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NHK紅白歌合戦について

 今年もモーニング娘。の出場は叶わなかった。2007年にハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊として出場したのを最後に大晦日の風物詩である『NHK紅白歌合戦』から遠ざかっている。筆者としては紅白よりも民放各局の音楽特番に出演してほしい気持ちがあるが、もう一度紅白のステージにカムバしてほしいという思いも少なからずある。今回はハロー!プロジェクト勢が出場した1998年~2008年までの『NHK紅白歌合戦』を振り返っていく。

第49回(1998年)

  • モーニング娘。(初)「抱いてHOLD ON ME!」(46.0%)

 「サマーナイトタウン」や「抱いてHOLD ON ME!」のヒットが決め手となり、デビューしたその年に初出場を果たした。前年まで同じ事務所の森高千里が6年連続、シャ乱Qが3年連続で出場していたが、両者ともに出場を逃している。

 歌披露前の出場歌手同士のトークでは、“番組発の一発屋アイドルグループ”のような扱いを受けているトーク(セリフ)が印象的だった。

《トーク内容(要約)》
司会者「平均年齢が17.4歳のモーニング娘。の皆さんです!」
出演者1「今は夜なのになんでモーニング娘。なの?」
出演者2「この時間だとイブニング娘。だよね?」
出演者3「年越し娘。になるよね」
出演者4「朝帰り娘。だよ」
司会者「聴いてお得なモーニング娘。の皆さんで“抱いてHOLD ON ME!”」 

 他の出場歌手のテレビサイズが3分~3分半だったのに対して、「抱いてHOLD ON ME!」はラップ部分を除いた1ハーフ(約2分半)サイズだった。アーティスト別視聴率は46.0%を記録し、第1部の平均視聴率45.4%を上回った。

第50回(1999年)

  • モーニング娘。(2)「LOVEマシーン」(43.9%) ※トップバッター

 年末のレコ大・紅白効果で2000年1月3日付のオリコンシングルランキングで10位にランクインし、その後も8位→8位とトップ10圏内を維持するロングヒットを記録した。

 昨年の初出場の際には、“番組発の一発屋アイドルグループ”同然の扱いだったが、司会者による歌披露前の紹介ではこのように変化していた。

司会者「紅組のトップはモーニング娘。でし!小さな子供からOL、サラリーマンまで、みんな歌って踊りましたよね?忘年会ソングNo.1“LOVEマシーン”」(客席からは歓声も)

 出場歌手が見守る中、演歌歌手までもが一緒に振り付けを真似して踊っていたのが印象的だった。中村美津子の「河内酒」ではメンバー全員がバックダンサーとして出演し、ステージに花を添えた。アーティスト別視聴率は43.9%を記録し、トップバッターだった影響で第1部の平均視聴率45.8%を下回った。

第51回(2000年)

  • モーニング娘。(3)「ハッピーサマーウェディング 大晦日スペシャル」(49.6%)

 「ハッピーサマーウェディング」、「LOVEマシーン」、「I WISH」をメドレー形式で披露した。衣装は3パターンが用意され、早着替えのタイミングでハロー!プロジェクトのメンバー(ココナッツ娘。、メロン記念日、シェキドル)や振り付けを手がけた夏まゆみのダンサー陣が登場する華やかなステージとなった。アーティスト別視聴率は49.6%で、第1部の平均視聴率39.2%を上回り、第1部の最高視聴率を記録した。

 企画コーナー「ミッキーと踊ろう ダンスカーニバル」では、「ロック・アラウンド・ザ・クロック」をドナルドダックと共に披露。第2部のコーナー「未来を開こう 21世紀スペクタクル」では「タイムマシンにおねがい」をモーニング娘。の18歳以上のメンバー(中澤裕子・飯田圭織・安倍なつみ・保田圭)と他の出場歌手2組で披露した。

第52回(2001年)

  • 松浦亜弥(初)「LOVE涙色」(32.8%) ※トップバッター

  • モーニング娘。(4)「Mr.Moonlight 〜愛こそがザ☆ピ〜ス!〜」(47.8%)

 一部スポーツ紙で紅組の司会に中澤裕子を有力候補として挙げるほどモーニング娘。一色だった2001年は、この年にデビューした松浦亜弥(当時15歳)が初出場を果たした。歌披露前に司会者から「新世紀の紅白歌合戦、記念すべき1曲目です、“LOVE涙色”」と紹介され、初出場でありながら2コーラスも披露する異例の高待遇を受けた(テレビサイズは約3分弱)。

 モーニング娘。は歌披露前にメンバーが一言ずつ話す場面があり、「Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜」と「ザ☆ピ〜ス!」をメドレー形式で余すことなく披露した。アーティスト別視聴率は47.8%で、第1部の平均視聴率38.1%を上回り、2年連続で第1部の最高視聴率を記録した。

 モーニング娘。と子供たちによる企画コーナー「Kids Dream」では、ミニモニ。が「ミニモニ。ジャンケンぴょん!」、ハムちゃんずとミニハムず(着ぐるみ)、モーニング娘。5期メンバーが加わって「ハム太郎とっとこうた」を披露した。その後はプッチモニがMr.マリックのマジックコーナーの参加したりとモーニング娘。が中心となってコーナーが進められた。

  • ミニモニ。「ミニモニ。ジャンケンぴょん!」

  • ミニモニ。、ハムちゃんず、ミニハムず、モーニング娘。5期メンバー「ハム太郎とっとこうた」

  • 木村弓「いつも何度でも」

  • 出場歌手全員「さんぽ」

第53回(2002年)

  • 藤本美貴(初)「ロマンティック 浮かれモード」(30.3%) ※トップバッター

  • 松浦亜弥(2)「Yeah!めっちゃホリディ」(41.0%)

  • モーニング娘。(5)「ここにいるぜぇ! そうだ! We're ALIVE 2002 Ver.」(43.5%)

 2002年はハロー!プロジェクトの枠が3つに拡大。2年連続でハロプロがトップバッターを務め、初出場となった藤本美貴は「ロマンティック 浮かれモード」を披露し、間奏の途中からはモーニング娘。の4期メンバーと5期メンバーがバックダンサーとして登場した。松浦亜弥の「Yeah!めっちゃホリディ」も途中からメロン記念日がバックダンサーとして登場し、ステージに華を添えた。

 モーニング娘。は「ここにいるぜぇ!」と「そうだ!We’re ALIVE」をメドレー形式で披露した。アーティスト別視聴率は43.5%で、第1部の平均視聴率37.1%を上回り、第1部の最高視聴率2位を記録した。

 第1部の企画コーナー「憧れのTVヒーロー&ヒロイン50年ショー」では保田圭・吉澤ひとみ・5期メンバーの6人で童謡「おお牧場はみどり」、ミニモニ。で「ひょっこりひょうたん島」、安倍なつみで「ひみつのアッコちゃん」、飯田圭織・石川梨華・藤本美貴で「キューティーハニー」をそれぞれ披露した。

 第2部の企画コーナー「歌で遊ぼう! 紅白Ring Show」ではモーニング娘。の18歳以上のメンバー(飯田圭織・安倍なつみ・保田圭・矢口真里)が出演し、飯田が進行役であった中居正広からジョンソン(『うたばん』での愛称)と呼ばれる場面があった。

第54回(2003年)

  • 後藤真希(初)「オリビアを聴きながら」(32.8%)

  • モーニング娘。(6)「Go Girl 〜恋のヴィクトリー〜」(41.0%)

  • 松浦亜弥(3)「ね〜え?」(37.1%)

 ソロとしては初出場となった後藤真希は、モーニング娘。のオーディションで歌った杏里の「オリビアを聴きながら」を披露し、飯田圭織・安倍なつみ・矢口真里・石川梨華が衣裳の早着替えとコーラスを担当した。 

 モーニング娘。はこの年に加入した道重さゆみ・田中れいなの2人が初の平成生まれの出場歌手となった。堀内孝雄の「河」では屋台を営む五木ひろし・川中美幸の娘役として矢口真里が登場し、石原絢子の「ふたり傘」では後藤真希・高橋愛・藤本美貴が着物姿でステージを盛り上げた。松浦亜弥の「ね〜え?」ではハロー!プロジェクト・キッズのメンバー10人が初めてバックダンサーとして出演した。

 第1部の平均視聴率は35.5%で、モーニング娘。は最高視聴率5位を記録した。

 昨年、好評だった(?)企画コーナー「紅白 Ring Show」ではモーニング娘。の18歳以上のメンバー(飯田圭織・安倍なつみ・矢口真里・石川梨華・吉澤ひとみ・藤本美貴)と後藤真希が出演し、昨年に続いて飯田圭織が進行役であった中居正広からジョンソン(『うたばん』での愛称)と呼ばれる場面があった。

第55回(2004年)

  • モーニング娘。(7)・W(初)「2004年 愛・涙・キッス 紅白スペシャル」(35.5%)

  • 後藤真希(2)&松浦亜弥(4)「冬の童謡 〜メリークリスマス&ハッピーニュー2005年〜」(36.2%)

 この年にモーニング娘。を卒業した辻希美・加護亜依はW(ダブルユー)として初出場を果たし、モーニング娘。と同枠で「愛あらば IT’S ALL RIGHT!」、「涙が止まらない放課後」W「ロボキッス」をメドレー形式で披露した。

 当初は安倍なつみ・後藤真希・松浦亜弥による後浦なつみとして出場する予定だったが、安倍なつみの盗作騒動で出場を辞退したため後藤真希&松浦亜弥名義で出場することになり、童謡「ママがサンタにキッスした」、「風も雪も友達だ」、松浦亜弥の「奇跡の香りダンス。」、後藤真希の「手を握って歩きたい」、「お正月」をメドレー形式で披露した。昨年に続いてハロー!プロジェクト・キッズと愛・地球博マスコットキャラクターのモリゾーとキッコロが登場し、賑やかなステージとなった。両グループともに第1部の平均視聴率30.8%を上回り、第1部の最高視聴率において後藤真希&松浦亜弥は2位、モーニング娘。・Wは3位を記録した。

 企画コーナー「紅あげ白あげ紅白ハタ合戦」ではモーニング娘。の18歳以上のメンバー(飯田圭織・矢口真里・石川梨華・吉澤ひとみ・高橋愛・藤本美貴)と後藤真希が出演した。

第56回(2005年)

  • 松浦亜弥(5)&DEF.DIVA(初)・モーニング娘。(8)「気がつけば好きすぎて♪盛り上がって♪LOVEマシーン!」

 2005年は戦後60年だったことから紅白で聞きたい歌を募集する「スキウタ 〜紅白みんなでアンケート〜」を実施し、紅組の第1位がモーニング娘。の「LOVEマシーン」だったことから卒業したメンバーを加えた19人でのパフォーマンスが実現した。全盛期は3枠を獲得したが、2005年以降は1枠で固定され、松浦亜弥&DEF.DIVA・モーニング娘。の合同で出場した。

 メドレーの1曲目として松浦亜弥が「気がつけば あなた」を披露し、ハロー!プロジェクト・キッズやモリゾーとキッコロがバックダンサーとして出演した(Berryz工房は“キッズ”扱いでクレジットなし)。その後はDEF.DIVAの「好きすぎて バカみたい」、一夜限りの夢の共演として注目が集まった新旧モーニング娘。で「LOVEマシーン」をほぼフルサイズで披露した(現役メンバーは2コーラス目から登場)。アーティスト別視聴率は37.9%で、第1部の平均視聴率35.4%を上回ったものの第1部の最高視聴率には至らなかった。

 香西かおりの「無言坂」では高橋愛・新垣里沙・亀井絵里・道重さゆみ・田中れいな・久住小春がバックダンサーとして出演した。

 第2部の企画コーナー「タイムスリップ60年 昭和・平成ALWAYS」では、松浦亜弥が「東京ブギウギ」、高橋愛・紺野あさ美・藤本美貴が「年下の男の子」、安倍なつみ・後藤真希・石川梨華・吉澤ひとみ・小川麻琴が「セーラー服を脱がさないで」をそれぞれ披露した。

第57回(2006年)

  • GAM(初)&モーニング娘。(9)「Thanks! 歩いてる 2006 Ambitiousバージョン」(30.5%)

 2006年は松浦亜弥と藤本美貴で構成されるGAMが初出場。昨年に続いてGAM&モーニング娘。の1枠での出場となり、松浦亜弥は今回が最後の出場となった。

 モーニング娘。「Ambitious!野心的でいいじゃん」、GAM「Thanks!」、モーニング娘。「歩いてる」をメドレー形式で披露し、「歩いてる」ではカントリー娘。とBerryz工房、℃-ute、モリゾーとキッコロなどがバックダンサーとして登場し、華やかなステージとなった。

 第1部の企画コーナー「みんなのうた45年!キッズショー」では松浦亜弥らが「南の島のハメハメハ大王」、吉澤ひとみ・高橋愛・新垣里沙・藤本美貴・亀井絵里らで「コンピューターおばあちゃん」を披露した。

 香西かおり「最北航路」では企画コーナーの選抜に入らなかった道重さゆみ・田中れいな・久住小春、カントリー娘。の6人がバックダンサーとして出演した。

 第2部の企画コーナー「2006スーパーレビュー」では、その年に流行したファッションをそれぞれ披露し、吉澤ひとみ・藤本美貴・松浦亜弥は女子大生風ファッション、高橋愛・新垣里沙・亀井絵里はメイド衣装を着用した。

第58回(2007年)

  • ハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊(モーニング娘。[10]、Berryz工房[初]、°C-ute[初])「Special LOVE Mix 〜幸せの平成20周年 Ver.」(26.2%)

 2007年はモーニング娘。が結成10周年を迎え、Berryz工房はさいたまスーパーアリーナで単独ライブを開催。1年間のインディーズ活動を経て、メジャーデビューした°C-uteはデビューから3作連続でトップ5入りを果たした。この3組が合体したハロー!プロジェクト10周年記念紅白スペシャル隊としてバックダンサーのハロプロエッグを含めた46人で参加し、紅組トップバッターを務めた。3組合同のアキバ枠として初出場を果たしたAKB48に対し、高橋愛は「負けたくない」と対抗心を燃やしたことで女性アイドル同士の対決も注目された。

 モーニング娘。の「LOVEマシーン」、Berryz工房の「付き合ってるのに片思い」、°C-uteの「都会っ子 純情」、初披露となった「LALALA 幸せの歌」の計4曲をメドレー形式で披露したが、持ち時間は約3分半と非常に短く、Berryz工房と°C-uteは1分にも満たないパフォーマンスだった。数年前に比べると扱いは一目瞭然で、結果的にハロプロは2007年をもって連続出場が途切れることになってしまった。

 3年連続で香西かおりの「無言坂」に参加し、今回はモーニング娘。、Berryz工房、℃-uteの総勢23人でコーラスを務めた。

 アーティスト別視聴率は26.2%を記録し、第1部の平均視聴率32.8%を下回り、トップバッターだったこともあってアーティスト別視聴率としては最下位となってしまった。

第59回(2008年)

  • 羞恥心 with Pabo(初)「羞恥心〜陽は、また昇る 紅白スペシャル」(47.8%)

 初出場となった1998年から10年連続で出場していたモーニング娘。は落選。例年だと3〜4枚のシングルをリリースしていたが、2008年は「リゾナント ブルー」と「ペッパー警部」の2作品にとどまり、これまで出演していた音楽番組からも遠ざかっていたため落選してもおかしくない状況であった。

 ハロー!プロジェクトとしては叶わなかったが、カントリー娘。の里田まいが羞恥心 with Paboの一員として出場した。2006年にモーニング娘。のバックダンサーとして参加していたが、今回は歌手として初出場を果たした。

 羞恥心の代表曲「羞恥心」とアラジンの「陽は、また昇る」をメドレー形式で披露し、途中からヘキサゴンファミリーが登場したことが話題になった。


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ほりすた
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