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【雑感】若さゆえの過ちを棚上げできるのはオッサンの特権、ですが、自分と同じ過ちを繰り返すことを次代に推奨したくはないですかね。。
私自身は(一浪とはいえ)大学1年の頃から飲酒していました。もっと言えば、高校生の時に自宅に来たお中元か何かで飲ませてもらった「久保田」が絶品だったのは今でも覚えています。それなりに飲み過ぎて前後不覚になった事もありますし、そこそこに失ったものもありますが、それらをすべて棚に上げて、、
法律では飲酒、喫煙は20歳まで認められていない。代表活動中は20歳以上でも喫煙や飲酒を禁止すると定める協会の代表選手行動規範に違反したと認定。常習性も疑われるが、「本人が各1度と説明したので、我々はそれを信じる」とした。
パリ五輪まで一週間となったタイミングでのこのニュース、主にSNS上での賛否両論の渦巻き具合をざっと俯瞰していますが、大枠では「まだ若いのだから、今回の失敗だけで辞退させるのは厳しすぎないか」と宮田選手寄りの擁護と、「ルールも守れない人間は代表としてふさわしくない、協会も苦渋の決断だろう」との日本体操協会よりの擁護に二分、といった所でしょうか。
まずは、宮田選手の陰で代表に選ばれなかった選手の皆さんが存在しているとの点も含めてみておきたいな、と個人的には。
その上で、どちらの意見ともに「教育的配慮を!」といった言葉が付与されているのも興味深く見ていますが、私自身は「上手ければ(強ければ)、何をしても許されるとの歪な成功体験を与えなかった」との点で「日本体操協会の判断」をまずは支持します。
それこそ、宮田選手への「教育的配慮」に他ならないでしょうし、また、この先に未来の代表となっていく子供たちへの「教育的配慮」でもあるでしょうから。
衝撃的だったのは前夜の段階で発覚した喫煙に加え、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)の居室内での飲酒が判明したことだ。選手やスタッフら、限られた人物のみが立ち入れるNTC内での行為だけに、宮田に近い体操関係者による通報の可能性が高い。西村氏も「内部通報者ということは、田中本部長からも直接聞いている。決して外部からではない」と認めた。関係者によると、宮田に対して以前から素行の悪さを問題視する声があり、喫煙について「過去に厳重注意を受けていた」との証言もある。
(「スポニチ アネックス」2024年7月20日)
あくまでタブロイド紙での話で、またここ最近、いわゆるオールドメディアが言う「関係者」の存在には大分懐疑的ではありますが、こちらの内容通りに今回が初犯ではなかったのであれば、少し様相も変わってきますかね。
本学としては、当該選手に対する教育的配慮の点から、常習性のない喫煙であれば、本人の真摯な反省を前提に十分な教育指導をした上で、オリンピックに出場することもあり得ると考えておりました。したがって、この度のオリンピック出場辞退という結果には、本人が負う社会的ペナルティーの重さへの懸念から、誠に残念な思いでおります。
(「順天堂大学HP」2024年7月19日)
宮田選手が在学している順天堂大学からもプレスが出ていますが、個人的には少々引っかかる言い回し、との印象です。
あくまで私見ですが、「初犯・再犯」といったニュアンスを感じられない、協会の「常習ではないとの本人の言を信じる」、大学の「常習性がなければ」といったそれぞれの言い回しにどこか符牒めいたものを感じてしまうのは、今回の喫煙・飲酒がナショナルトレーニングセンター(NTC)内との事であれば、その気になれば内々に処理も出来たろうに、内部告発との形でオープンにしたのは広い意味で(宮田選手も含めた)選手を守るための必要があったからかなとみています、さてその要素は奈辺にあるのか。
今後、日本体操協会から何かしらの報告書等々が出てくるのかは不透明ですが、選手全体を守るような流れになってくれるとよいなと思います。ただ、それは決して今回のパリ五輪に宮田選手を参加させることではないとも考えています。
▽日本体操協会「日本代表選手・役員の行動規範」の一部抜粋
「8、日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する。※2016年度から数年かけて段階的に全面禁止とする」
「9、日本代表チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても飲酒は禁止とする。ただし、合宿の打ち上げ、大会のフェアウェルパーティー等の場合は監督の許可を得て可能とする」
(「スポニチ アネックス」2024年7月20日)
少しの油断で全てを失うとの事、今回の宮田選手はまだ19歳とのことですが、それでも競技生活引退後の人生の方が長くなるのは変わらないでしょう。長い目で見れば、今このタイミングで厳格に扱われることは教育的にみたらよかったのかな、と、そういった意味での配慮がなされていると思います。宮田選手ご自身が体操競技を神格化していなければ、人生の再チャレンジはいくらでも行えるでしょうから。
「たかが飲酒、喫煙、されど飲酒、喫煙」、「強ければ、上手ければ何してもよい、周りをどう扱ってもよい」ってのは、私の世代でも競技レベルを問わずに(特に個人競技などはより色濃く)ありましたが、そういった驕慢さが各種ハラスメントを引き起こしていたのではないかなぁ、なんて思いながら。
あと数年前から、ニコチンは今後ドーピングにひっかかる可能性もあるとの見立ても出ているのですね、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が「監視対象」に入れる形で。
Q:タバコにはいろいろな物質が含まれていると思いますが、なぜドーピングで禁止されないのでしょうか。
A:一般的に、喫煙は、持久力や回復力を低下させますが、タバコに含まれる「ニコチン」には、筋肉増強作用や精神安定作用などがあり、パフォーマンスを向上させる可能性があります。現行のルールでは、ニコチンは禁止物質には指定されていませんが、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)は、競技会時のニコチン使用を、“監視プログラム”のリストに掲載しています。“監視プログラム”に含まれている物質は、その時点においては禁止物質ではないため、競技者の検体に含まれていてもアンチ・ドーピング規則違反にはなりませんが、使用状況は分析機関からWADAに定期的に報告されており、ドーピング目的に濫用されている事実が立証された場合には、監視プログラムに掲載されていた物質が禁止物質に改めて指定されることがあります。(2021.5.20)
当然、各協会もこれらを踏まえて中長期的な視点から行動規範を策定していると思いますので、そもそもに宮田さんがアスリートとしてもさることながら、チームをまとめるべき主将としても意識が低かったのでは、と言われても仕方ないんじゃないかなぁ、、
特にニコチンはその中毒性が問題になることも多いですし。順大さんはどうお考えなんだろうか、学校としてきちんと追いかけてくれてるとよいのですが(息子の友人が通っていたりもしますので)。
また、法律云々もですが、所属する組織のルールを大枠で守れない人は結局のところ大成できない。ルールが気に食わないのであれば、破る前に改正するよう働きかかけるのが法治国家でのあるべき習律かな、なんて、最高裁の判断なんて意味がないと放言していたどこぞの元首長さんを思い出しながら。
ちなみに、私が一番肚落ちしたのはこちらの方のまとめでした、よろしければご参考までに。。
体操選手の話、個人的には協会の苦渋の判断を支持しているけど、色々思う所を書いてみる。
— ばりすた☕️脳神経内科医 (@bar1star) July 19, 2024
喫煙もだけど、強化拠点の宿泊施設内の飲酒は印象悪いよね。違反行為したらオリンピックがどうなるかは、前々から知ってたことだろうし。…