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#3 飯場生活/ガチニートが10万貯めるまで



飯場の雰囲気

西成から寄り道含めて数時間走りとうとう飯場に着いてしまった?。
飯場には二階建ての寮、一階建ての寮、そして事務所と3つの建物があり全てプレハブだった。

まず事務所のある建物の詰所と言われる待合室?のような共用スペースに入った。
仕事終わりの男達が狭い部屋の中に十数人集まりタバコを吸って談笑していた。

手配師のaさんが紹介してくれて皆と挨拶を交わす。
僕もタバコは吸うがそれでもむせるほどの空気、マスクをしていてもだいぶキツい程。

そこで事務の人に部屋の鍵を渡されて案内してもらった。ドアノブに付いている訳ではなく南京錠である。
風呂、食堂、トイレ等々共有スペースの場所とルールを教えてもらい部屋に入った。

プレハブの二階建ての上階。布団とそれが2枚程のスペースにテレビが置いてある。
ここで暮らすのか...。
狭いところは好きなので広さは気にならないが畳の部屋には南京虫が出てきそうだ。(日本から絶滅したなんて言われている南京虫、だが西成あいりん地区では南京虫がでるドヤなんかいくらでもある。)
まあカンボジアの田舎で泊まった壁がない汚部屋よりはましだw

そんな事を考えていたらaさんがもう1つ鍵を持ってきてくれてもう1つの建物に案内してくれた。
さっきそこの二階に案内されたのですが...と言うと
あそこは危険地帯やから、、と部屋を移してもらうことに。早速不安な言葉が出てきたな、w

どうやら僕の部屋は一階建ての寮になるようだ。さっきよりは少し広くベッドと棚、その上にテレビが置いてある。
畳ではなく板張りで一応南京虫はいないらしい。(少し前までは出ていたとのこと。)
この飯場の中では当たりの部屋のようだ。

生活し始めてからの写真だが、こんな感じ。
汚いのごめんw

荷物を出して適当に置いた。
部屋には灰皿があり喫煙OK。とりあえず一服し食堂へ夕飯を食べに行った。(後から分かったのだがここの飯場は飯がまずいで有名らしいw)
炊き立てのご飯と魚の煮付け、漬物、サラダ、味噌汁等々個人的な感想だがふつうに美味しかった。

食堂から出ると早速明日から仕事につけるようだとの事。仕事着やヘルメット、革手袋は会社から無料で支給してくれた。安全靴は買っていたのだがそれも貸し出せたのだと...。損したなw
祝日だからもしかしたら仕事がないかもしれないと聞いていたので一安心。
なぜかと言うと飯場に入ったら毎日寮費として3100円引かれてしまうのだ。
仕事があるかどうかは関係ない。
つまり仕事がなかった場合だと、今日明日分の寮費6200が引かれたマイナスの状態で飯場生活が始まっていて訳である。

気になる給料は...?

以前記したように僕みたいに飯場に入り働くか現金と言われる日雇い労働と2つの働き方がある。

飯場に入った場合だとその日の給料から寮費を引かれた分が契約日数満期にまとめて支払われる。
だいたい実働10日、15日、30日間の契約で日曜日は(場所によっては祝日も)仕事がないのでそれを抜いた実働日数の最終日が満期となる。

僕が入った飯場の場合は実働10日契約、未経験の僕は8時始業17時終業(共通)で日給9000円。休憩はバラつきはあるが10時、15時に小休憩。12時から1時間の昼休憩があり実働時間6〜7時間弱と言うところ。
そこから毎日3100円が引かれるので手取り5900円である。
西成の飯場では手取り7000円くらいが相場なので少なめだ。

そして飯場では借り金(前借り)システムがある。その日の給料の一部、数千円を前払いしてもらえる、残りは満期で。皆基本的に貸し金をしてそこから飲み物やタバコ、パチンコなど思い思いの使い方をしているようだ。

ちなみに食費は3食食堂で食べれる(昼分は朝にタッパーに詰めて弁当にする。)ので飽きさえしなければかからない。


現金の場合は寮費など引かれないので日給10000円前後が相場。
西成では毎朝2時〜5時くらいまでの間で日雇い労働者が集まり仕事を探している。(詳しい場所が気になる人が入ればsnsのdmにでも送ってくれれば詳細は教えれます。)
彼らの多くはあいりん地区周辺のドヤに泊まっている。中には安めのアパートを借りている人も。
もちろん食費は出ないので給料からやりくりしなければならない。
給料は高いが現金だと毎日仕事があるかどうか分からないので不安定と言える。
あと現金の中には休日に働きにくるサラリーマンの姿も、税金申告しなくてもバレないし日雇い労働は小遣い稼ぎにちょうど良いのだろう...。


飯場での仕事、1日目。

2月11日、5時起床。

ついに飯場での生活が始まった。
始業は8時からだがそれまでに現場に着かなければならない。なのでだいたい飯場を6時〜7時に、早めに出発する。途中のコンビニなどで時間を調整して現場に向かう。
遠い所だと片道1時間半程かかる現場もあるようだ。
あ、現場までは車で移動する。基本的には会社から、他の会社へ派遣の場合は迎えに来てもらうことも。

朝6時出発。途中コンビニに寄って7時50分に現場に着いた。
初めての現場は2階建ての賃貸アパート。
数週間かけて解体している途中のようだ。

重機は見当たらないので一安心、噂によれば西成からの仕事では重機に掴まれたり轢かれたりして殺される、もしくは大怪我を負う事故が多いという。

まあそんな事は今日は関係ないようだ。早速監督に指示され建物の中に入る、作業は2階から始まった。
中には大量の残骸が、ボードと言われるそれは壁の素材?の一部らしい。

それを専用のカゴのにてでかき集めゴミを取り除き2階から後ろ付けされたトラックへと投げ入れる。
それを永遠と繰り返す。
めちゃめちゃ単純で簡単だが数が半端ない、何か考えてもしょうがないので無心でひたすら集めて、投げてを繰り返した。

途中40手前くらい?の目の焦点が合わない金髪に八つ当たりされながらだったが
糞しゃぶ中め...(覚醒剤やってるか知らんけどw)と心の中で思いながらひたすらスンマヘンすんませんと流してた。




2日目。

2月12日、5時起床。
今日は昨日とまた違うところ。
現場は高級住宅地の中で家は壊されガラが広がっている。そして真ん中にはデッカいユンボが...。

最初は散らばった瓦礫、コンクリート、植物、木屑などのゴミを掃除しながらトン袋と言われるデッカいゴミ袋に仕分けていった。
ある程度片付いたらついにユンボを動かすようだ。。。

大きなガラを掴み同じ種類ごとにまとめたりトラックに積み込んだりしている。
僕のような底辺土工はそのユンボの動いた後の細かいゴミを手で集めまたトン袋に放る。
目の前数十センチをユンボの手が通る。めちゃめちゃ怖い、、。

とりあえず終業まで怪我なく終えたのだが、一度ユンボが掴んだ木が弾けて目の前をかすめて飛んでいった事があった。少しぼーっとよそ見した自分が悪いのだが、、もしも直撃していたら....。
とにかくユンボの動いている近くには出来るだけ近づかない事、ユンボに背中を向けない事を学んだ。

3日目

2月13日、5時20分起床。
昨日と同じ高級住宅地、同じような作業だが昨日より少し慣れたのか楽だった。
とか思っていたがやっぱりキツかったw
今日は特に危ないこともなく無事終業。
強いて言うなら二日酔いで昼休憩前に吐いてしまった。他の人に心配かけないように近くの公園で隠れて吐いたw二日酔いで肉体労働はダメだ...と新しい発見!(当たり前だw)

飯場に飼い殺される。

2月14日、9時半起床。
今日は日曜日で基本的に仕事は休み、もちろん僕も。初めての休日ということでゆっくりしよう、まあまだ3日しか働いてないけどw

ごろごろした後詰所に行くと数人タバコを吸いながら話していた。軽く声をかけられて混じることに。しばらくするとそれぞれ出かけたり、、
飯場に入り7年目という人と2人になり飯場の話しを色々聞かせてもらった。

その人自身の話しも面白かったのだがドギツイ極道漫画みたいな壮絶な楽しい♡話しを聞かせてもらった。w
まあとても書けるような話ではないので飯場の話しを書こうと思う。


この会社は仕事がある時とない時の差が激しく現場が安定してない人は仕事に出れずに毎日3100円の寮費を引かれ続けられる事があるという。十数万〜中には100万超えるまで少しづつマイナスが溜まりそれを返すまでひたらすら働き続けるなんてことも。。
それができない人は飯場から"とんこ"をかまし(バックれる)逃げるのだそうだ。

100万を超えたらマイナスを戻すのに何日間働けば良いのだろうか、、食事は出るので食いっぱぐれる事はないがそんなの飼い殺しだ。
まあそんなになるまで何もしなかった本人も悪いのだろうが仕事に出たくても出させてもらえないのならどうしようもない。
なかなか闇深い話しであった。

そんな話しもして夕方からは隣の部屋の人に近くの銭湯へ連れて行ってもらった。
30前半の感じが良いお兄さんだ。
久し振りにゆっくり湯に疲れた。まだ若干二日酔いが気持ち悪いが明日からの仕事も頑張ろう。w

2月15日22時。

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