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【テュルク世界の風景】チェボクサルで見たチュヴァシ語(前編)
Ырӑ кун пултӑр! ウィロ・グン・プルドル(チュヴァシ語で「こんにちは」)
チュヴァシ語も研究するタタール語講師 boltwatts です。まずは、2016年6月に訪れたチュヴァシ共和国の首都チェボクサルで見たチュヴァシ語を紹介していきたいと思います。今回は、食堂編です。
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昼食をとった食堂の名前 Ҫӑлкуҫ(ショルグシ)は、「泉」という意味。チュヴァシ語の名前が付いた食堂だけあって、中にはいくつかチュヴァシ語の張り紙がありました。
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Кунта чӑвашла та калаҫатпӑр.
(クンダ・チョヴァシュラ・ダ・カラジャトゥポル)
「ここではチュヴァシ語も話しています」
ロシア語だけでなくチュヴァシ語も話します、ということですね。当時はチュヴァシ語が全然できなかったので、注文ではロシア語を使いました(ロシア語もあまりできませんでしたが)。
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Кунта видео сӑнав пырать.
(クンダ・ヴィデオ・ソナヴ・プィラチ)
「ここではビデオ監視が行われています」
監視カメラが作動していたようです(チュヴァシ語は分かりませんでしたが、イラストで分かりました)。
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Кӗме(ケメ)「入ること」
入口のことだと思います。кӗр-(ケル)「入る」という動詞の不定形です。タタール語の кер-(ケル)「入る」とそっくりですね。ちなみに、р で終わる一部の動詞は、一部の接尾辞が付くと р が落ちます。
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Кайиччен ҫутта сӳнтер.
(カイッチェン・シュッタ・スュンデル)
「行く前に明かりを消せ」
従業員の消し忘れが多かったのでしょうか。сӳнтер-(スュンデル)「(明かりなどを)消す」は、タタール語の сүндер-(スュンデル)「(明かりなどを)消す」とそっくりですね。
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食堂の中はこんな感じで薄暗かったです。
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せっかくなのでチュヴァシ料理を食べたいと思い、チュヴァシのスープ(写真右)を頼みました(名前は忘れました)。今気づきましたが、お皿が欠けてますね。味はあまり好みではありませんでした。
今回はここまで。次回は、食堂を出た後に見たチュヴァシ語を見ていきたいと思います。
Тепре тӗл пуличчен!
(テプレ・テル・プリッチェン)
「ではまた!」
(文:菱山 湧人「テュルク友の会」メンバー)