見出し画像

明暗を分けた「This is 運命」

 相変わらずサブスクの解禁が盛り上がっていますね。筆者はApple MusicとSpotify Free(無料サービス)の2種類を使っていますが、表記がオリジナルと微妙に違っていたりと発見があって面白いです。特にSpotifyは再生数が表示されるので、どの楽曲が人気なのかも一目瞭然です。メロン記念日を例に挙げると、“さゆーじあ”でお馴染みの「赤いフリージア」、代表曲「This is 運命」、柴田あゆみがメインボーカルを務めた「香水」と続いています。赤フリは圧倒的に人気があるようですね。

 ところで、2001年10月にリリースされたメロン記念日の「This is 運命」が同じハロー!プロジェクトのシェキドル用に製作された楽曲という噂を聞いたことがあるでしょうか。筆者は最近この噂を知ったわけですが、実際にXで「🔍シェキドル This is 運命」と検索すると、そのようなことを書いているポストがあります。今回は時代考証とやらをしてみたいと思います。


 まず、メロン記念日は2000年2月に「甘いあなたの味」でデビュー。デビュー直後はモーニング娘。のコンサートツアーに帯同し、妹分ユニットとして存在をアピールしていましたが、2001年3月にリリースされた3rdシングル「電話待っています」を最後に7ヶ月ほどリリースが途絶え、もう後がない状況でした。

 一方のシェキドルは2000年11月に「心のフェロモン」でインディーズデビュー。人気バラエティ番組やアニメのタイアップが付き、2001年3月に2ndシングル「徹底的運命」、6月に3rdシングル「全体的に大好きです。」とペース良くリリースしていたものの、セールスは一向に伸びることなく、メンバーチェンジを繰り返していました。


 そこで、「This is 運命」と出会うわけです。シェキドル用の楽曲として噂されたのは、Bメロのソロパートが3人仕様になっていたり、楽曲プロデュースが新堂敦士であることが挙げられます。実際にメジャーデビューシングルとなった「愛は無敵 〜二十歳の夜の誓い〜」の作曲は新堂氏が手がけているので、それなりに信憑性は高いと思います。

 「This is 運命」は、これまでの音楽路線(80’s〜90’sアイドル路線?)とは異なるパンキッシュ・ロックサウンドに仕上がり、リリース直後に行われたモーニング娘。のコンサートでは自由にステージを駆け回る全力なパフォーマンスが話題を呼び、公演終了後にはモーニング娘。のファンが会場内のCD販売コーナーに駆け込んだとも言われています。その結果、当時としては自己最高となるオリコン最高28位を獲得し、2002年以降は“モーニング娘。の妹分”というキャッチコピーとともに『ミュージックステーション』や『うたばん』といった人気音楽番組に登場するわけです。


 シェキドルさんはというと、2001年12月に「This is 運命」ではなくメジャーデビューシングルとして「愛は無敵 〜二十歳の夜の誓い〜」をリリースします。タレント活動経験のある新メンバーをセンターポジションに迎えて再始動しますが、程なくしてメンバーの1人が体調不良となってしまい、残りの2人で活動を継続することになりました。

 しかし、そのメンバーの復帰の目処が立たないことからメジャーデビューからわずか2ヶ月後に単独ライブはおろかメンバーのコメントもないまま公式サイト上で突然の解散を発表しました。デビューから1年2ヶ月での解散…。シェキドルが「This is 運命」をリリースして、メロン記念日が「愛は無敵 〜二十歳の夜の誓い〜」をリリースしていたら、きっと2組の運命は違っていたかもしれませんね。


いいなと思ったら応援しよう!

ほりすた
最後まで読んでいただきありがとうございます。スキとフォローをしていただけると励みになるのでよろしくお願いします。