枠、テンション高め盛り上げ枠、高齢者枠、ゲストのファン枠、夫婦&家族想い枠、夢追う中高生枠、開催地域でお店や社会活動を頑張ってる枠…などなど。

僕は今回、純粋に歌うま枠を狙ったが、世界は広く上には上がおり、レベルの高い歌うまさんが何人も本戦に通っていった。
それと同時に、本戦に通れなかった歌うまさんも何名もいたのだ。

・テレビ番組としての見せ方
のど自慢という番組名だが、この番組は決してガチな音楽オーディション番組ではなく、日本全国に暮らす様々な人たちの人生を、その人の思い出の楽曲と共に味わう、ほっこりとしたバラエティなのであるという事を今回改めて感じた。

なぜこの曲なのか、誰に届けたいのか、そしてこの人達の歌う様をみたテレビ視聴者はどんなことを思うのか。
そこが番組製作陣としての課題であり、使命であるのだろうと推測する。
基本的には、夢、希望、挑戦、生き様、絆のようなポジティブなテーマで満ち溢れていることが大前提だろう。

しかし年度末にはチャンピオン大会もあり、そこは割とガチな音楽オーディションの色が強くなってくると思われる。


・敗因
歌唱力不足と激弱エピソードの二つに他ならない。
歌い終わったあとは番組ディレクターさん、司会のNHKアナウンサーさんとの2.3分の面談がある。
そこでなぜ今回応募したのか、なぜこの選曲なのかを簡単に聞かれる。

私は答えた。
さかいゆうや秦基博がいるオフィスオーガスタに入りたくて20代は音楽活動を頑張っていたが、夢を諦め、趣味として音楽を続けている。
この曲をテレビで歌える日が来たら、あの頃の夢に少しさわれそうな気がして、良い思い出になると思ったから。


動機が激弱である。

知らねーよ勝手にYouTubeにカバー演奏あげて200再生くらいで満足しとけやって話になってくる訳だ。
そしてやはり、歌唱力もまだまだであった。
歌詞微妙に間違えるし、シンガーとしてのスキルも不足しまくりだったのである。


・大事な気づき
これは今後の音楽活動においても、その他の趣味や嗜好においてもとても大事な気づきで、音楽仲間にも伝えたい事だ。

「あるある、定番、わかりやすいは退屈だ」と思ってはならない。

大衆に受け入れられるという事は、発信する側が圧倒的な実力、クオリティ、新たなアイデアでその道の素人達を黙らせる事ではなくて、寄りそう事から始まるという事なのだ。

私はたまたま音楽の道にいるが、それ以外の事に関してはど素人だ。

料亭の煮物と母親の煮物、どっちも美味いと思う。
5千円の掃除機と3万円の掃除機の違い、よくわからない。
1万円と3万円のジーパンの違い、よくわからない。

しかし商品やサービスとして、その道のプロに言わせればクオリティ、品質には大きな差があるもの存在するのだろう。

「はっ!これだから素人は!」などと、地球が割れても思ってはならないのだ。
いや、本音ではそう思っているプロもいると思うがそれを表に出さないのが人気と利益を生み出す必須条件なのだと思う。

しかしそんな事を毎回意識して、僕らは物事や商品を消費してなどいないのである。
受け手、消費者として僕らが無意識に求めるのはいつでも、「自分に合ったちょうど良さ」なのだから。

・バランス調整
今回の僕はまんまと発信する側の思い上がりに足を取られ、受け手に寄り添う事が出来なかった。
その証拠に、実の母親、そして義理の母親のどちらにもLINEで言われた事が、「選曲が悪い、難しい、分かりづらかった」とのお言葉だった。
ありがたい事に両者共に関係は良好である。

自分の大好きなR&B。
知らない人でもカッコ良い!と思ってくれるであろうと選んだピエロチック。

しかしそういった音楽に馴染みのない受け手からすると「よくわからない」の一言で済まされてしまうのだ。

これに落胆する必要はない。
あっ、そうだよな、そうだったんだと気づけた事が今回の大きな収穫なのだ。

じゃあどうやったら聞きやすくてカッコ良いR&Bが出来るかな?と突き詰めていくバランス感覚が自分にはこれからめちゃくちゃ必要になってくるなと思えたのである。

これは俗に言う自分のやりたい事を我慢して大衆に媚びるという行為に見えるし、まぁそうぶっちゃけそうなんだが、今日から僕はこれをバランス調整と呼ぶ事にする。

そしていまよりバランス調整が上手くなった来年の僕は、またのど自慢の予選に出て、きっと今回より良い結果が出せるような気がしている。

そして僕は思う。
なんやかんやMVの再生数とかフォロワー何万人とか、ライブ動員何百人とかより、NHKのど自慢でチャンピオン取りましたの方が音楽の実績としてパッと見でわかりやすいのではないかと。

それぞれの実績の価値はもちろんあるし、本当は再生数もフォロワーも沢山欲しいけど、もうここ何年も試行錯誤して、手詰まり感が凄まじい。

だから、誰もが知ってるイメージしやすいような場面で認められた人になると言うのも一つの手ではないかと考えた。
だから来年も頑張ってみる。


そんな私の現時点でバランスの良い曲はこれだ。
ここまで長文読んでくれた貴方、ぜひのど自慢同様45〜60秒だけ、聴いてくれませんか。

のど自慢、みんなも応援してみては?


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