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罪・ホットサンドメーカー・ゴザ

人がモノを食べている様子って安心する。いや、するか……?

罪、ホットサンドメーカー、アル中カラカラ、ドカ食い気絶部、etc。世に料理を作って食べる動画は数多く存在する。YouTubeは希少体験を庶民に共有する場所、と人が言っているのを聞いたことがあるけれど、食事がどうしてそれに当てはまるのだろうか。

華麗な包丁さばきや希少食材を見ているわけではない。画面の彩りをおかずに素パスタを食べるスカンピン生活を送っているわけでもない。

ウメーと喚く声を聴きながら確かにコンビニ弁当を食べてはいるけれど。

一人暮らしをして気づいたけど、炊事って実は憧れなのかもしれない。片付けられたキッチン。広い撮影スペース。食事を摂ろうという意思。人は絵に描いた餅が好きと言おうと思ったけど、あまりに自分が怠惰すぎるだけだった。


それにしてもこの動画はすごい。最近の風潮って炊事音がASMRで心地よくて~、って感じなんじゃないんですか。それをこんなSDGsに真っ向から反抗するような。いつかYouTubeから規制かけられそう。

なんてことを思っていたら、動画のBGMが「てってってー」であったことに気がついた。

かつて低い画質と学習机で撮られていたニコニコの「作ってみた」動画の雰囲気が、そこにあった。あの太いアスペクトで脇が黒くて青地に白い文字で編集されている、あの感じが再現されている。

つまり不道徳感と頭わるさが小気味いいこの動画も、しっかりとフォーマットに則るというお作法に礼儀正しく従っていたということだ。記号化された丁寧な暮らしはきれいなディストピアである。


僕は足の踏み場もない自室で、レンチン弁当を食べている。ここにこそ自由がある。そう思っている。きちんとお作法に則った動画を拝聴しながら。

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