今のAKB48について語る
「【99人→34人】メンバー激減のAKB48が向かう先──K-POPに相対化されたJ-POPアイドル」という記事が話題になった。
近年のAKB48はネットニュースでメンバーの卒業発表が話題になる程度で、以前のようにメディアで見かける機会が激減している。先日も本田仁美の卒業コンサートが行われたが、エース的存在でありながら大きな話題になることもなく、リリースのタイミングが合わずなかったため卒業シングルといったものも用意されなかった。
どうしたんだ、AKB。
アキバ系アイドルから国民的アイドルへ
2005年12月、東京・秋葉原にあるAKB48劇場で初公演が行われた。筆者がAKBを認知したのは2006年春の「桜の花びらたち」がリリースされた頃で、携帯電話のCMタイアップソングとして繰り返し流れていた印象がある。
デビュー当時はマニア向けのイメージが強く、メディア露出が少なかったことからグループ全体の認知度が低かったが、2007年に一部のメンバーが大手芸能事務所に移籍したことでドラマや映画、バラエティなどへの露出が急増し、その年に『NHK紅白歌合戦』に“アキバ枠”で初出場を果たした。
過度なAKB商法でレコード会社との契約が終了し、一時はグループ存続の危機にまで陥ったが、2008年の秋にリリースした「大声ダイヤモンド」からプロデュース体制を一新して全国握手会を展開。これが売上に大きく貢献したことで人気が急上昇し、「ポニーテールとシュシュ」や「ヘビーローテーション」などで大ヒットを飛ばした。
人気が急落した6つの理由
2010年代前半はテレビで見ない日はないほど活躍し、CMや雑誌の表紙をほぼ独占するほどの人気を獲得していたが、①乃木坂46の台頭、②人気メンバーのスキャンダルに対する運営の対応、③高橋みなみ・小嶋陽菜といった認知度の高いメンバーの相次ぐ卒業、④韓国のTWICEの出現、⑤NGT48のメンバーに対する暴行事件、⑥新型コロナウィルスによる大打撃で人気は徐々に低下していった。1年で4~5枚ほどリリースしていたCDシングルも1~2枚に落ち着き、CDアルバムに至っては2018年を最後にリリースされていない。
コロナ禍以降は常連だった『NHK紅白歌合戦』からも遠ざかり、音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』でしか見かけることがなくなった。かろうじて特番には出演できているが、その年にリリースされた楽曲を歌唱するのではなく、「Everyday、カチューシャ」や「フライングゲット」といった昔のヒット曲を披露することが多くなっている。
冒頭でも少し触れたが、近年はメンバーの卒業に関するニュースが多い。記事によると、2014年5月の時点で139人の正規メンバーが在籍していたが、現在は31人と激減している(2024年2月24日現在)。柏木由紀をはじめとする卒業を控えているメンバーも多くいるため研究生からの昇格がなければ24人となってしまう。
UNLAMEはどうなるか
UNLAMEというAKB系列のグループがあるのを知っているだろうか。2023年2月にAKB48の現役メンバーと一般公募によるOUT OF 48オーディションから誕生し、ガーリー・ポップ×ダンスナンバーのイメージを押し出したガールズグループとして結成された。オーディションの過程は深夜帯番組『OUT OF 48』でも放送されたが、昨今のオーディション番組のブームで盛り上がりに欠けた部分があった。
オーディション開始から約半年が経った頃、研究生を含めたAKB48のメンバー5人と一般公募から選出された2人の計7人でUNLAMEを結成。レコード会社が大手のワーナーミュージック・ジャパン、さいたまスーパーアリーナで行われた東京ガールズコレクションのオープニングアクトでお披露目と大々的に売り出されているようだが、今のところブレイク候補には挙がっておらず、AKBとの兼任問題もあるため先行きが不透明である。
オリジナル楽曲「UNLAME」は王道のAKB48とは異なり、MVも含めて全体的にK-Popを意識している印象を持ったが、ビジュアル面においてはXGやSG5と被っているように思えた。UNLAMEの活動を通じて新たなファン層を獲得してほしいところだ。
そんなAKB48は2025年12月でグループ誕生から20周年を迎える。モーニング娘。のように20周年企画となるものが行われるのだろうか。前田敦子や大島優子などが集結して音楽特番で往年のヒット曲を披露なんてこともあり得るのか。OGが交代でセンターポジションを務めて、ヒット曲メドレーを披露したらそれはそれで面白そう。その時は篠田麻里子がセンターを務めた「上からマリコ」を見てみたいものだ。
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