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哲学的スパイスカレーの手引



スパイスカレーが好きだ。


インド人留学生がよく分からない文字の書いた小屋で、いそいそと作っているスパイスカレーが好きだ。


胸焼けするような小洒落たカフェで、ゆるふわパーマのかわいい女の子が作るスパイスカレーが好きだ。


大型イベントの野外会場で、キッチンカーに乗ったおっちゃんが作るスパイスカレーが好きだ。


鼻腔をくすぐる華やかな香り。

口に入れた瞬間に弾ける鮮烈な衝撃。

汗をぬぐう食後の満足感。


俺はスパイスカレーが大好きだ。


ということで、スパイスカレー作ってくよ!
(これ見ても作る人なんかいないと思うから適当に書いてくね)


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スパイスカレーとはどのように作られるのか


まずスパイスカレーの食材と調理工程を細分化し、その後それぞれに俺の考えを書いていこう。

スパイスカレーのレシピには膨大な量があるため、全てに共通する訳ではないがおおよそ下記の通りだろう。


1.ホールスパイスを炒める

2.玉ねぎを炒める

3.トマトを炒める

4.パウダースパイス&塩を炒める

5.メインとなる食材を加える

6.水を入れる

7.煮込む

完成


本来であればもっと細かく論じていきたいところだが、こんな記事を読んでスパイスカレーを作ろうと思う変人もなかなかいないのでこの程度で抑えておく。


以上、上記の食材及び調理工程について順に説明しよう。


1.ホールスパイスを炒める

このホールスパイスを炒めるという作業、これはホールスパイスの持つ香りを油に移すことが目的だ。

よく使用されるホールスパイスとしては、カルダモン、クミン、クローブ、マスタードシード、シナモン、ブラックペッパー、フェンネル、フェネグリーク等々。

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上記以外にも無数に存在するホールスパイスは、それぞれに違った魅力的な香りを有しており、油で熱せられることにより、その香りをエキスのように油に移していく。

そもそもスパイスは常温ではそのスペックの1割も発揮しない。

油により熱を加えることによって香りがエッセンシャルオイルとなり、フライパン上で爆発的な香りを産む。


ただ一概にホールスパイスと言っても、性質は様々だ。

焦げやすいクミンやニンニク、ショウガは少し後から入れたり、逆にカルダモンやシナモンは最初からガンガン火を入れていく。

すりおろしたニンニクやショウガを使う場合は後述する玉ねぎを炒め終わる頃に入れても良いと思う。(めっちゃ焦げやすいから)


まあこの辺は経験して覚えてほしい。


2.玉ねぎを炒める

スパイスカレーにおいて玉ねぎは、後述するトマトと合わせて、無くてはならない食材の1つである
(バターチキンカレー等、舌触りを気にするレシピには入れないこともあるが)


メイラード反応至上主義の俺は、じっくり炒めた玉ねぎの香りだけで酒が飲める。

全体が濃いキツネ色になるまで炒めた玉ねぎは、カレーに甘みとコクを与えてくれる。

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しかし、本場インドでは濃いキツネ色まで炒めるシェフはほとんどいない。

インド人はスパイスカレーにおいて香りを最も重要だと考えていて、深いこくや甘さ等の味については余り気にしていないからだ、と俺は考えている。


ただし、俺のような生粋の日本人の舌には深く炒めた玉ねぎの甘みは至極という他ない。

まあこのあたりも色々試して確認してほしい。

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3.トマトを炒める

トマトを炒める理由は、なんと言ってもその「旨み」にある。

この旨味は科学的にグルタミン酸の働き等で説明できるが、そんなことはどうでもいい。

トマトは炒めると旨い!

それでいいと俺は思う。

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トマトにも種類が色々ある。

季節で採れる種類も変わってくるから、その時々に応じたトマトで季節を感じるのも通な楽しみ方だろう。


まあトマト缶で十分旨いけどな。


4.パウダースパイス&塩を炒める

スパイスカレー作りにおいて、素人が1番恐れ、震えあがっているであろうこの工程。

数100種類あると言われるスパイスを、自分の才覚と経験で調合しフライパンにぶちこむ。

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この工程については複雑怪奇な理論や考えがあるため、後日詳しく記事を書くとする。


今回は超シンプルなチキンカレー(4人前)で、俺がよく使う配合を紹介しよう。

・クミン      小さじ4
・コリアンダー   小さじ4
・カイエンペッパー 小さじ2
・ターメリック   小さじ1

大筋はこの配分で、好みでいじれば良い。

例えば辛いのが嫌いなお子ちゃまには、カイエンペッパーの代わりに同量のパプリカパウダーを入れてあげるのが良いだろう。

またコリアンダーを小さじ1減らして、代わりにカルダモンパウダーを同量入れてやると香りがまた変わったりする。

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さっきも書いたが、詳しくは別記事で紹介するのでスパイスの配分についてはこれくらいにしよう。


次に塩について説明する。

そもそもスパイスには味がない
(あるとしても少しの苦味だけ)

これは良く勘違いされているのだが、スパイスは素晴らしい香りをだすための食材であり、味をつける為の食材ではない。

スパイスカレーの味を決めるのは塩のみだ。
(野菜の甘みとか他色々あるけど基本的にはの話だよ)

様々なレシピ本や料理人が、塩について詳しく話しているが、今回は超シンプルに伝えよう。


塩は全体の重量の1%を入れておけ。


それだけで大体なんとかなる。
(薄かったら最後に調整してね)

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5.メインとなる食材を加える

チキンカレーなら鶏肉!
ビーフカレーなら牛肉!
ポークカレーなら豚肉!
マトンカレーなら羊肉!

以上!!!!!
(チキンはヨーグルトで一晩漬け込んでから入れたら美味しいよ)

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6.水を加える

フライパンの中の食材が、浸るか浸らないかくらいを入れたらいい。
(インド料理なんか適当に作りゃ美味い)

お店によっては野菜とか鳥の骨からとったブイヨンなんかを使うところもある。

ただし、加える水分(ブイヨン等)の味や風味が強いと、スパイスと喧嘩する可能性があるから注意してくれ。

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まあ初心者は水で十分だと思う。


7.煮込む

味がまとまり、メインの食材に十分火が通るまでグツグツやろう。

ただ煮込み過ぎには注意だ。

スパイスは火が入らないと香りを出さないが、火が入りすぎると香りが飛んでしまう

まあこのあたりの感覚もやって覚えるしかない。

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まあ20〜40分くらいでいいと思う。





\\完成//


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↑写真はポークカレー


お疲れ様。
ここまで読んでくれてありがとう。

ただ今回の記事で書いたのはスパイスカレーの魅力のほんの一部にすぎない

俺は今後もスパイスカレーを作り続け、記事を書き続けるからまた読んでくれ。




以上!!!!!!

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